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カテゴリ:Object作成
毎度すみません。屋根のテクスチャも使えそうなのが見当たりませんでしたorz
あまりに順番を狂わすのも駄目な気がするので、本スレ88の139氏の挫折した分岐器を 三角関数を使って作って実際に作ってみようかと思います。 高校数学を未履修の方はともかく、文系でも三角関数と聞くだけで嫌になる方がいそうなので、 簡単にですが説明しておきますが、中学数学は十分理解しているものとして扱います。 教科書か参考書があったら三角関数の章の最初の10ページだけでも読んで理解してください。 その後は読まずとも製作は進められます。 何であんなに難しくて無意味な問題解かせるんだろうね? >文科省あたり 上図のような半径Rの円は円周上の座標(x,y)とRの間に x2+y2=R2 という関係が成立します。 これは中学数学の範囲で、三角関数は使っていません。 三角関数を使うと円周上の座標と半径の間は以下のような関係で表すことができます。 ┌x=R*cosθ └y=R*sinθ cosθとsinθは三角形内の角度θと二辺の長さの比の関係を示すもので、上図中では ┌cosθ=x/R └sinθ=y/R となります。わかりにくいと思うので、二等辺ではない三角定規を例にします。 角を小文字、辺を大文字で区別してあります。 ご存知の通り、a=30°、b=60°、c=90°、A:B:C=1:√3:2ですので、 ∠aではcos 30°=B/C=(√3)/2=0.866…、sin 30°=A/C=1/2=0.5と計算されます。 (Excelでの関数名はいずれもそのまま SIN COS です) 角度は日常的には度[°]が単位として使われていますが、 Excelなどの表計算ソフトではラジアン[rad]を用いることが多く、 両者は以下のような関係になっています。 π(=3.1415…)rad=180° 以上が高校数学における三角関数の基礎ですが、 高校数学の範囲外(だったような)で有用なものとして逆三角関数が挙げられます。 三角関数は角度θが既知の条件下で値を求めますが、 実際「角度はわかるけど二辺の比がわかりません!」なんてことはその逆より稀でしょう。 二辺の比はわかるけど角度はわからない、このようなときに使えるのが逆三角関数です。 arcsin θ(アークサイン)=sin-1 θ(インバ-スサイン)、 arccos θ(アークコサイン)=coa-1 θ(インバ-スコサイン)と2種の書き方があります。 ∠aでは以下のようになります。 ┌arcsin (A/C)=arcsin (1/2)=0.523…=π/6[rad]=30[°] └arccos (B/C)=arccos ((√3)/2)=1.047…=π/3[rad]=30[°] Excelでの関数名は ASIN ACOS 、√の関数名は SQRT ですので確かめてみてください。 それでは簡単なテストです。 【問1】 度のものはラジアンに、ラジアンのものは度に直せ (1-1) 60° (1-2) 90° (1-3) 225° (1-4) 1 rad (1-5) (1/4)π rad 【問2】 ペンとメモ用紙のみを用いて計算せよ(√2=1.414、√3=1.732 とする) (2-1) sin 90° (2-2) cos 90° (2-3) sin (2/3)π[rad] (2-4) cos (-1/4)π[rad] (2-5) cos 180° 答えは一番下にあります。 数学の話はこのへんまでにして、実際の分岐器の細部を見てみましょう。 分岐器各部の名称は17講をご覧下さい。 まずはトングレールです。 直線トングレール (小湊鉄道線光風台駅構内) 直線トングレールは旧型の分岐器に見られるもので、 直線側、分岐側のいずれもトングレールは直線です。 BVEの構文で言うTurnに近いもので、分岐側に進むときは乗り心地が悪く、 下の曲線トングレールへと改良されていきました。 曲線トングレール (函館本線姫川駅構内) 分岐側への乗り心地改善のため、トングレールまでリード曲線を延長したものです。 番数が同じでも直線トングレール使用の分岐器とはリード曲線長が異なるので、 リード半径も若干ながら異なります。乗り心地は改善されましたが、 トングレールとリードレールの間に継目があるため強度が低く、振動の元にもなるため、 直線側であっても100km/h以下での通過を余儀なくされていました。 これを解消するために生まれたのが弾性ポイントです。 弾性ポイント (小田急本線伊勢原駅構内) トングレールとリードレールを1本のレールにしたものです。 鉄自身の性質である柔らかさを利用してレール全体でポイント部を動かします。 継目がなくなり、強度も上がったことから、直線側の速度制限もなくなりました。 続いてクロッシングです。 組立クロッシング (銚子電鉄線仲ノ町駅構内) 普通レールを切削し、ボルトで固定して組み立てたクロッシングです。 多くの部品がボルトなどで固定されているだけなので狂いやすく、寿命も短いので、 駅構内でも列車が比較的多く通るところは下のマンガンクロッシングへと代わって行きました。 マンガンクロッシング (飯田線豊橋駅構内) どの路線でも一般的に見られるクロッシングで、全体をマンガン鋼で一体化したものです。 耐久性も高く、メンテナンスの手間もなくなりましたが、高価なのが唯一の難点のようです。 鋳型での製作なので、特殊な分岐器にはあまり使用されません。 圧接クロッシング (小田急本線伊勢原駅構内) 一見すると組立クロッシングのようにも見えますが、ガス圧接により一体化されています。 レールを圧接するので、形状の特殊な分岐器でも通常のと同様の工法で容易に設置できます。 マンガンクロッシングと異なり、上図手前のようにロングレールに継目なしで直接設置でき、 強度もマンガンクロッシング並に高いので、近年急速に普及してきました。 このほかに可動クロッシングなどがあります。 おまけで乗越分岐器です。 (フラワー長井線今泉駅構内) 上は安全側線のものですが、保守用車の出入りする箇所にも手動式のものが設けられています。 分岐側に列車が通過しないのが前提のため、直線側のレールには欠線部分がありません。 このため車両が分岐側に入った際は、直線側のレールをそのまま乗り越して進行します。 図中右側のトングレールも特殊な形状で、線路が分岐側に開いているときは このレールが直線側のレールに覆いかぶさります。 ここまでの長話が何の役に立つのか? 実際のところ多分何にも役立たないでしょう。 曲線区間を100分割にもするなら別ですが、3~5分割程度ではトングレールが 直線でも曲線でも実物以上に同じ形状に見えてしまいます。弾性も然り。 クロッシングもマンガン鋼は複雑な形状ですし、組立と圧接の見た目はほぼ同一です。 ただ車両ファイル(101系)ではこのあたりを区別して収録されたとの話ですので、 こちらとしても意識して製作する必要はありそうです。 次に続きます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ こたえ 【問1】 (1-1) 60°= (1/3)π rad (1-2) 90°= (1/2)π rad (1-3) 225°= (5/4)π rad (1-4) 1 rad = 57.295…° (1-5) (1/4)π rad = 45° 【問2】 (2-1) sin 90°= 1/1 = 1 (2-2) cos 90°= 0/1 = 0 (2-3) sin (2/3)π[rad] = sin 120°= (√3)/2 = 0.866 (2-4) cos (-1/4)π[rad] = cos -45°= 1/(√2) = 0.707… (2-5) cos 180°= -1/1 = -1 ←180°はX軸上では負 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 27, 2009 09:31:41 PM
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