テーマ:Jazz(1958)
カテゴリ:ジャズ
さらりと聴かせるピアノ・トリオ レイ・ブライアント(Ray Bryant)は、1931年フィラデルフィア出身のジャズ・ピアノ奏者。早くからプロとして活動し、レスター・ヤングやマイルス・デイヴィスなどと共演したほか、1950年代後半からは独自のトリオなどで名声を得た。 そんなレイ・ブライアントのピアノ・トリオ盤といえば、『レイ・ブライアント・トリオ』(プレスティジ盤)や『レイ・ブライアント・プレイズ』を挙げるのが定石だろう。けれども、今回は、『オール・ブルース』に続いて、少し捻りをきかせて、この『コン・アルマ(Con Alma)』というトリオ盤を取り上げてみたい。 本盤の聴きどころとなるポイントは2つあるように思う。1つは、表題曲の1.「コン・アルマ」と、彼の代表曲として知られる6.「クバノ・チャント」。ともに軽快なラテン風味の演奏で、ドラマーのミッキー・ロッカーが繊細かつ巧妙にこのリズムを先導する。その一方で、もう1つのポイントとなっているのは、定番曲の多さ。2.「マイルストーンズ」や3.「ラウンド・ミッドナイト」、8.「枯葉」に9.「Cジャム・ブルース」などと、有名曲のオンパレードという側面も本盤は併せ持つ。 でもって、それらスタンダード曲の演奏があるからこそ、本盤はいいのだと思う。全編を通してラテン風味だと、聴き手は飽きてしまう。かといって、スタンダードナンバー目白押しでは、よほどの奇抜な演奏がないとわざわざ聴く気にはなれない人も多いだろう。スタンダード曲では個性を出しながらも暴走はせず(とはいっても、8.や9.なんかは結構お気に入りだけれど)、1.と6.でアクセントがついている。そんな意味では、通して聴いてこその作品と言えるかもしれない。 余談ながら、レイ・ブライアントは、およそ3年前、2011年6月にニューヨークで亡くなっている。享年79歳だから、早世の人が多いジャズ界では、“天寿を全う”に近いのかもしれないが、やっぱり惜しまれる。 [収録曲] 1. Con Alma 2. Milestones 3. 'Round Midnight 4. Django 5. Nuts and Bolts 6. Cubano Chant 7. Ill Wind 8. Autumn Leaves 9. C Jam Blues 1960年11月25日、1960年1月26日録音。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】コン・アルマ [ レイ・ブライアント ] 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーを“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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