青年は北へ行く青 年 は 北 へ 行 く 北の彼方へああはるけき遠い旅立ちよ 君の眼底にうつる白き雪も君を包まん 彼女の愛も北の海に高く舞えしや その行くて絶望せずして生きる努力をせし われの祈り君に移さん その心また雪のごとく凄まじく君の勇姿は 北の果てに尊く光れり 北へ行く青年よ 遠い果てに死なむとその生涯は君の命なり ありとあらゆる苦境の残骸はわれのみ知るよし 君の魂天高く失せその肉体土となりしも われ駆け寄りてその土をとりしか 君の旅立ちは北の遠くに美しき種をひとつ持って 行くことなり その心尊き 白き荒野に一人立ち寒風に身をきりしも時立てばやわらぎし 天は晴れ海をながめしその眺望は君のみ知ろう旅の嘆きを 勇ましい海波は君の耳朶に大きくせまるも 君は逃避せず新しき波に向かえ 霞地をはい陽光見えずとも北の海の鋭き断崖に 君はひとり起てしか その眼光はるか古きを偲ぶものをなんの感動も覚えず ただ波の音にのみ君の胸は憂色を見ゆ われの傍らに君はいるものと深き夢から覚めれば もう君は遠き旅のあとなり 君の幸せをわれは祈ろう 君よ幸せにくらすんだ さようなら北へ行く青年よ われ遠くから君に幸多かれと祈ろう ジャンル別一覧
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