テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
“幻のトランペット奏者”の第1作 ルイ・スミス(Louis Smith,ルイス・スミス)は、1931年テネシー州メンフィス出身のジャズ・トランペット奏者(84歳の現在も存命中)。1958年から2004年に至るまで10数枚のアルバムを吹き込んでいるが、キャリア当初はすぐにいったん身を引いたため、その録音は少なく、1950年代には2枚のリーダー作をブルーノートに残しているに過ぎない(その後は1970年代に2枚、1990年代~2000年代に残りのアルバム作品を発表)。 本盤『ヒア・カムズ・ルイ・スミス(Here Comes Louis Smith)』は、ブルーノートで最初に出された彼の作品であるが、厳密にはブルーノートで制作された作品ではない。プロデューサーとしてトランジションなるレーベルを設立したトム・ウィルソン(このプロデューサーは後にボブ・ディランのプロデュースなどを手掛けることになる)が吹き込んだものであった。つまりは、同レーベルの倒産によって宙に浮いた音源をブルーノートのオーナーのアルフレッド・ライオンが買い取り、レコード化したものであった。 デビュー盤と言っても完成度は高い。ダグ・ワトキンス(ベース)のほか、アート・テイラー(ドラム)とトミー・フラナガン(3., 4., 6.のピアノ)ならびにデューク・ジョーダン(1., 2., 5.のピアノ)が演奏をぐいぐいと牽引する。バックショット・ラ・ファンク(Buckshot La Funke)なるクレジット名のアルト・サックス奏者(4.を除く)も登場するが、これはキャノンボール・アダレイその人。当時すでにエマーシーと契約していたキャノンボールが変名で登場しているという訳である。 ルイ・スミスのトランペットは、ブラウニーのような天才的な響きとは違って、勢いと温かみの両方を備えている。筆者のおすすめは、1.「ブラウニーに捧ぐ(トリビュート・トゥ・ブラウニー)」の勢いに乗った演奏と、有名バラード曲の4.「スターダスト」での美しく温かみのあるトランペット演奏。また、2.,3.,5.,6.と計4曲の自作曲が収録されているが、これらの中では、スローテンポのブルースである2.「ブリルズ・ブルース」と、妻の名をとった3.「アンデ」が個人的には気に入っている。 [収録曲] 1. Tribute to Brownie 2. Brill's Blues 3. Ande 4. Stardust 5. South Side 6. Val's Blues [パーソネル・録音] Louis Smith (tp) Buckshot La Funke [Cannonball Adderley](as: 1.~3., 5., 6.) Tommy Flanagan (p: 3., 4., 6.) Duke Jordan (p: 1., 2., 5.) Doug Watkins (b) Art Taylor (ds) 1., 2., 5.: 1958年2月4日録音。 3., 4., 6.: 1958年2月9日録音。 [期間限定][限定盤]ヒア・カムズ・ルイ・スミス/ルイ・スミス[CD]【返品種別A】 下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年11月15日 09時03分00秒
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