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カテゴリ:SF・ファンタジー
夢中になると全巻読まないときがすまないたちなのか、私のおすすめにはシリーズ物が多いです。今日のおすすめは、NHKでアニメにもなった『十二国記』シリーズ(小野不由美著)です。
十二国記の舞台となるのは、古代中国のようでまったく仮想の地、神仙や妖魔の存在する世界。そこに存在する12の国は、神獣麒麟(きりん)が天意に従って選んだ王により統治されている。十二国の世界で起こるさまざまなできごと。天意とは何か、国を治めるとは…。 表題の『月の影 影の海』では、ごく普通の女子高生・中嶋陽子が、突如現れた 「ケイキ」と名乗る異装の男に連れ去られ、十二国記の世界で女王となるまでのことが描かれています。妖魔との戦い、異世界での不安、人間不信になるようなひどい仕打ち…。陽子は成長し、王となります。 拉致被害者「横田めぐみ」さんと同じような境遇でありながら、行った先での待遇が「王」だったのが幸いでした。独特の世界感に引き込まれ、全巻一気に読み通してしまったのを憶えています。 なお、十二国記は、物語によって主人公が異なります。時代もちょっと前後したりします。どこからでも読めますが、まずは『月の影 影の海』がいいかなと思います。 私は少年少女向けの講談社X文庫で読みましたが、講談社文庫でもまったく同じものが出ていますので、漢字が得意な人はそちらをどうぞ。 ●十二国記シリーズ (小野不由美著、講談社X文庫) ・『月の影 影の海』 … (上) (下) ・『風の海 迷宮の岸』 … (上) (下) ・『東の海神 西の滄海』 ・『風の万里黎明の空』 … (上) (下) ・『図南の翼』 ・『黄昏の岸 暁の天(そら)』 … (上) (下) ・『華胥の幽夢(ゆめ)』 また、異世界が我々の暮らす現実世界に干渉したときの恐怖がホラー小説として描かれた『魔性の子』という作品も出ています。これが『月の影 影の海』に続いているようです。 ●十二国記サイドストーリー (小野不由美著、新潮社文庫) ・『魔性の子』 長い間、続編が出ていなかったのですが、新潮社の『yom yom vol.6』(2008/2)に『丕緒の鳥』(ひしょのとり)、『yom yom vol.12』(2009/9)に『落照の獄』(らくしょうのごく)という短編が掲載されています。新作が読みたいです~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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