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分太郎の映画日記

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2007.03.26
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 1970年代のイスラエル南部のキブツを舞台にした、13歳の少年とその母をめぐる物語。

 昨年11月に開催されたアジア・フィルムフェスティバルで上映された際にチケットを購入していたのだが、当日体調を壊して行くことができなかった。今回、 アテネ・フランセ文化センターで開催されたイスラエル映画祭2007で上映されたので、ようやく鑑賞できた(2007/3/24)。

 『甘い泥』 評価:☆☆☆

 「大人は共同体によりよく貢献するため親の義務から解放される。1980年代まで子供は「子供の国」で育てられ、そこで生活と勉強をした」とは、映画冒頭に入る字幕だ。


【あらすじ】
 主人公のドビル(トメル・シュテインホフ)は13歳、大人への通過儀礼を迎える年だ。彼の母親ミリ(ロニット・ユドケビッツ)は、数年前に父親が亡くなってから精神的に不安定な状態にあったが、入院のときに知り合ったスイス人のボーイフレンド、ステファン(ヘンリ・ガルシン)がいた。キブツでは投票が行われ、ステファンの滞在を許可、彼がやってきた。バスを降りたステファンが初老の男性だったことにドビルはがっかりするが、ステファンがミリにプロポーズし、徐々に敬愛するようになる。
 ドビルの飼い犬が隣人の犬を妊娠させて、怒った隣人がドビルに手を出すと、ステファンはドビルを守ろうとして隣人に怪我を負わせてしまい、キブツを追放される。同級生の女の子とキブツの冷蔵庫に忍び込んだドビルは、自分の犬が凍死していることを発見する。ミリは激怒して隣人を襲い、それが原因で病院に入れられてしまう。
 やがてミリは退院するが、症状はどんどん悪化していった。同級生の女の子がフランス語が出来ることを利用して、ドビルはステファンからの手紙を捏造し、またステファンにも母の名前で手紙を出す。ステファンから航空券が二枚、送られてきた。これで儀式の後にキブツから抜け出すことができる。しかし、その儀式の際に、ミリは再び発症し、再度入院させられることになる。ミリはドビルにあることを頼むのだった……


 豊かな自然を背景にした、淡い初恋あり、盗みを働くなど不良性あり、母親への慕情と葛藤あり、近所の人とのトラブルありと、いわゆる「少年時代もの」の秀作。

 それだけでなく、キブツ――相互扶助や平等を理念に、厳格なルールに支配された共同体――というとイスラエル建国の礎となった程度の認識しかなかったが、映画の後半はかなり痛烈にキブツ批判を展開している。

 キブツというと、その昔、地理の授業で習っただけで具体的なイメージはまったく湧かなかったが、映画を通して(映画がある程度正しく映し出しているとして)何となく理解できたように思う。、
 現代のイスラエル社会におけるキブツの位置付けなどまったくわからないが、イスラエル社会についてほとんど何も知らない身にとっては、当時アメリカの庇護下にあった(と言ってしまうとまずいかもしれないが)国に、映画で描かれていたような共産主義的システムが存在していたというのが非常な驚きだった。

 なお本作は、日本のNHKやロバート・レッドフォード主宰のサンダンス・インスティテュートなどの援助によって製作された。第57回ベルリン映画祭クリスタル・ベアー受賞。

『甘い泥』

【製作年】2006年、イスラエル
【監督・脚本】ドロール・シャウル
【撮影】セバスティアン・エドシュミット
【音楽】トゥープ・フィロソフ、アディ・レナート
【出演】トメル・シュテインホフ、ロニット・ユドケビッツ、ヘンリ・ガルシン ほか





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最終更新日  2007.03.26 14:09:56
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