テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
ジャズ界を代表するバラード・アルバムの1つ
ジャズ界において最高のバラード・アルバムと言うと、ジョン・コルトレーンの『バラード』やら、ジェリー・マリガンの『ナイト・ライツ』なんかをはじめとしていろんな意見が出ることだろう。そんな至高のバラード・アルバム群に加えても引けを取らないのが、マイケル・ブレッカー(Michael Brecker)の『ニアネス・オブ・ユー:ザ・バラード・ブック(Nearness of You: The Ballad Book)』(2000年録音)ではないかと思う。 マイケル・ブレッカーは1949年フィラデルフィア生まれのテナー・サックスおよびウィンド・シンセサイザー奏者で、残念ながら2007年に白血病で亡くなっている。1970年代半ばからブレッカー・ブラザーズ、1980年代後半からは単独名義でも活躍した。そんな彼が2000年末に録音し、翌2001年に発表したのが本作『ニアネス・オブ・ユー:ザ・バラード・ブック』だった。 本盤の特徴としては、表題(副題)にあるように、まずはバラード集であるということが挙げられる。演奏メンバーも特徴的で、ピアノがハービー・ハンコック、ギターがパット・メセニー、ベースがチャーリー・ヘイデン、ドラムがジャック・ディジョネット。さらに2曲でジェームス・テイラーがヴォーカルを担当している。これらメンバーの中でも、全体のトーンを決めているという点で、パット・メセニー(共同プロデュースも担当)とチャーリー・ヘイデンの役割(この二人の作品としては例えばこちらを参照)が大きいように思う。 フュージョンでもポップスでもいろいろ演ってきたことから、いろんな評価(とはいえある段階から“ジャズの巨匠”みたいな扱いが増えましたが)がありますが、やはり実力は折り紙付きで、ジャズ界を代表するジャズ・アルバムといってよいと思う。ちょっと面白いと個人的に思っているのは、本盤は2通りの聴き方で楽しめるという点。さしあたり、ショート・ヴァージョンとフル・ヴァージョンと呼んでおきたい。前者は前半(1.~5.)だけ聴くといもの。冒頭から、ジェームス・テイラーが登場する表題曲の5.「ニアネス・オブ・ユー」までの、“チャプター・ワン(第1章)”と題された部分のみという聴き方である。これだけで30分弱、昔の作品だったら1枚分の気分ですらある。 もう一つは、そのまんま作品全部を聴くというもの。6.~10.は“チャプター・トゥー(第2章)”の名で括られており、最後の11.「アイ・キャン・シー・ユア・ドリームス」は“エピローグ(終章)”と題されている。前半はヴォーカル曲でメリハリがついていたわけだが、後半はひたすらバラード演奏続きで、一聴すると少々退屈しそうと思う向きもあるかもしれない。けれども、実はこの後半が結構奥深く、好きな人は深くはまってしまうのだと思う。そのようなわけで、あまりバラードが得意でない向きは1つめの聴き方を、バラード好きにはぜひ全編を通してという聴き方で楽しめるのではないだろうか。 [収録曲] 1. Chan's Song 2. Don't Let Me Be Lonely Tonight 3. Nascente 4. Midnight Mood 5. The Nearness of You 6. Incandescence 7. Sometimes I See 8. My Ship 9. Always 10. Seven Days 11. I Can See Your Dreams [パーソネル、録音] Michael Brecker (ts) Pat Metheny (g) Herbie Hancock (p) Charlie Haden (b) Jack DeJohnette (ds) James Taylor (v, 2. & 5.) 2000年12月録音。 【メール便送料無料】マイケル・ブレッカー / ニアネス・オブ・ユー:ザ・バラード・ブック[+1][CD]【K2016/11/23発売】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年02月01日 20時54分53秒
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