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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2017年02月06日
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テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
サックス+アンサンブルのよさが前面に出た好盤


 ブッカー・アーヴィン(Booker Ervin)は、1930年生まれのテナー奏者(1970年死去)。1960年代前半から中葉にかけてのプレスティジへの吹き込み(例えばこちらの盤こちらの盤)がよく知られているが、後年には、パシフィックやブルーノートといったレーベルにも録音を残した。今回は、その中からパシフィック盤の一つである『ブッカー・ン・ブラス(Booker’n’Brass)』を取り上げてみたい。

 ブッカー・アーヴィンの演奏に関して、一般に“くどい”とか“吹き散らかす”とかいう評はある(筆者はそれも好きなところなのだけれど)。そうしたイメージに比べれば、本盤は全体として比較的うまくまとまった演奏に仕上がっているように思う。無論、それは彼らしさが足りないとかいうわけではない。確かに、それなりに“くどい”演奏も含まれるのだけれど、全体の編成があった上で彼が主役という、この盤の企画全体のコンセプトによるといったところだろうか。

 基本的には10名程度のミニ・ビッグ・バンド風の編成で演奏されている。その中でのブッカー・アーヴィンのソロは、他の名義作と比べると、どちらかといえば(もしくは、“彼にしては”というのがより正確だろうか)、ストレートで、これが作品としての統一感に大きく影響している。つまりは、“彼らしさ”と“彼らしくなさ”の微妙なバランスがあるということ。ある意味、“濃い演奏”が売りの(繰り返し言うが、個人的にはそれが好きなのだけれど)ブッカー・アーヴィン作としては、少し異例と言えるかもしれない。

 ともあれ、個人的には、この個性控えめ(でもやっぱり個性が出てしまう)の演奏と、全体のバランスが何ともいい。ブッカー・アーヴィンのコアなファンからはどう受け止められるのか自信はないけれど、自分としては、“このバランス”(中途半端さ?)が、なかなか心地いい。普段よりも妙にストレートで、とはいっても、どこか彼らしさが抜けきらないというこの微妙なバランスが筆者のツボにはまるのである。

 個人的にお気に入りの演奏をいくつか挙げると、まずは、ノリのいい演奏の1.「イースト・ダラス・スペシャル」。それから、4.(CDでは10.と11.にも別テイクあり)「L.A.アフター・ダーク」は、ブッカー・アーヴィンらしいテナーの歌いっぷりがいい。ビッグ・バンド風の仕上がりとしては、5.「カンサス・シティ」も好み。有名曲の8.「想い出のサンフランシスコ」に続く9.「セント・ルイス・ブルース」もまたブッカー節がいい感じでアンサンブルの中で展開される。ちなみに、ここまでいくつかの曲名を見てお分かりのように、収録曲はちょっとした米国旅行の気分がなるような感じに配されている。上で触れた曲以外では、ソルト・レイク・シティ、ニュー・オーリンズ、バルチモアなどといったように、各地の地名に因んだ曲が並んでいるのが面白い。


[収録曲]

1. East Dallas Special
2. Salt Lake City
3. Do You Know What It Means to Miss New Orleans?
4. L.A. After Dark
5. Kansas City
6. Baltimore Oriole
7. Harlem Nocturne
8. I Left My Heart in San Francisco
9. St. Louis Blues
10. L.A. After Dark [Alternate Take 3]
11. L.A. After Dark [Alternate Take 7]


[パーソネル、録音]

4., 6., 9., 10., 11.:
Booker Ervin (ts), Charles Tolliver (tp), Ray Copeland (tp), Freddie Hubbard (tp), Richard Williams (tp),
Garnett Brown (tb), Bennie Green (tb), Benjamin Powell (b-tb), Kenneth[Kenny] Barron (p),
Reginald[Reggie] Johnson (b), Lenny McBrowne (ds)
1967年9月12日録音。

1., 2., 5.:
Booker Ervin (ts), Martin Banks (tp), Ray Copeland (tp), Richard Williams (tp), John Coles (tp),
Bennie Green (tb), Britt Woodman (tb), Benjamin Powell (b-tb), Kenneth Barron (p), Reginald Johnson (b),
Lenny McBrowne (ds)
1967年9月13日録音。

3., 7., 8.:
Booker Ervin (ts), Martin Banks (tp), Ray Copeland (tp), Freddie Hubbard (tp), Richard Williams (tp),
Garnett Brown (tb), Bennie Green (tb), Kenneth Barron (p), Reginald Johnson (b), Lenny McBrowne (ds)
1967年9月14日録音。





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Last updated  2017年02月06日 06時17分08秒
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