「起業希望者、バブル期の半分…12年84万人」という記事
昨日、「起業希望者、バブル期の半分…12年84万人」という記事がネット上で話題になっていました。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140421-00050103-yom-bus_allなかなか刺激的なタイトルの記事ですね。記事のタイトルや分析には意図的な面がありますのでそこは鵜呑みにしないようにグラフを見てみると、興味深い点が2つありました。1つ目、1987年と1997年の10年間では「起業希望者」が殆ど減っていないことです。特に1992年よりも1997年が増えています。これは興味深いですね。バブル崩壊からの景気低迷の時期に重なるこの時期、景気動向は「起業希望者」の数にはあまり影響しなかったのかもしれません。景気低迷は起業希望に与える影響は少ないかも知れない、あるいは遅行して影響しているのかも知れない、とも考えられます。2つめ、1997年から2012年までは「起業希望者」が減っていますが、この時期はまさに起業支援施策、ベンチャー支援施策が大いに拡充されていった時期に重なっています。1997年 ストックオプション制度の導入 (その後商法改正、会社法により整備が進む) エンジェル税制の導入(その後拡充)1998年 大学等技術移転促進法 投資事業有限責任組合制度(LPS)の創設(その後法律改正により整備が進む)1999年 ナスダック・ジャパン開設発表、東証マザーズの創設2001年 大学発ベンチャー1000社計画2002年 知的財産戦略大綱2003年 最低資本金規制の緩和2005年 LLP制度の創設 会社法成立:LLC、種類株式など上記のような施策はとても重要な前進であったとは思いますが、「起業希望者」の増減に大きな影響を与えるには至らなかったということかも知れません。一概に景気だけで変わるものでもないし、施策だけで変えられるものでもない、このあたりがアントレプレナーシップについて考えるときに必要な視点だと思います。