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1934年12月 岩波文庫
『玉くしげ』は天明6年(1786)に成立し寛政2年(1790)に刊行され、『秘本玉くしげ』は天明7年に成立、刊行されたのは宣長の死後の嘉永4年(1851)だったという。 これは紀伊藩主徳川治貞の求めに応じて奉られたもので、政道のあるべき姿を提言したものである。『玉くしげ』は宣長のイデオロギーである古典主義を全面に訴えたものである。海外の思想、秩序の影響を否定して日本の古代にこそ人の行うべき道があるとの意見は、今日そのまま受け入れることはできないが、伝統的精神に対する愛情と考えれば共感できるところが多い。 『秘本玉くしげ』では具体的な政策についての提言が並ぶ。中には行政改革、合理化、贈収賄の禁止、貨幣経済がもたらしたマネーゲームの弊害への警鐘など今日と共通する問題も数多くある。 政治論でありながら古典研究に裏付けられた宣長の世界観が読み取れる作品であった。 [文庫]カテゴリの最新記事
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