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こっそりブログやってみたよ

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2007/05/03
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カテゴリ:カテゴリ未分類
ヤンキーは喧嘩で逃げた人は臆病者だとか卑怯者だとか言うけれど、三十六計逃げるに如かずという言葉があるとおり、実際は逃げたほうが有利な場合というのが多々ある。どうも今の社会は「逃げ=負け」というヤンキーっぽい結論で考察が停止してしまっているけれど、「逃げ=負け」と決め付けることは愚かしい。逃げるといってもいろいろな種類があり、必ずしも逃げることが卑怯でも負けでもないのである。
まず積極的な逃げというのがある。例えば競馬では逃げというのがレースの戦法としてある。出走と同時に先頭を走ることで、自分のペースで走りながら有利な進路を確保することができるのだ。株の売り逃げというのもある。バブルのときには暴落を予期して持ち株を売り払い、利益を確定した人が一番得をした。逃げというのは機先を制することでもある。
次に悪い状態からの脱出としての逃げもある。例えば敗戦濃厚になったときに投降して相手の捕虜になれば死なずにすむし、株の損切りも市場からの撤退という逃げである。機先を制するまでには至らずとも、状況が悪くなったのをいち早く察知して逃げれば損失は少なくて済む。「逃げ=負け」あるいは「逃げ=弱い」として非難されやすいのがこの種類の逃げだけれど、悪い状況から抜け出せれば再起の機会があるので、必ずしも負けとはいえない。
それから囮としての逃げもある。兵法では戦に負けて逃げるふりをして深追いしてきた敵を罠を仕掛けた陣地におびき寄せたり、伏兵を配置した場所まで誘い込んで迎撃する戦法がある。相手が勝つことに執着して追いかけてくるほど有効な戦術で、いわばカウンター攻撃を仕掛けるための前振りとしての逃げである。
逃げるのは自分の状況を有利にする行動だけれど、逃げることにはリスクがあり、それは逃げそこなうことである。「逃げ=負け」ではなく、逃げそこなうことこそが負けである。逃げると決めたにも関わらず逃げられなかったとしたら、逃げる判断が遅すぎるか、逃げるための能力が不足しているのだ。例えばよく言われていることだけれど、赤字の企業がリストラで早期退職者を募ると優秀な社員からやめていき、転職するほどのキャリアがない社員が会社に残るという。退職した人は「脱出としての逃げ」を成功させたけれど、逃げそびれた人間は経営が傾いた会社と運命を共にするしかなくなる。状況が悪いにも関わらず、逃げることができずに身動きが取れなくなったらそれは将棋でいう詰みの状態で、負けが決定することになる。
こんなことを踏まえたうえで逃げを考えてみると、「逃げ=負け」として非難されている人を一概にとらえることはできなくなる。現代ではリスクマネジメントができているせいかどうかしらないけれど、敗戦濃厚な勝負は初めから避ける傾向がある。例えば結婚から逃げる人がいる。もてないわけではなく、恋人がいるけれど結婚はしないという人だ。結婚しなければ浮気や離婚で自分の財産を婚約者やその家族に取られたりするリスクがない。妻が浮気して貯金を使いこみ、熟年離婚して退職金まで取られたという負け方に比べれば賢い選択かもしれない。また、労働から逃げる人もいる。例えばニートは労働をしていないけれど、不労所得がある場合が多いので必ずしも負けとはいえない。労働を拒否するのはニートだけではなく、能力があるにもかかわらず残業をしたり責任をとりたくないから中間管理職になりたがらない平社員も多いという。労働から逃げるというのは薄給とサービス残業でこき使われてノルマ達成のストレスで身も心もすり減らすよりもましな選択かもしれない。
かつて逃げというのは勝負の戦法の一種としてあったけれど、現在は自らの意思で行う勝負の中の逃げではなく、社会からの逃げが新しい行動として社会問題になりつつある。結婚や労働という慣習としてほぼ義務化されて社会から強制されている行為から逃げることが良いか悪いかというと、個人が悪いのか社会が悪いのかという議論の途中でまだ結論がでていないけれど、少なくとも今の社会が制度的にゆがんでいることの兆候としてとらえることができるだろう。働かず、消費せず、子供を作らないという社会に対する反抗はサイレントテロとも言われている。社会保険庁による年金の無駄遣いや保険金の不払い、そして企業のリストラや偽装請負など、今の社会はもはや国民から信用されなくなっているのだ。今はニートが非難されているけれど、わたしは個人が社会に対してとりうる戦略としての逃げを評価したい。





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最終更新日  2007/05/03 11:41:30 PM
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