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書評日記  パペッティア通信

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Aug 29, 2005
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カテゴリ:経済


総選挙でどの党に1票を投じるか。

そのことをかんがえるために、とても大切な問題のひとつ、年金・福祉。
本日ご紹介する本は、積立金の放漫運用とムダ使いで揺れている、
年金についての新書です。

2004年7月の参議院選挙以降、とんと聞かなくなった年金問題。
とはいえ、何か一つでも、問題が解決をみた訳ではありません。

戦後、与野党とも票田維持のため、特例だらけのバラマキ年金をつくりだした罪。自治労とノン・キャリアの団結によって、電算化すら自体すすまない、社会保険庁。25年以上の納付期間と免除期間によって、はじめて「1/2 or 1/3」の国庫負担を受けられる、非合理さ。扶助(福祉的要素=国費投入部分)と自助(保険的要素=保険拠出量部分)の曖昧さから、続出する年金への不満。これを読めば、ニュースの裏側に潜む、年金問題への理解が深まるとともに、あまりにもひどい実態に泣けてくることうけあいでしょう。

とはいえ、これだけには、とどまりません。
実践的な年金獲得戦略に徹している、この本書。
相談に行く前に知っておくべきポイントが、抑えられています。

● さまざまな職業パターン別に、年金相談にいく際の、ポイント解説

● 公的年金制度の仕組

● 日本の年金Q&A

● 年金をとりもどす5大戦略


とくに、最後の「特例」を利用した取りもどし方法は、たいへん面白い。15年の加入で、恩給や救済年金をもらいながら、「濡れ手で粟」の老齢厚生年金までもらう方法。25年収めなくても貰える年金。同棲する場合は、住民登録をしておくといい。国民年金と厚生年金のダブりに注意。不服審査制度を活用せよ。幹部になるほど年金制度はわからない。相談は朝か夕方に。会社辞める場合は、障害厚生年金や遺族年金を出させるためにも、健康診断を。老齢厚生年金の受給者の再就職は自営業に限る。40年すぎたら国民年金納付を中止せよ…


アルバイトでも、常勤者のおおむね3/4以上の出勤なら、会社は厚生年金加入を義務付けられているらしい。請負契約社員にも、会社は厚生年金加入させて、保険料を負担しなければならないという。舅や姑に仕えても、嫁には未支給年金は支払われない。「繰り上げ」「繰り下げ」支給の損益分岐点はどこか? なにより、高度に発達した資本主義社会なら、法人所得が個人所得を上回るのは当然のことなのに、なぜ国民の頭数で算出する人頭割計算で負担がまかなわれ、正社員ではなくパートを雇い入れる企業の負担が、免除されてしまうのかという問いかけも面白い。豆知識にとどまらない、こんな横溢する問題意識だけでも、十分に参考になるのではないでしょうか。

とはいえ。

この本は、現制度を前提とした年金獲得テクニック術の教授に、もともと真価があるはずです。ところが、それは根本からひっくり返されてしまう。最後は、私的な「年金改革」案によって、締めくくられているからです。

推奨される制度、年金の「2階建て一元化」

高齢者の貧困を防ぐため、「全額国庫負担」(税金投入)を軸とする≪最低保証年金制度≫の創設、「保険料負担」による≪比例年金制度≫

この本のセールスポイントを無くしてしまう年金改革。
それこそ、筆者も願っているという、この大いなるパラドクス。その良心は、なかなか心地よい。そして、あまりにも複雑怪奇すぎる年金の改革は、この国の多くの庶民の願いではないでしょうか。この提言に、我々はどう答えるべきなのか。その回答こそ、今回の総選挙で問われている争点のひとつといっても、まちがいありますまい。

団塊世代のいっせいの退職を、2007年から迎えて、
「待ったなし」になっている年金問題。
このチャンスを失えば、とんでもないことになってしまう。

ぜひ、ご一読の上、総選挙に参加してみてはいかがでしょうか。


評価 ★★★
価格: ¥735 (税込)

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Last updated  Oct 12, 2005 06:00:10 PM
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