|
カテゴリ:文房具(筆記具)
あなぐまが、あれは確か高校生になったばかりの頃だったろうか、気にはなっていたけれど、買わなかった万年筆があった。 それは「TOMBOW(トンボ)Zoom 828fp」だった。 当時、なんだかコロッとしてておもしろいな、と思わず手にとったものの、開けてみたら万年筆だったので「あ、これは大人の物だな・・・」と戻してしまった。 今から思うと、別に買ってもおかしくはなかったのに、と思うが、高校にあがったばかりのあなぐまには「万年筆=大人の持ち物」という図式ができあがっていて、それは疑いようのないものだった。 それっきり忘れていたけれど、数年後にある映画でその万年筆を見ることになった。 それは「みんなのいえ」(監督:三谷幸喜)。 唐沢寿明が演じるインテリア・デザイナー柳沢が、自分の理想とする建築のスケッチを、828fpを使って描いていく。 「うわぁ、あれだー」と思って慌てて探してみたが、既に遅し。とっくに発売が中止になっていた。 なんとなくそれが気になりつつも、作られていないものは仕方がない。 そう思ってまた数年。雑誌でふとコロンとした小さな万年筆を見つけた。 Zoom828fpのような卵型ではないけれど、その小さくて、モスラのようなユニークな形がどうしても気になった。 これも生産中止ではあったけれど、まだ扱っているところを見つけて、なんとか無事入手できた。 これがすごく楽しい。軸の感触は正直オモチャの感触で、あまり期待はしていなかったが、ペン先が意外なほど滑らかだった。Mニブの表示だが、限りなくFに近い。それだけ細いのにひっかかりをほとんど感じない。 キャップをすればほどほどの長さになり書きやすいが、私はあえてキャップをしないのが好きだ。こうすると、ペンのおしりの部分がちょうど親指と人差し指の間のくぼみにすっぽりと納まってくれる。不安定なようだが、これが妙に安定するポジションになる。 プラチナなのに、ヨーロピアンサイズのカートリッジに合わせているのも嬉しい。遊び心と書きやすさがうまくマッチしていて、これを使っていると、何かが生み出せてきそうな気がしてくる。 一緒に散歩に出かける、柴犬のような万年筆。そんな印象だ。 なぁ、ポチや。(?) プラチナ グラマー万年筆 PGM-3400つや消しブラック リングあり or リングなし 高校生あなぐまが828fpを棚に戻して、では何を買ったのか。 ・・・それは、また、別の おはなし・・・ [4/18追記] TB先>>「ちょいとロディアに独り言...」(by せんべえさん) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[文房具(筆記具)] カテゴリの最新記事
|
|