映画『蝉しぐれ』。

2005.10.18

今回の風邪、けっこうしぶといです。
声が裏返っちゃってます。
ヨ～デルヨ～デル♪ヨ～デリッヒ～♪
‥なぁんて、とっても歌えません‥。

そんな中、久しぶりにロードショーなんぞ行って参りました！
以前から、リクエストをいただいておったのですわ。
友人にも‥お薦めされておりました。
世間は中島美嘉の「ＮＡＮＡ」とか、ペ・ヨンジュンの「四月の雪」が人気あるようですが。

ソレをあえて外して‥蝉しぐれ。
しぶいでしょ？

「蝉しぐれ」と藤沢周平の世界

藤沢周平原作の映画化。
150万部を超えるロングセールスを記録し続けているそうな。
基本的に、いつも原作を読んでから‥映画館へ行くタイプなのですがね？
地元の小さな本屋は完売。
やっぱり、紀伊国屋やジュンク堂に行かないとダメね。

最近の映画館は画期的ですッ！
座席指定だし。
ブランケットのサービスもあったり。
飛行機並み♪
このまま、「上海まで。」ってタクシーの運転手に言っちゃいそうな環境。
ダハハハ～。

そもそも、江戸ものの時代小説はチャンバラごっこが主流でしょ？
どうも好きになれません…。

「権力者の不条理な仕打ちに耐え、自らの人間性だけを矜持にして生きる主人公」とでも言いましょうか？
（ちょっと、今日は評論家っぽく、書いて見ました‥笑。）
コレが‥市川染五郎扮する『文四郎』の役どころ。

父親を切腹させた権力者への単なる復讐劇ではなく、人間の業や権力構造そのものへの諦念。
この辺りの心の紆余曲折が見せ場でしょうね～。
人間としてのリアリティを持ちながらも、自分の人生を肯定しようとする。

歌舞伎役者とは思えないほど、この方は存在するだけで「お笑い」になっちゃうんですよね？
由緒あるお家柄なのに。不思議です‥。
それに、友達の端役に…「今井耕二」「ふかわりょう」ですもの。
ずっこけるしかない（笑）？

舞台は山形の片田舎。
壮大な大自然をバックに繰り広げられてます。

そして相方の、20年間にも及ぶ恋心を演じる『ふく』役に木村佳乃。

謀反を起こした父の子として、文四郎に数々の試練。
父が最後に言った「剣の道に励め。」という言葉。
貧困に苦しむふくの家。。
そして‥殿さまの屋敷の奥にご奉公に上がることに。
江戸に立つ前に文四郎に会いたいと、藩の命で長屋に移り住んだ文四郎の家へ走る…。
が‥２人は会うことが出来ないまま、ふくは江戸へと旅立つのです。

‥く～～ッ！泣けるね‥。

そして時が流れ、ふくが殿さまの側室となり、子供を身ごもる。
お家騒動である「跡継ぎ」の派閥闘争に巻き込まれることに。

時代劇にはつき物の、よくあるパターンと言っちゃあ？
それまでなんですけどね。
物語は、それだけにあらず。

殿さまが亡くなられ、仏門に入ることを決したふくの言葉が全てを語ります。

ふ「文四郎さんの子が私の子で、私の子が文四郎さんの子である道は無かったのでしょか。」
文「それがし、一生の悔いでございます。
　　忘れようと、忘れ果てようと思い申したが…忘れ去れるものではござらんかった。」
ふ「文四郎さん、お子は？」
文「坊主と、娘がひとりずつございます。」
ふ「今日は…『ふく』と呼んでください…。」

そして…ひとひらの涙。

人間、後にならないとわからない…人生のターニングポイント。
あのときが、そうだった。
っと、わかった時は…。
もう、それぞれの運命（さだめ）に翻弄されているのですよ。
それはセレブでも、貧乏ったれでも関係なく。

ドラえもんのように、四次元の世界でその時に戻ることができたのなら？
後悔の無い選択をしたのか？
それも謎です。
何故なら…

「時間」というツールの中で、人は成長しますもの。

ただね…
老化っちゅう、大きな災いは避けられませんわ（苦）。
ココが、一番の泣き所かも（笑）。

みちょも…。
小学校の卒業式に総代を務めたY・T君。
最後まで、その思いを告られませんでした。
あながち、相手も満更じゃあなかったと未だに思い込んでおります。
後に彼は、一橋大学に進学したとか…。

ホホホ～♪
当時とすれば珍しく、バイオリンを習っていた彼！
世が世なら…。
世界をまたに駆ける、バイオリニストの妻ッ！？
ん～なわけ、無いか^^"。

せいぜい、そろばん弾いてるのがお似合いかもね（爆）。