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書評日記  パペッティア通信

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Mar 23, 2005
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カテゴリ:社会


どうして、女性って、自分の感性を絶対と思えるのかねえ。
しばしば男性は、そういいたくなるときに、遭遇することがあるようだ。
だからこそ、女性って「面白い」のでしょうけど。

この書の攻撃対象は、フェミニズムです。「上野千鶴子」です。フェミニズム=出世指向=学歴に対し、「フェミニズム的なもの」=欲望に忠実=学歴も職種も無関係を対置します。女のクセに女を理解できないフェミニスト。「フェミニズム的なもの」まで衰退したのは、全部フェミニズムが悪いらしい。そして林真理子を礼賛。まあ、世の男性にはわかりにくいことですな。

そして「80年代は良かった」論です。80年代は、団塊と団塊ジュニアにはさまれたくびれの世代であり、女性にとって「均等法の時代」「まわりのことを気にしない世代」「解放と希望の時代」「お金さえあれば、女性でも生きていける初めての時代」「遊びにも趣味にもオシャレにも恋愛にもセックスにも学問にも一生懸命だった時代」「キャリア派が台頭したから、お嬢様派も台頭した時代」「まずは自分が幸せになる=みんなで幸せになろうよ」だったらしい。


「フツーの男なんて、女だったら仕事のできないブス」
「私より共通一次の点数が下の男なのに、なんで安い給料で働かなければならないんだ」


至言だ。これくらい、女性の不満を直裁にあらわした言葉はない。ファッション界に足を置いていた著者が、ひたすら、自分の実存にもとづいて語りたおす。「男の料理は施し」「かわいいものに囲まれたい」「オリーブ租界論」「JJ派vsANAN派」「宝塚フェミ論」「おたかさん論」「おとこマスコミvsおんなマスコミ」「男=下劣ゆえに対抗できない論」「実家と縁をきるため女性はオウムに入信したのだ」「普通の親のいる家庭こそ鬼門」「理屈はいい、やり方を教えろ、フェミニズム」…

なんというか、、、その、、、すがすがしい。なんでもかんでも世代論、「80年代」論に回収し、読みやすいのに意味不明な論理展開が横行。カラス族、DCブランド、勝ち犬負け犬、勝ち組負け組。昨今のプチ・ナショナリズム批判。結局、提言といえば、「80年代の雰囲気を復活させよう!」「○○がしたいという希望を取り戻そう!」なんだから始末に終えない。ちなみに、男性蔑視論者でもあるらしい。

おそらく、この書は最初から間違っているのだろう。「80年代論」以外、おそらく何の価値もない。だから、この書の間違いを批判することは、当をえたものではない。

歴史上初めて出現した、醜い下劣な女性がフェミニストだ、と断言する彼女。そこには、社会的かつ後天的に構成された、ジェンダーを身につけてしまった女性の姿が顔をのぞいている。たしかに裏表紙をみると、荷宮氏は美人ではないが、可愛い女性である。おそらく、知らず知らずのうちに、彼女はジェンダーを身につけてしまったのだ。

だからこそ、この書は悲しい。ジェンダーを身につけた彼女が信じた、フェミニズムが手にしているはずの「真理」。彼女は到達することはできない。いや。そんな「真理」など無いことを知らない。「解放」は、永遠にやってこないことがわからない。そのため、ヒステリーをひたすらフェミニストと男性にぶつけるこころみがくりひろげられてしまう。高度成長とその後もつづいた経済発展の中で、「結婚」しかなかった女性の選択肢が多彩化。そこで目だちはじめた亀裂。フェミニズムはそれをおおうためのイデオロギーにすぎなかった。そのことが理解できない。そもそも、80年代の自分が幸せになることをもとめること自体、亀裂の存在を意味していたであろうに。

フェミニズムは退潮したのか?
「フェミニズム的なもの」はなくなったのか?

おそらく、そうではないだろう。少子化をみればよい。「生き方」の多彩化をもとめるために、「フェミニズム」をつかう必要は、なくなっただけであろう。この書は、なんの意味もないだろうが、すくなくとも「即且対自化」されたフェミニズムの現況をあらわしている。現今の、プチ・ナショナリズムという対自的状況の出現に、女性はどのような処方箋を書こうとするのか。著者にはおそらくそんな能力はない。だからこそ、ポスト・フェミニズムへの興味が尽きない。

評価 ★★
価格: ¥798 (税込)

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Last updated  Oct 11, 2005 02:09:29 PM
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