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書評日記  パペッティア通信

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Feb 7, 2006
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カテゴリ:音楽・文化
無題.JPG

(この日記は1からの続きですので、こちらからお読みください)

するってえと、ご隠居。万世一系の皇室の伝統を惜しむ我々民草は、議論してはならないということなんですかい、ええ?

てか、八っあん。その「惜しむ」女系天皇反対派の議論とやらも、よく分からないものが多くて困ってしまうものばかりじゃないか。たとえば、「女系天皇は、天皇制をやがて破壊に導くものだ」―――天皇制反対派は女系天皇賛成に回れということか? 喧嘩売るのなら、賛成派に回るぞ。

まあ、その辺はあっしもご隠居を誤解してましたしね。

次に「神武天皇以来の遺伝子」というのもあるが、こっちもひどい。神武天皇から50代下ると、共通する遺伝子は「2の50乗分の1」になるんで、軽く遺伝子総数より上回ってしまうじゃないか。宇宙にある原始数より上回るかもしれん。共通遺伝子無しでも天皇になれるなら、日本人の誰だって即位できちゃうだろ。本にもされた一番ひどい男系天皇擁護論が八木秀次の「男系のY染色体」―――それだと、熊沢天皇でもいいじゃないか!。三笠宮がこの議論に賛意をしめしていたけど、信じられないよ。三笠宮が皇室である必要性の否定だぞ、これは。皇族を止めて熊沢天皇に譲れ!そう申しあげたいくらいだ。

ああ、熊沢天皇っていましたね。そういや、南朝以外にも後南朝など、天皇のご落胤って、日本全国にいるんですってね

あとはお定まりの「日本の伝統・文化を守れ!」。電脳右翼が今さら言うセリフか? お歯黒して蹴鞠して藁で寝てないやっこさんに、伝統を守れなんて言われたくないよ。ギャートルズの様に暮らしてからいえ、といいたいね。

ご隠居…誰も知りませんよ、ギャートルズなんて…

さすがに遺伝子なる「疑似科学」を装うと、不信感をもたれるので、「血」をいう人もいる。でも本当に父親が神武の血を引いていた保証はどこにあるんだね。奥さんが不義密通しなかったとは言いきれないでしょ。とくに天皇は傍系即位だらけ。そんなこと調べられないし、管理もできない。万世一系が「女系」ならありえないが、所詮「男系」だから血の伝説なんてそれこそ神話にすぎないよ、八っあん。

ご隠居…そこまでいいますか。世が世なら不敬罪ですよ

「連綿と神武天皇までたどれるその男系神話」―――ここまで来ると、女系反対の理由にもならんよ。前にもいったが、南朝・後南朝の系列どころか、徳川・足利・新田家に竹田家でも、誰でも天皇になれるんだし。

たしかに、言われてみれば矛盾だらけですね。てこたあ、ご隠居。女系天皇反対ってのは理由がない訳ですかい。

そうだよ。ほとんどが即自的な理由付けだから、矛盾だらけでもいいんだろうな。遺伝子なんて、そうだろ。非合理な天皇制をいかにも「合理的」「科学的」に偽装しようとするので、逆にボロが出てしまう。でもね、彼ら女系天皇反対派の右翼や保守は、実はまったく矛盾してないんだ。

ブホ!!!ゲホ!ゲホ!コホ!
えええええ??今まで言ったことと全然違うじゃないですか。いったい、どういう風の吹き回しなんです??ご隠居。


お茶を吐きながら喋らないでくれよ、八っあん。この手ぬぐいでふいとくれ。だってそうだろ、よく考えてごらん。「神武天皇以来の遺伝子」「伝統」「男系によるY染色体」「血」「神武天皇以来の神話」―――こんな「超越的」理由を、「男系」であるべき理由に使うから矛盾するんだ。本当は違うんだ。彼ら女系天皇反対派は、「天皇」が崇高だから、「神武天皇以来の遺伝子」など、本来天皇の属性にすぎない様々なものを「崇高」に感じてしまうんだよ。神が尊いのはなぜか?それは神であるからだろう??。そのトートロジーと同じさ。皇室は皇室だから尊い。そう感じることは無いかい、八っあん。

そうですね。皇室へなぜ敬愛するのかといわれたら、言葉に困りますよね。

そうだろ。そのもっとも始原の部分を、女系天皇反対派は説明しない、もしくは忘却しているんだよ。あろうことか、崇高なる天皇の属性にすぎないものを反対理由にしてしまうから、矛盾のように聞こえる。この矛盾は、たった一つの操作、「皇室は皇室であるがゆえに尊い」の項目をこちらが導入してやれば、すぐに解決できてしまう。そしてこの矛盾は、あまりにも簡単に解消できるからこそ、天皇制永続という目的にとって、かなり厄介な代物なんだよ。

え?え?え? ご隠居~。さっぱり分かりませんよ。どういうことなんです?


八っあん、考えてごらんよ。これは、保守・右翼といった、最も皇室を尊崇するはずの人間でさえ、もはや天皇という理由だけでは、皇室の偉大さを信じることができない事態の出現じゃないか。もはや、天皇はそれ自体では存続が不可能で、支えが必要になってしまってるんだ。Y染色体=疑似科学のような支えがね。かんがえてごらん。女系天皇反対論は相当不敬にあたるものではないかな?。だって彼らは「伝統」「遺伝子」「Y染色体」「血」「神話」…本来天皇の属性にすぎないものを、天皇の上位に置いて、あろうことか天皇を縛ろうとしているんだよ。これは、天皇をただ天皇であるということだけで尊崇する、本来のあるべき皇室支持者像とは対極にある姿勢じゃないか。

…。たしかにそうですね…

女系にすると、後世、天皇制が動揺して「万世一系」が絶えるかもしれない?これくらい変な難癖はない。なによりも、女系反対の保守・右翼たちが賛成に回れば、10割の人間が愛子天皇を寿ぐんだよ。現在だろうが、未来だろうが、「女系天皇を支持しない」と喚く方が、女系であることすら分からず盲目に支持する人より、よほど天皇制を滅ぼす存在に近いという可能性があることに思い当たらないかい? そもそも現代の君主制は、無関心層の消極的支持なしでは、存立不可能。あろうことか、コアとなるはずの保守・右翼まで、天皇制を動揺させてどうするんだい。

するってえと、皇統断絶の危機はないってことですか??

とんでもない。女系天皇反対派のいう通り、「皇統断絶の危機」というのは、まことに正しい、本当に深刻な問題なんだよ。

えええええええ!またですかい、ご隠居。もうあっしには、何が何だかさっぱり…。 

ただしそれは、賛成派や天皇制反対派の跳梁に危機があるのではないんだ。なぜなら天皇制は、反対派がはるかに多かった戦後を生きぬいて、今に続いてきた訳だからね。むしろ、天皇制賛成派の中でもゴリゴリの保守・右翼たちが、天皇の崇高さを天皇の属性に―――しばしば疑似科学的手法まで用いて―――依存しなければならない事態こそ、皇統断絶の危機が現れているのではないかな。天皇制には、実体ある敵などいない。まして敵は、ネットワークでさえない。天皇制の敵は、皇室を信じられない保守・右翼の心の内にこそ存在するといえるかもしれない。戦後民主主義の下では、もはや天皇は崇高でも何でもない。支持されないのではないか……この漠たる「自分の心」に由来する不安感が、賛成派を「廃絶派」とレッテル貼りするなどの、陰謀史観を生み出しているのではないか? そして、この天皇制の民主化なるものへの不安は、たしかに正鵠を射ているんだ。

といいますと

それは本来、選べないがゆえに「崇高」なる伝統が、選びとれるものへ堕落させられてしまうことを意味しているからね。しかし、その辺にうろついている右翼が批判できる筋合いなど断じてないよ。

え?どうして批判できないんです?

だって、「日の丸・君が代法案」に賛成したじゃないか。かつてこの法案に反対した右翼がいた。法案が通れば、日の丸と君が代が、一片の法案で廃止可能になってしまうからだ。感動して涙が出たよ。その通りだ。伝統は、保守にとって、法より上にあるべきもの。その一貫した思想信条は、襟を正して傾聴すべき素晴らしいものだった。でも大半の保守・右翼はそうではなかっただろ。国家の象徴というべき日の丸・君が代を「法」に引き渡して恬として恥じなかった右翼が、今さらどの面下げて、伝統をかえりみず憲法・法律に「皇室」を引きわたすことを批判できるんだい。教育現場に国旗・国歌を強制できるし、それは些細なものにすぎない。そう思って「日の丸・君が代」を「法」に引き渡してしまったとき、守るべき至高の存在「皇室」まで引きわたす、今日が訪れることは決まっていたのさ。予測できなかった愚かさを呪うべきだろう。日の丸・君が代法案に反対した「真(まこと)の右翼」以外は、皇室典範改正を批判できる筋合いじゃないと思うぞ。最後の聖域に土足で踏みこまれ、慌てふためいているにすぎん。その右翼の慧眼に感動した身からすれば、慌てふためく姿をみるにつけ残念でならんよ。

じゃあ、女系反対派はどうすればいいんですかい。手遅れってことですかい

というか時代の趨勢なんだろうね。伝統を法におきかえ、安定化を図るというのは。リベラル勢力からすれば、天皇制の「選び直し」、天皇と国民の契約更新という、有史以来初めての民主的実験でもあって歓迎すべきことだが、その喜びを保守派や右翼の方々とは共有できないんだろう。伝統で支えられるべき皇室は、憲法や国民なる支えを求めてはいけなかった。にもかかわらず、それに依存せざるを得なかった。よりによって今、そのツケを払わされているのかもしれないね。とにかく反対派に必要なことは、皇室を尊崇して、愛子天皇になっても決して尊崇の気持ちを揺るがせず、敬愛をやめないことじゃないかな。まあ、何世紀か後に断絶する危険性より、モロコシと戦争して天皇制が廃絶される危険性の方がはるかに高いと思うけど。

オチは結局それですかい、ご隠居

(おあとがよろしいようで)

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Last updated  Apr 4, 2006 08:50:14 PM
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