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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
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2006.12.12
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カテゴリ:読書日記
吉田篤弘「それからはスープのことばかり考えて暮らした」を読む。



まず、題名が魅力的だと思いませんか、食いしんぼうのみなさん!
長いのに語呂がいいし、ぐぐっと惹きつけられる。
主人公は(エッセイだとすれば著者は)なぜ、スープのことばかり考えて暮らすようになるのか。
「それからは」の「それ」って、どんな出来事なんだろう…
表紙をめくる前から、早くもわれわれがスープのことばかり考えるようになってしまうのです。

吉田さんは、未来から送られてきた古書目録や、ふしぎな職業図鑑、ありそうでないものの図鑑、古くて珍しい随筆集の復刻版などを制作する「クラフト・エヴィング商會」の一員です。
ひとつタネを明かしてしまうと、「それからはスープのことばかり考えて暮らした」は、吉田さんによって書かれた小説です。
そしてもうひとつ言ってしまうと、オーリィくんという男のひとが主人公です。
世にもおいしいサンドイッチ屋「トロワ」や、犬が店番をする儲からない映画館「月舟シネマ」、オーリィくんの部屋などが主な舞台です。
オーリィくんのほかに、緑の帽子のご婦人。宙返りの得意な子どもなどが登場します。

これ以上しゃべるとつまらなくなってしまうので、ぐっとがまん。
大人のための、とても質のいいファンタジーです。
吉田さんのつむぐ物語は、本当に魅力的で印象的で、人生をちょっとだけ、でも確実に豊かにしてくれます。
たくさんのひとが読んでくれたらいいな。

最後に、ひとつだけ注意を。
この本を読むときは、お手元に、あなたが知っている中でいちばんおいしいサンドイッチと、スープを用意してください。
食べたくなります、ぜったいに。
「かもめ食堂」でおにぎりが食べたくなるのと同じくらい、百発百中です。
わたしは途中でいてもたってもいられなくなり、部屋着にコートを羽織って部屋を飛び出し、自転車を立ちこぎしてスーパーに駆け込み、サンドイッチ用のパンを買ってきて、夜食と翌日のお弁当用に、ふわふわ卵とジャム、ハチミツのサンドイッチをそれぞれたっぷり作りました。
作り置きのスープを温めて、ゆっくり飲みながらサンドイッチをいただく。合間に本もめくる。至福です。





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Last updated  2006.12.14 11:41:27
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