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まあ、どうしても最後はこういうことになるから……、しかたないのでこの状況を受け入れるしかなかった。
自宅では私とあゆみとレイはいつも同じ部屋で寝ているので、それと同じと言えば同じである。 でも、せっかく女性専用の部屋を用意してやったのに、わざわざこっちに来る必要は無いハズだが。 あゆみはベッドに横になった。 そして両手を胸元で合わせて目を閉じた。 まだ接続が済んでないジャン! なのに何かを期待するような無邪気そうな顔だち。 「……………………。」 なので私はあゆみのゲームマシンのセッティングをしてやった。 基本的にヘルメットから出ているプラグをゲームマシンに接続して、同じくスーツから出ているプラグを接続する。そしてゲームマシンの電源ケーブルをコンセントにさし込む。 モニターとキーボード、マウスもちゃんと接続されているかチェックする。それとセーブ用のフラッシュメモリもさしておく。これは”緊急バックアップ”もしてくれる。 これで接続は出来た。 でも普通は逆だろ?こういうのはアンドロイドがしてくれるはずだが。 あゆみはずっと幸福そうな顔をして目を閉じていた。 私は最後にあゆみのヘルメットのシールドを下ろしてやった。 レイは自分でセッティングを始めた。 レイは自分でしてくれるらしい。任せておいても問題はないだろう。 私はレイの方にはかまわなかった。 すると……、 レイ「ご主人様!!これでいいんですね?!」 と半ば怒った口調で聞いて来た。 私はレイの所にも行かずに、 「たぶんそれでいいと思う」 と答えると、今度はレイが軽くかんしゃくを起こした。 やばい!やばい!そんなつもりじゃかった。 レイなら任せておいても大丈夫だと思ったから……。 それで私はレイの所へ行き、丁寧に接続を点検する。 もちろん、ちゃんと接続されていた。 そしてレイの着けたヘルメットのシールドをしずかに閉じてやった。 レイのその印象的な瞳がずっと私のことを追っていた。 ……………ふう。 私はマイさんに携帯電話で電話してみた。隣の部屋にいるんだけど。 たぶん向こうももう接続しているからベッドからあまり動けない。 ケーブルの長さはせいぜい3メートル程度しかないからだ。 するとマイさんから「セッティングは終了しました」との連絡があった。 「ゲームがスタートすれば、後はゲーム内で使う携帯電話で通話出来ますから!」 もう各ゲームマシンが『リアル・バーチャルタウン』の専用インターネットを通してつながったので、後はゲームを起動さえすれば「ゲーム内のバーチャル携帯電話」で連絡できる。それはもちろん”スマートフォン”である。 これで準備は全て完了した。 あゆみとレイはすでにベッドに横になって目を閉じている。 私もベッドに横になった。 「じゃあ、ゲームを起動するよ。」 すると、目の前、ヘルメットの透明なシールド部分に映像が映った。 ゲームタイトルである『迷宮都市』が表示されていて、その下に「START」の文字が点滅していた。 私は手を伸ばす。するとその画面がつかめそうになる。それで「START」を押す。 今、実際に私は「腕を伸ばした」のかどうかは不明。 神経に直接信号が送られているので、実際には腕は「かすかに動かしただけ」かもしれない。 でもゲーム内では腕をいっぱいに伸ばした感覚があった。 ゲームがスタートし、まずは女性の案内係が映った。 暗い背景に女性だけが立っている。目の前、数メートルの所に制服を着た女性がいる。 それは確かに本物の女性に見えた。単なる映像ではなく、実在しているように見える。 案内係「はじめまして。 『バーチャル・ロールプレイングゲーム』の世界にようこそ。 私がこのゲームの案内役を務めさせていただく”ミュウ”です。 ではこれより、みな様にはゲームの中に入っていただきます。 今回、お客様のご希望で”2時間でゲームがいったん終了”と設定されましたので、お時間が近づきましたらまたアナウンスいたします。 その時までにゲームが終了していなかった場合は、セーブされ、いったんゲームからログアウトすることができます。」 女性はゲームの概要の説明を始めた。 案内係「今回のゲームは基本的に『リアル・ロールプレイングゲーム』と同じシステムです。各プレイヤーがあらかじめ持っているHPが0になりますと”ゲームオーバー”です。 クリーチャーや悪人、モンスターなど、「敵と思われるもの」を倒しますと得点が得られます。 得点を得るとプレイヤーのレベルもじょじょに上がっていきます。 今回お客様が選択なさった『ストーリー』の最終目標は「お姫様を探し出し、この迷宮都市から救い出す」ことです。 ゲームの細かな説明などはそのつど、ゲーム内で使用するスマートフォンを見てください。そこにある”解説”というソフトを開きますと、いつでも解説が出ます。 行き詰まったら解説を見るようにしてください。そこに”ヒント”が隠されているかもしれません。 それでは、ゲーム進行中にも最初の方は解説が流れることがありますので、私からのご説明はこれにてひとまず終了です。 ではゲームをごゆっくりお楽しみください。」 女性の映像がスーーと消えた。 そして、映画館で「映画上映前に鳴る旧式のブザー音」のようなものがした。 目の前には大きなカーテンのような物が見え、それがゆっくりと開いていく。奥には真っ白な光を放つ大型スクリーンがあった。 まるでこれから映画が上映されるかのような雰囲気である。 [【SF秋葉原シリーズ】]カテゴリの最新記事
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