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電車は無事に駅を出ました。そしてだんだんと速度を上げます。 辺りを見回しますと、今私が乗り込んだ車両には私の他は誰も乗っていませんでした。 ふう。助かりました。 きっと私がメン・イン・ブラックのメンバーだとやはり知られていたのでしょう。だから異星人のカラソラちゃんたちが集団で襲って来たのではないでしょうか? ですが、間一髪で私は逃げることが出来たのです。この電車によって。 しかし、列車の連結部分のドアを見ると、何かが動きました。 それは”人”ではなく、黄色い”何か”です。 ドアのガラスの向こうに誰かいるのでしょうか? もしや? 悪い予感がします。 私は怖々そのドアの所に向かいます。そして列車の連結部分のドアから”向こうの車両”をのぞき見ました。すると……、 なんと!カラソラちゃんの大群がこっちの方に歩いて来るではありませんか? 「うあああああああ!!!」 車両の中を埋め尽くすように大勢のカラソラちゃんたちが前進してきます。 非常に多くのカラソラちゃんがいました。 「はぁはぁはぁ………。」 私は思わず車両の反対側へと向かいます。 とにかく逃げなければ! そこの連結部分のドアを見ますと……、 なんと向こうの車両にもカラソラちゃんの大群がいるではありませんか? 車両を埋め尽くすカラソラちゃんたち。 それがこっちの方まで迫って来ます。 反対側のドアでは今まさにカラソラちゃんたちがドアを開けようとしています。 走る電車。逃げ場はもうありません。 絶体絶命です。 カラソラちゃんはやはり”異星人”……、 THE END
そして顔が動いて、視線が私の方を追って来ます。 あの青い大きな瞳が私を見ています。 まさか? 私はメン・イン・ブラック、その存在はすでに異星人に知られているのでしょうか? これは本当に着ぐるみのカラソラちゃんでしょうか? 私は走り出しました。急いでホームの出口に向かいます。 しかし、改札まで来たところで、その改札の向こうから青い服の女の子が入って来るのが見えました。頭はあの独特の黄色い星型です。 「うわああああああ!カラソラちゃんだ!」 見る見る内にその後ろからもカラソラちゃんが出てきます。 その数、10名、いえ、20……、30……、ぞくぞくと増えて来ます。 それで私は反対側の出口から外へ出ようと考えました。そちらに向かって走ります。 先ほどのベンチに座っているカラソラちゃんの背後を通ります。 しかし、ベンチというのは背中合わせで置かれている事が多く、その反対側にもベンチがあり、そこにもいつの間にかもう一人カラソラちゃんが座っていました。 「は?」 用心しながらその前を走り抜けます。 やはりそのカラソラちゃんも視線で私の方を追ってきます。 必死の思いで反対側の改札に着きますと……、なんとこちらの改札の向こう側からもカラソラちゃんの大群が現れました。 そして改札を抜けて、前進してきます。 黄色い星型の頭が無数に並び、その下にカラソラちゃんの独特のデザインの青い洋服があります。 まるで黄色と青のツートンカラーの壁がこちらに向かって来るかのようです。 「……………………。」 しかたなく私は後退します。しかし、反対側のカラソラちゃんもかなりもう迫ってきていました。 私はちょうどホームの真ん中辺りで、その両側をカラソラちゃんの大群に挟まれました。 「うわああ!」 カラソラちゃんたちが迫ってきます。 ホームの真ん中で私は逃げ場を失いました。 そこへ……、 電車が入って行きました。 間一髪、私はその電車に飛び乗りました。 ちょうどこの電車は暖房・冷房の効果を高めるに「押しボタンによる手動式の扉開閉装置付きの車両」です。 私は急いで乗り込んで、内側から扉を閉めました。 「早く!発車を!」 プオーーーーーン! そして電車は発車しました。 車窓の窓から見た光景……、 ホームを埋め尽くすカラソラちゃんの大群。みな同じ顔で笑っています。 そして全員が私の方を見ていました。 「うわああ!!!」
ふう。 やはり私が「メン・イン・ブラック」のメンバーだと日記に書くのはいろいろと捜査上の支障が出ることがわかりました。 よってメン・イン・ブラックについて書いた日記は投稿から24時間後には消そうと思います。 さて、この日記も続いてきました。三日坊主にならなくて良かったです。 これからも続けていこうと思います。 まあ「日記」ですので書く事はいくらでもあります。日常に起こったことをそのまま書けばいいのですから。 *************************************************************************** メン・イン・ブラックの仕事にも”休日”があります。 私は普段、別の仕事を持っていました。 そして事件があった時だけメン・イン・ブラックの任務をこなしているのです。 さて、メン・イン・ブラックの休日なのですが、少し不定期です。 今日はその「メン・イン・ブラックの休日」だったのですが、普通の仕事の方はありました。 そこで電車に乗って仕事に出かけます。 仕事をこなして、その帰り…、 夜の12時近く、鉄道の駅に着きました。 はあ、疲れたなあ。 ここは『新とうきょうスカイツリー駅』です。 もう夜遅いのでホームには人影はありません。あの『新東京スカイツリー』もライトアップが午後11時に終わってますから。 シーンとした『新とうきょうスカイツリー駅』。静けさが漂います。蛍光灯の光が非常に明るいです。 ふと見ると……、向かいのホームのベンチに”カラソラちゃん”が一人座っていました。 げっ! カラソラちゃんと言えば、確かこの間…、 大変な目に遭った。 カラソラちゃんの正体は”異星人”? しかしベンチに座っているカラソラちゃんは……、どうやら”着ぐるみ”ではないかな?いくらなんでもこんな所にこんな時間、異星人がいるものですかね? ……ではいったいなぜこんな時間に着ぐるみのカラソラちゃんが? もしや……、本物の異星人の方? 今の私はメン・イン・ブラックの装備品の武器は持っていません。非番ですので。 なのでレーザーのような光線を放つカラソラちゃんと戦っても勝ち目はありません。 ですが、考えて見ますと、ここは『新とうきょうスカイツリー駅』、宣伝のためにカラソラちゃんがいても不思議ではありません。 着ぐるみとしてのカラソラちゃんはかわいいかな? でもホームの向こうにいるカラソラちゃんは頭を下に向けて座っています。 宣伝目的ならそんなことはないはずですが。 中に入っている人が疲れたのでしょうか?もう時間も遅いですし。 この長いホームで今いるのは向かいのホームのカラソラちゃんと私だけ。 なんだかいい知れない胸騒ぎがわき起こりました。 そこでホームから出ようと思いました。 ホーム出口に向かいます。 しかし、ホームの天井を支える柱をひとつ越えますと……、次のベンチにもなんとカラソラちゃんが座っていました。 「……………………。」 よくわからないですが、このカラソラちゃんも大きな星型の頭を下に向けていました。 その横を通ります。 もしこれが本物の異星人で、あの時のように口から光線を発射されたらひとたまりもありません。 ですがここは『新とうきょうスカイツリー駅』、きっと『新東京スカイツリー』の宣伝のために着ぐるみのカラソラちゃんが座っているのでしょう?そう思うことにしました。 私がそっと、その前を通りますと……、 なんとカラソラちゃんの頭が起き上がりました。 は?
刑事「おい!誰が喋っているぞ?!」 私は周囲を見回した。 しかし……、何も見えない。 刑事「誰か見えるか?おい!なんだ、そのサングラスは? そんなものつけてたら何も見えんぞ!」 私はメン・イン・ブラックの装備品である特殊サングラスを”望遠モード”にした。 そして周囲をくまなく探索する。 ?「いいか!みんな! 我々の力をヤツラに見せつけてやるんだ!」 ?「おーーーーーー!!!」 「……………………。」 そして……、 私は見た。 雑草たちが喋っているのを。 雑草「わははははは! 我々の力をあなどるなよ! 地球人が野道を歩く時は、我々が道を覆い尽くす。 そして彼らは道に迷うだろう。」 雑草「雑草が生えている場所に地球人が足を踏み入れたら、足をかけてこかしてやります。」 雑草「その息だ! 我々の数を見ろ!この公園だけでもどれだけの数がいることか?! 地球人たちの人口よりもはるかに多い! しかも我々は成長が早い!あっという間に背が伸びる! 土と水と空気さえあれば、我々はどこにでも繁殖できる! わははははは!」 なんと!雑草たちがそんなことを…、 考えて見ると……、 雑草って、用もないのにどこにでも生えてくるな? まるで地面を覆い隠すかのように。 そう言えば、雑草って何の役に立つのだろうか? いや、何の役にも立たない。 花壇に勝手に生えてくる。そしてそれは”草むしり”をしなくてはならない。 そうか!わかったぞ! ”異星人”だったんだ!”雑草”って! 太古の昔からそうやって地球を侵略し続けていた。 雑草「我々はこれまでは地球人の花壇などを侵略・制圧するだけだったが………、 今後は違う! 地球人をそのものを攻撃して我々の足下にひれ伏させるのだ! 我々は地球人を消滅させる。昨夜のあの男のように!」 なんと!!”雑草”が犯人だったとは!! ……翌日。 雑草「わははは!今日は良い天気だ!皆、”光合成”しろ!そして力を蓄えろ! 地球人なんか皆殺しだ! 我々の増殖を止めるものはもう何もない! さあ地球の侵略を開始する!!」 キュイィィィィーーーーーーーーーーーーン! 私は雑草刈り取り用のナイロンカッターを手にした。 そして例の公園を訪れた。 雑草「この星は我々の星になるのだ! さあ、行くぞ!」 キュイィィィィーーーーーーーーーーーーン! 雑草「ぎゃああああああああああ!!」 雑草「うわあああああああ!!」 雑草「どうしたんだ?」 雑草「ボス!地球人のヤツが!!!」 雑草「なに?」 私は公園の雑草の刈り取りを行った。 雑草「うわあああああああ!!」 雑草「うわ、うわ、うわあああああああああ!!」 雑草「ボッ、ボスぅ~~~!!」 雑草「ああ、我々は……………、」 ものの3時間で雑草は刈り取れた。 公園は綺麗になった。 こうして私は地球侵略計画を未然に防ぐことが出来た。 メン・イン・ブラックとしての任務を果たしたのだ。 THE END
私は驚いた。振り返ると昼間の刑事が立っていた。 刑事「何か見つかったか?」 「いえ…。」 なぜこんな時間にこんな所に刑事が? それもここは灯りがほとんど無いというのに。 いや、刑事は小さなLEDのライトを手に持っていた。 刑事「一人だけで”張り込み”とはなかなかやるじゃないか? 思っていたより骨があるようだな?」 「はあ。」 刑事「ところで昼間の事件だが……、あれは”復讐”の可能性がある!」 「え?なんですって?復讐?」 刑事「あの男を調べたんだ。」 そう言って刑事は紙資料をさし出した。プリントアウトした物だ。 刑事「これを見ろ! あの男はインターネット上で”女性のフリ”をして何人もの男性をだまそうとしていたんだ。 ”女性”として男性とメールのやり取りをして、その時に交わしたメールを勝手にインターネット上に公開していた。 そうして嘘にひっかかった男をバカにして楽しんでいたんだ。 それに騙された者の中には、生活費やプレゼントを送っていた男性もいた。 あの男は女性として生活費などを相手に要求していたんだ。 これは…………”詐欺”だな。」 ”詐欺”と言うことは、あの男は”犯罪者”だったのか? 刑事「だが……、女のフリは長くは続かなかった。すぐにバレた。 そして騙された者たちがインターネット上に書き込みをした。 あの男がこれまで行ってきたことの数々を。 その内、あの男の住んでいる場所なども突き止められ、それもインターネット上に公開された。 書き込みによると……、 あの男はネット上で50個以上のハンドルネームを使っていた。だが、そのほとんどはあの男の物だと以前からバレていた。 だからあの男はインターネット上では嫌われていた存在だ。 ……あれは”恨み”による犯行だ。 あの男のやっていた行為に腹を立てた者があの男を殺害したのだ。」 確かに動機理由としては充分かな? ……………………。 しかし、よく考えて見ると、そんなくだらない男をわざわざ殺すだろうか? あの男性はネット上のどこにでもいる「おかしな人間」の内の一人というだけだ。 放って置いても問題はない。 まあでも、騙されて生活費等のお金を送っていた人がいる話が本当なら、あるいは…。 刑事「中にはかなりの金額をだまし取られた人間もいるそうだ。」 「そうか……、やはり犯罪者だったのか? それなら確かに他人から恨まれて当然かも?」 私は足下に目をやる。ちょうど雑草が見えた。 あの男性は植物にたとえて言うなら”花”でも”木”でもない。 ただの”雑草”だ。 そう、人々からはその存在すら無視される雑草。雑草がそこに生えていようがいまいが、人々はそんなの気にもとめない。人々が関心あるのはあくまでも”花”や”木”だから。 そんな”雑草”みたいな人間は多い。 その中でも”犯罪者”となると話は別になってくる。 刑事「もう君たちの仕事ではない。 調べたよ、君のことも。 『メン・イン・ブラック』だって?まあ異星人相手にドンパチやってくれ。 だが今回の件は……、ただの復讐だよ。 ”人間同士”のな。 がいしゃが”女”だと思って毎月金を送っていたヤツが後ろからあの男を突き飛ばしたんだ! 公園出口で押して、道路側にはじき出そうとしたんだ!」 「……………………。」 刑事「あとの事は我々に任せるんだ。これは我々の管轄の仕事だ。 さあ、家に帰って眠りたまえ!」 しかし私はそこで張り込みを続けることにした。 刑事が言う話の通りならば、現場には加害者の足跡がある筈だが……、見たところ雑草の上にはあの男性の足跡しかなかった。 そこで刑事も私といっしょに張り込みをすることにした。 もともと今日はこの近辺で張り込みするつもりだったらしい。 するとその時……、 聞こえて来たのだ。あの声が! ?「わはははは!」 あの声は……、”夢”の中で聞いた物と同じだった。 ?「我々はいよいよ”地球侵略計画”を発動する! 地球人を皆殺しにするんだ!」
警察官「不健康な男性でした。虚弱体質と言えるのかも知れません。 おそらく毎日何もしない生活を続けていたのでは? それで公園まで来て、ここで力尽きて倒れた可能性もあると思います。 または貧血かも知れません。」 刑事「まあそれもあるが……、 それにあの男は女の格好をしていた……、 まあ、頭のおかしな人物だった可能性がある。」 その夜、私は公園で「張り込み」をすることにした。 私が尾行していた男性が急死したのだ。しかも亡くなった原因の一つとなる”転倒”だが、偶然にしては……、ちょっと気になる。 本当に転倒して運悪く、頭部を打っただけだろうか?わからない。 あの時、私が一瞬考えごとをしなければ……、現場を見ることが出来たかもしれない。 あの男性が倒れたこともすぐわかっただろう。 しまったな。私のミスだ。 今ここで張り込みをしているのは、そんな思いもあった。 私は公園の一画にある大きな”石”が円陣を組むようにかたまって立っているその内側に潜んでいた。 これらの”石”は一種のオブジェのような物。 ”石”は一番背の高い物で2メートル以上もあった。周囲からは私の姿はほぼ見えない。 そこに潜んで張り込みを続けた。 何か手がかりはないか? 周囲は暗い。ここは広い公園だが、それに比べて外灯の数が少な過ぎる。 それにしても、この辺りの雑草は臭いがキツイ。 夜風に乗ってその臭いがこちらまで流れて来た。 「……うう!」 やがて……、私はもうれつな睡魔に襲われ始めた。 ?「くくくく!我々は地球人を一人やっつけた。 間抜けな地球人どもめ! 我々に勝てると思うなよ! わはははは!」 は?なんだ?今の声は? ……”夢”か?少し眠りかけたのか? ……………………。 どうやら不覚にも少しウトウトしたようだ。 それにしても、この辺りの雑草は臭いがキツイ。眠くなったのはこの臭いのせいか? ……………………。 周囲を見回したが何も見えない。 私はメン・イン・ブラックの装備品のサングラスを付けていた。 これは暗視装置が付いている。暗闇でも物が見える。 だが、これで見ても周囲には雑草しか見えない。 ポン!! 突然、私は背後から肩をたたかれた。 ?「よう!」
「知らないのなら政府に直接問い合わせてください。」 メン・イン・ブラックの活動は極秘裏に行われている。 多くの場合、警察ですらその存在を知らないことが多い。 我々の活動は警察に比べると少人数による精鋭部隊なのだ。その方が秘密裏に動ける。 それでも、政府に問い合わせさえすればそこから我々の説明がある。 刑事は警察官にその身分証明書を渡し、しぶしぶながら問い合わせをさせる。 しばらくして警察官が顔色を変えて戻って来た。 そしてなにやら刑事に耳打ちする。 すると刑事の表情が見る見る内に険しくなる。そして鋭い眼光で私をにらみながらこう言った。 刑事「政府に問い合わせた。 君の正体は詳しく説明されなかったが……、 どうやら君は特別な職権を与えられている政府機関の者らしいな? いいだろう! 我々が捜査して得た情報の提供はする。 だが……、 これだけは注意しておく。 シロウトが現場をウロチョロして我々のジャマをすることだけはやめろよ。」 「……………………。」 とにかくこれで私も捜査に参加することができるようになった。 そんな私をねたむかのように刑事が私の全身をなめるように見つめた。 その表情は捜査協力と言うよりも……、 まあいい。 私は現場に案内された。 白線が引かれている場所があった。白線と言っても倒された雑草の上に白いテープが貼られている物だ。それは「倒れた人間」の形をしていた。 刑事「昨夜、男が一人ここで死んだ。 男は昨夜この公園を歩いていた。 ”足跡”が残っている。 雑草を踏み、それが足跡になった。 その足跡をたどると……、 ”がいしゃ”は向こうの出入り口からこの公園に入り、ここまで歩いて来て公園から出ようとした。 しかし突然転倒した。そして死んだのだ。 倒れた所、ちょうど頭部に当たる所に大きな”石”があった。 彼の頭部にそれは当たってしまった。どうやら打ち所が悪かったようだ。」 亡くなったのは昨日のあの男性に間違い無い。 こんなところで倒れて死んでいたとは。 しかし……、ここはこんなに雑草が生えていたかな? 見ると、公園の出口までびっしりと雑草が生えており、それが所々倒されていた。 昨夜とは様子が違うような気もするが……、 まあ昨日は暗かったし、今は太陽の光がある。印象が違っていることもあるだろう。 「この男性は転倒して死んだのか? ……どうしてこの位置で転倒したのだろう?」 男性は昨夜歩いて病院まで行った。その歩き方は弱々しかった。 だがそれでもこの位置ではつまずくような物は見当たらない。 ここには段差もない。ただ雑草が生い茂っているだけである。 雑草というものは非常に柔らかく、すぐにちぎれる。 そして根っこからでも容易に引き抜けるような弱々しさだ。 ここに雑草が生い茂っていたとしても、それに足を取られるとは考えにくい。
付近を見回して男性の姿を探す。しかし見当たらない。 消えた? やはりあの男性は”異星人”だったのか? 公園自体は外灯も少なくてとても暗い。周囲は50センチぐらいまで伸びた雑草が生い茂っていたので、ここに踏み入って調べるのは困難だった。 そもそも男性は向こうにある「公園の出入り口」から入って、こっちの「公園の出入り口」の所までは来ていた。 すると男性は「公園から外へ出て行った」と考えるのが自然だ。 そこで私は公園以外を調べ始めた。男性は尾行に気付いて公園を出て、どこかに逃走したのかも知れない。 しかし周辺に彼の姿はなかった。 2~3時間付近を捜索したがついに男性の姿は発見できなかった。 そこで、私は一人マンションに帰った。 張り込みは長時間に及んだので、今のうちに食事でも取ることにした。 それが終わるとウトウトし始めた。 *************************************************************************** ?「わはははは!地球人どもよ! 我々はついに地球侵略を開始した。 我々の仲間がいっせいに地球人に対して攻撃をかける。 手始めに……、あの男を殺す!!」 *************************************************************************** ……は? 私は起きた。 なんだ、また”夢”か? どうやら知らぬ間に眠り込んでしまったらしい。 あの男性の張り込みをしていたから疲れたのだ。 それにしても”夢”の中に出てきたあの声、独特だった。 姿は見えなかったが、異星人に違いない。 時計を見ると、今は午前6時半だった。よし! 私はメン・イン・ブラックの装備を調えて、再びあの男性を捜すことにした。 ここにはメン・イン・ブラック用のミニノートパソコンがある。 それでインターネットにつなぐとメン・イン・ブラックだけに発信された情報が読める。 その情報をもとに付近で行方不明者がいないか検索することにした。 しかし……、いない。 いや、”死亡者”が一名いた。だがまだ死亡理由などの詳細は不明である。 発見場所は……、なんとあの公園だ。 詳細不明ということは「現在調査中」ということだ。 嫌な予感がしてきた。 私は装備を持って公園へと向かう。 案の定、公園には非常線が張られ、警察が来ていた。 私は非常線を越えて例の公園の出入り口付近へと向かう。 中には刑事もいた。 警察官と刑事が私の姿を発見した。 刑事「おいおい、勝手に入って来ちゃ困るよ。君は誰だね?」 私は何も言わずに身分証を見せる。 これはメン・イン・ブラックの身分証明書だ。 刑事「なんだ?この身分証明書は?こんなの見たことがない。”おもちゃ”か?」 その身分証明書には「運転免許証」とは書かれずに「MIB」と書かれていた。 刑事「”MIB”だと?なんだそれは?」
私が住んでいるマンションの部屋。ここはメン・イン・ブラックの秘密の事務所となっていた。 そのちょうど上の階。 そこには男性が一人で住んでいる。そのはずだが…、時々女性のかっこうをして部屋から出て来る。 おかしいな?異星人か? 私はかねてからその男性のことを怪しんでいた。 調査の結果、その男性は時々”女装”をするようだ。 なぜそんなことをしているのかは理解に苦しむが、現代ではそのような人もいることは事実だ。 だが……、女性になりたくて、もしくは自分を本当に女性だと思っている性同一性障害のような方は良いとしても……、 中には悪意を持ってそのように「女性として振る舞う」ことをしている者もいるのだ。 この男性はどちらかというと、その「悪意を持っている方」かもしれない。女装している目的はどうやら人の目を欺くためにしているようだ。 さらにこの男性は昼間は外に出てこない。出て来るのは”夜”、しかも日が落ち、人気がなくなってからだ。それもめったに外に出てこない。外に出るのは主に病院に行く時だけ。 とにかく怪しいのでマークしておくべき人物だろう。 ある日のこと、私がマンションに帰って来ると、そのマンションの1階の出入り口でその男性とすれ違った。 やはり女装をしているが、歩き方などは”がさつ”そのものであり、すぐに”男性”だとバレる。 それでもその男性はフラフラとマンションを出て行った。 やはり”夜”だった。時刻は午後9時頃である。 怪しいな。つけて見るか? その時、私はメン・イン・ブラックとしての特殊な装備は持っていなかったが、男性をつけて行くことにした。 気付かれないように後をつける。 男性は歩いて行く。そしてやはり近くの病院に向かった。そこでは夜間診療を行っている。「総合病院」だった。 男性は歩き方も弱々しいので、そうとう身体が弱っているのだろう。「普段からまともな生活はしてないような」そんな感じだった。 病院ではいろいろな診察と治療を受けていた。長い時間がかかった。 通常怪しい異星人は病院には行かない。行くと検査で「人間に化けている」ことがバレるからだ。 これだけ診療を受けているといることは……、あの男性は”人間”かな? まあ、変わった人物ではあるが”人間”の可能性が高い。 だったら私の管轄ではない。メン・イン・ブラックは「地球外生命体・異星人たちからの侵略・攻撃」などに対抗する専門機関だ。 その後、病院を出た男性はマンションのすぐ近くにある”公園”に向かった。 ここは割と都会だったが、大きな”公園”があった。公園はここからマンションまでの帰り道のすぐ近くにある。 男性はマンションに帰るようだ。なので私もマンションに帰るついでに尾行を続ける。 まあしかし、尾行はマンションに帰ったら終了だな。特別何もなかったから。 都会の住宅街だが、公園の中だけは緑が生い茂っていた。中の面積は広く、普通なら芝生に覆われている。 だが、現在は5月も半ばを過ぎた頃。 公園内には一面雑草が生い茂っていた。 そろそろ草むしりとか清掃した方がいいんじゃないか? 私はふとそんなことを考えた。そして、あの男性から目を離してしまった。 すぐに我に返って男性が歩いていた方角を見ると…、あの男性の姿が見えなくなっていた。 おかしい?いったいどこへ?
この日記をつけ始めてついに”三日目”に突入しました。 ”三日坊主”にだけはならないように努力しようと思います。 なお、ここに書かれている内容は全て真実です。 *************************************************************************** 突然ですが…、 これまで、私のブログを読んでくれている方々にはこれまで私の正体を隠して来ました。 それは隠す必要があったからです。 また任務上それを公言することはできませんでした。 しかし、私はついに告白することを決意しました。 このままそれを隠した状態で活動を続けることがすでに困難になりつつあるためです。 状況は変わりました。 告白します。 この日記を読まれている方だけに。 実は私……、 『メン・イン・ブラック』なのです。 『メン・イン・ブラック』とは地球外生命体・異星人たちからの侵略・攻撃などに対して秘密裏に地球を守るために活動している政府機関の活動員のことです。 私たちは政府から特別の職権を与えられています。 しかし、多くの政府機関の者・公務員たちはまだ私たちの存在を知りません。 知らされていないからです。 ですが、地球は狙われています。 狙っているのは悪い異星人たちです。 彼らは地球を我が物のしようと常にたくらんでいます。 彼らは公然と地球侵略をすることもありますが、たいていは隠れてその準備を続けています。 我々メン・イン・ブラックはそれを発見し、未然に地球侵略を防ぐのが任務です。 現在私はその正体を隠して一般人物として生活しています。 都心にあるマンションに住んでいます。ここで私は平凡な企業の社員ということになっています。主に在宅で仕事をし、必要に応じて外に外交に出かけることになっています。 しかしその正体は……、 私のマンションの一室は改造され、メン・イン・ブラックの備品が隠されています。 世界中からインターネットを通じて私のもとに異星人たちの情報が日々入ります。 それを元に調査・活動をしているのです。 *************************************************************************** ?「くくく! 我々が”異星人”だと知っている者がこの地球という星にはいったい何人いるかな? 地球人どもは愚かで、低レベルの生命体だ。 誰もまだ私たちの正体に気付いていない。 我々の数を知っているか?それは地球人などよりもはるかに多い。 我々は地球人のゆうに100倍はいる。 我々がその気になれば…、地球制圧など簡単なことだ! 地球人たちは我々に気付かない。だが気付いた時にはもう遅い。」 *************************************************************************** 「……は?」 私は起きた。なんだ、今のは”夢”か? 「……………………。」 全身冷や汗をかいていた。 夢で良かった。しかし、このところ、同じような”夢”ばかりみるなあ。 それにしても我々地球人は異星人たちからの侵略に常に備えていなくてはならない。 │<< 前のページへ │一覧 │ 一番上に戻る │ |
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