|
カテゴリ:Object作成
まず初めにどのような形状のレールを作るかを決めます。
そのために実際の軌道の寸法を知る必要があります。 (0)線路等級 列車の走行は軌道に負担をかけます。 このため列車の通過量に対して線路等級を決め、 線路等級ごとに負担のかかりにくい構造を規定しています。 定義は以下の通りです。 1級線……年間通過トン数 2000万t 以上 2級線……年間通過トン数 1000~2000万t 3級線……年間通過トン数 500~1000万t 4級線……年間通過トン数 500万t 未満 これらは線路種別(甲線・乙線・丙線・簡易線)とは別に決められています。 (1)レール 普通レールの規格としては、1m当りの重量が30kg、37kg、40kg、50kg、60kgの ものがあり、50kgのもの更に3つの規格に分けられます。 在来線では一般的に50kgNレールが用いられますが、 在来線でも幹線の一部では60kgレールが用いられ、 ローカル線では37kgレールが多用されています。 近年はローカル線でも重軌条化のため50kgNレールへの交換も進んでいます。 50kgNレールの断面形状は下図のとおりです。 なお西武池袋・秩父線では西吾野まで60kgレールを使用している模様です。 (2)枕木 線路等級ごとに25mあたりの枕木の本数が定められています。 (表は有道床軌道の場合) 枕木の寸法は以下の通りです。 木枕木(並)……厚さ140mm、幅200mm、長さ2100mm 木枕木(橋)……厚さ180・200・230mm、幅200mm、長さ2100・240・270・300mm PC枕木(3号)……厚さ174mm、幅156mm(上面)・245mm(下面)、長さ2000mm PC枕木(統一・一般)……厚さ226mm、幅257mm(上面)・300mm(下面)、長さ2000mm PC枕木は様々な形式がありますが、近所の路線では3号が使用されていました。 西武池袋・秩父線では統一形を使用しています。 (3)道床 排水を考慮しない場合の道床は次図の通りです。 図中fの箇所は枕木下面からの距離であることに注意です。 (4)架線 普通鉄道構造規則第60条では、トロリー線(架線の下側の線)の高さを レール面上より5.0m以上5.4以下としています。 ただし「高架橋等人が容易に立ち入ることができない場所」は4.8m、 トンネル等では集電装置を折り畳んだ場合の高さに400mm加えた高さまで減ずることができます。 「BallastS.csv」では5.1mで設定されています。 太さはおよそ10~15mmです。 吊架線(架線の上側の線)からトロリー線を吊り下げるハンガーは 普通鉄道構造規則第58条2により5m間隔を標準とします。 吊架線に関しての規定は見つからないのですが、あるのでしょうか。 「BallastS.csv」では5.7mで設定されています。 「BallastS.csv」のように、架線はレールストラクチャと一体化している場合が多いのですが、 西武秩父線では架線は架線単体のみで後日作りたいと思います。 以上(1)、(2)をもとに、直線レールストラクチャを作ります。 (A)レール 実物と同様の構造とすると後々面倒なことになるので、構造を簡単にします。 BVEでは主に以下の3種類の構造で簡略化が行われています。  ̄形(赤線):レール頭頂面のみを再現する方法 構造は簡単だが急曲線で見えない部分が見えてしまう欠点がある T型(黄線):レール頭頂面と腹部1面だけを再現する方法 側面にはテクスチャを貼らず、SetColorで指定する場合が多い Π形(青線):レール頭頂面と腹部2面を再現する方法 側面にはテクスチャを貼る場合が多い 今回、西武秩父線ではΠ形(青線)の構造で製作します。 上図とほぼ同様に、幅66mm、高さ150mmとします。 図で表すと下図のようになります。(左レールは軌道中心で線対称です) 長さは曲線での切れ目防止のため25.5mとします。 (B)枕木・道床 以下のように標準的な断面で製作します。(左側は軌道中心で線対称です) ※上図中、Y=-0.5はY=-0.6の誤り 長さは曲線での切れ目防止のため25.5mとします。 今回、(A)(B)のテクスチャは製作スレにアップされていたデータ(73氏作?)を改変します。 ファイル名は(A)部分が「rail.bmp」、(B)部分が「tie.bmp」とします。 rail.bmp(拡張子をgifからbmpに変更してください) tie.bmp(拡張子をgifからbmpに変更してください) 以上を頭の中で立体的に組み立てます。ダメなら紙に書いてください。 こうなりましたか? 灰色の部分に連続した3面、これで1ブロック、 薄茶色の部分に連続した3面が2組、これで1ブロックをそれぞれ作ります。 これを構文に表すと以下のようになります。 ※上図1つ目のブロック中、(Y=)-0.5は(Y=)-0.6の誤り 上のブロックが灰色の部分、下のブロックが薄茶色の部分に相当します。 一番右の列にある数字は灰色の部分、薄茶色の部分それぞれの頂点番号です。 頂点が多い場合、「;」付きで頂点番号を振っておくとわかり易くなります。 テクスチャの貼り方に関しての補足です。 「LoadTexture, tie.bmp」における0.19と0.81は テクスチャ上のレールとストラクチャ化したレールの位置が合うように調整した結果です。 0.23と0.77、0.2と0.8といった具合に直接数値を代入・上書きで何回か確認して調整します。 また「rail.bmp」はレール頭頂面の右側が左より輝いているので、こちらが軌道中心寄りです。 このため左右レールでテクスチャの貼り方が異なるので注意が必要です。 構文をよく観察して、どこがどのように変わっているか見つけてください。 最後にテクスチャの作り方です。 先の「rail.bmp」、「tie.bmp」とは異なる画像ですが、ご了承ください。 まず軌道を軌道中心から運転士の目線高さで撮ります。 ツーマン運転の路線では難しいですが、料金収受形ワンマンの路線では比較的撮り易いです。 関東近郊だとデータイムの八高線の最後尾から撮れるかと思います。 撮影時、逆光にならないよう、できるだけレールの影が入らないように注意が必要です。 どうしても駄目な場合、跨線橋の上から斜め下30~45度くらいの角度で望遠気味で撮影します。 今回はスーパー北斗の展望窓から撮影したものがあったので、これを使用します。 これの手前側を切り出し、加工しやすい大きさに縮小します。 これをフリーソフトの「GIMP」で開き、遠近法>逆変換で遠近補正します。 四隅の四角を移動させて、レールを確実に垂直にしてください。 続いてレールの影を消します。ペイントの反転機能で十分可能です。 右レールの外側をコピーし、外側をギザギザにカット、反転して左レールの外側に貼り付けます。 あとはこれが上下に繰り返されても不自然にならないようにし、それを2のn乗にリサイズします。 枕木が8本くらい入っていた方が繰り返したときに自然です。 これを4回繰り返せば2級線の規格は満たします。 これで完成です。 レールの頭頂面と腹部も同様に作ります。 以下のような写真から作ることが出来ます。 これらは線路脇の道路や踏切道から撮影すれば綺麗に仕上げられます。 次回は「金太郎飴」を使って曲線レールストラクチャを作ります。 参考文献:線路-軌道の設計・管理(山海堂 宮本俊光・渡辺偕年編) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 7, 2009 11:30:07 PM
コメント(0) | コメントを書く
[Object作成] カテゴリの最新記事
|