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![]() イヌやネコに代表されるコンパニオンアニマルは、家族の一員としてなくてはならない存在となっており、医療技術の進歩で長生きできるようになりました。 しかし一方で、ヒトと同様にガンや糖尿病などの疾病が増加しています。 ガンや感染症の診断を支援する先端の遺伝子検査技術や、またがんの免疫療法に用いるリンパ球の培養技術の提供で、動物たちが適切な診断を受け最適な治療を受けられるよう支援します。 ケーナインラボの日記 [全59件]
新年おめでとうございます。 皆さん、良い新年をお迎えになったことと思います。 私は今日から仕事始めです。年末年始の休みなんて、あっという間ですね。 元日は地元の神社へ初詣、2日は商売繁盛、厄除けの神田明神へ初詣(二回目ですが、初詣と言って良いのでしょうか?)、去年のお札を納めて新しいものを買い、神社近くの蕎麦屋で新そばとお神酒でささやかな食事、帰りに福納豆を買いました。これが、我が家のここ数年の恒例です。 東京は概ね晴天で、穏やかな一年のスタートです。 昨年のような未曽有の災害などなく、すべてが復興することを願わずには居られません。 地震予測によると、近々関東から東南海にかけて大地震が襲う、とのこと。 いつぞやの、何とかの大予言、ではありませんが、こんな嫌な予想は外れてほしいですね。 でも、備えあれば憂いなし、です。 今年の抱負。 まず、毎年言っていますが、ブログをもう少し頻繁に更新します。今年こそ・・・。 ご意見・ご批判等ありましたら、ぜひお聞かせください。 仕事では、集積されてきた検査データを一度整理して、皆さんに提供したいと思います。 特に、ご利用の多い造血器系腫瘍のクローナリティ解析やFIPのネココロナ遺伝子検査、等々、少しずつまとめて公開していきます。 さらに、細胞免疫療法では、もっと認知度を上げて、提携病院を増やしたいと思います。 これも、各大学等々と共同研究にて、症例データを積み上げています。 個人的には・・・。 時間がある時には、身体を動かしたいのと本を読みたい、です。 身体と心の健康維持、ですね。 あとは、ななちゃん、元気にこの一年も過ごしてほしいです。 毎日のケア、注意深く続けていきます。 こんな感じで、平々凡々な豊富ですが、健康第一、良い年になることを期待しています。 皆さんも、そして可愛いペットたちにとっても良い一年でありますよう、お祈りいたします。 本年も、よろしくお願い申し上げます。 まずは、新年のご挨拶まで。
一年なんて長いようで短いですね。 あっという間に仕事納めです。 今年は本当にいろいろあった年でした。 年末の報道番組は、今年はじっくり見たいと思っています。 ブログの方も、いつもよりサボり気味、皆さんにあまり役立ちそうもない内容ばかりでした。申し訳ございませんでした。 来年は、・・・頑張ります! 少し早いですが、私の今年の重大ニュース、を考えてみました。 何といっても「東日本大震災」、忘れることができない未曽有の大災害でした。放射線被害も含めて、未だ復興の目途すら立っていないところもあるようです。獣医の先生方も、震災後早々とボランティアチームを作って、現地の動物の救護にあたったり、あまり表には出ませんが、大活躍でした。何にかの形で支援していきたいと思っています。実は、私の実家が福島で、ホットスポットのど真ん中に家があります。この先、どうしたら良いのか見えない現状に、住民も疲れている、と言うのが現状ではないです。 一方で、被害にたいする政府の対応、見ていて腹立たしいものがありました。 現場の状況を全く把握できていない政府や東電幹部、さらに正確な情報が住民へ全く上がってこない、これによる不安の拡大。何を信用していいか、全くわかなくなりました。 でも、被災地の方々は、住民皆さんで手を取り合い、助け合いながら、当面の危機を乗り切りました。毎日流されるニュース映像を見て、何もできないもどかしさからため息をつき、被災者の頑張りに涙し、と言う自分が居ました。 兎に角、早い復興願います。 我が社では、夏から新しい検査を開始しました。 皮膚疾患関連の、我が社にとっては新しい分野への挑戦です。 「皮膚糸状菌遺伝子検査」「ニキビダニ(毛包虫)遺伝子検査」そして「ブドウ球菌同定検査、ブドウ球菌のメチシリン耐性(mecA)遺伝子検査、薬剤感受性試験」の3つの検査です。 皮膚の病気は、一見すると似たような症状で、その原因を正確につかむことで最適な治療ができます。また、抗菌剤や抗生剤も原因菌によって効果が違ってきます。さらに、抗生剤に対する耐性菌も存在し、これは耐性遺伝子(mecA)を検査することで確認できます。 いま、ヒトの医療現場では、「コンパニオン診断薬」という概念が確立しつつあります。 「コンパニオン」とは、仲間、連携、を意味します。 つまり、医薬品の有効性と副作をあらかじめ検査し、患者さんにとって最適な治療薬を選択すること、その検査・診断を言います。 我が社で実施している、肥満細胞腫のc-kit遺伝子検査、これはイマチニブの有効性をあらかじめ判定します。MDR1遺伝子検査、これは駆虫薬であるイベルメクチンなどの副作用を予測します。そして、ブドウ球菌の薬剤耐性遺伝子mecA遺伝子検査、最適な抗生剤の選択に役立ちます。 あらかじめ、薬剤の有効性や副作用を予測することで、無駄な治療を回避でき、ひいては治療費の軽減にも繋がります。 獣医療も、今や経験だけではなく、科学的データをもとに診断治療する時代になってきているといえますね。 来年は、この分野がもっと進むと思います。 で、私事で恐縮ですが、子供二人が無事独立、私の手を離れました。 一人は中学校の先生(2年間臨時教員で、やっと正式採用)で一人は看護師、一人前に教育論やら医学の話など、青臭いなりに熱い話をしています。この先、世間に染まることがあっても、少しは青臭い情熱を忘れないで欲しいです。 さて、最後に我が家のナナちゃん、クッシング症候群はゆっくり、でも確実に進行しています。特に、この秋以降薬を増量しても一向に飲水量が減らず、腹がぷっくり垂れてきて、脱毛も進行してきています。 年明けには、再度薬の増量を主治医に相談してみようと思っています。 何とか、来年も元気で過ごしてほしいです。 とまあ、こんな1年間でした。 年末年始と家族が集まってゆっくりする時間が多いと思います。 私も然りですが、テレビを見てお節と餅を鱈腹食べて、という毎日でしょうが、今年の家族の重大ニュウースを話しのネタにして、会話を増やすのも良いのではないでしょうか。 さて、最近、大変興味深いブログを見つけました。 癌治療と免疫療法に関する、ある臨床医の考えを綴っているものです。 特に癌治療の場合、「エビデンス」や「根拠」をいった難しい言葉が飛び交いますが、必ずしもそれに当てはまらない病状や治療法も存在します。 これを読んでいて思うのは、獣医療の場合もよくあてはまるのではないか、と。 人医療は患者は本人ですが、獣医療の場合は、患者はものを言いませんので、獣医師と飼い主がよく話し合い、獣医師は患者に最適な治療法を提示し、飼い主は患者の代わりによく話を聞いて治療法を選択する、と言う具合に、異なります。 また、飼い主の多くは、不治の病になった場合は、可愛いペットが最後まで元気で過ごせる治療を選択すると思います。 いわゆる、QOL改善の効果ですね。 患者は一頭ずつ皆違いますから、癌に対する治療ではなく、癌を持った患者に対する治療、これを目指してほしいです。 このブログは、癌治療現場において、エビデンスやセカンドオピニオンの考え方にも言及しています。 大変興味深いブログです。年末年始、時間があればぜひ読んでみてください。 http://umezawa.blog44.fc2.com/ (掲載については、著者の梅沢先生のご許可を頂いております) そうこうしている内に、ぼちぼち仕事納めの時間が近づいてきました。 皆さんも良い正月をお迎えください。 来年も、ぜひお立ち寄りください。 来年は、もっと書き込みますので・・・。 良いお年を!!!!
本当に寒くなりましたね。 今月もあと一週間で終わり、もうすぐ師走です。 「師も走るくらい忙しい月」という意味だそうです。(合ってますか?) そうこうしている内に来年、何か一年がだんだん早くなっていくような気がします。歳のせい?そう言わないでください。 さて、先週末、大阪で動物臨床医学会なる学会が開催され、一部参加してきました。 情報収集、と行きたかったのですが、今回はあまり時間が無く、その中で興味のある講演を聞いて来ました。 その中の一つ、「一般臨床家におけるサイトカイン療法」。 「サイトカイン療法」というと、とかく基礎研究的な難しい内容が多いのですが、この講演は一般の開業獣医師が講師で、どんな疾患にどんなサイトカインが使われてるか、臨床現場の話をされていました。(私が言うのも烏滸がましいですが)現場の先生方も、すごく良く勉強されています。 まず、「サイトカイン」とは。体の細胞が分泌する様々な機能を有する液性物質、のことです。少し難しいですが、ここはネットで調べて下さい。 サイトカインでとくに有名なのは、インターフェロン、ですね。 この名称は、一度は皆さん聞いた事があると思います。 「サイトカイン療法」とは、これらを使って治療する方法のことです。 さて、今回紹介されたサイトカインは、以下の4つ。 *ヒト顆粒球コロニー刺激因子(hG-CSF) *ヒトエリスロポイエチン(hEPO) *イヌインターフェロン-γ(cIFN-γ) *ネコインターフェロン-ω(fIFN-ω) (上の二つがなぜヒト用か、と言えば、単純にイヌやネコ用が無いから) 簡単に、働きを紹介しますと・・・ *G-CSFは、幹細胞から、感染症や炎症反応の初期防御に働く顆粒球を誘導します。特に、癌の化学療法や放射線療法、ある種のウィルス感染、免疫不全なんどで好中球が減少すると、細菌やウィルスに感染しやすくなり、難治性となります。 *EPOは、骨髄中の赤血球前駆細胞に働いて、赤血球を誘導します。腎性貧血や再生不良性貧血など、強度の貧血の治療に用いられます。 *IFN-γは、血液中のリンパ球が産生し、抗腫瘍効果、抗ウィルス効果、免疫亢進作用、などがあります。効果の通り、癌の治療、ウィルス感染症の治療、免疫機能を亢進させる目的の治療、に使われます。また、イヌのアトピー性皮膚炎の治療にも使われます。 *IFN-ωは、機能的にはIFN-γとほぼ同じですが、特に抗ウィルス効果を期待して、ネコカリシウィルス、ヘルペスウィルス感染症、イヌパルボウィルス感染症、ネコ白血病ウィルス(FeLV)感染、ネコ慢性口内炎、FIP、など、さらに悪性腫瘍の治療と、幅広く使われています。 今回の講演では、それぞれのサイトカインが上に書いたような疾患に対して使った時の効果や問題点が、広く紹介されました。 症例によっては、劇的な効果が認められます。 私が興味を持ったのは、IFN-γのアトピー性皮膚炎治療、ネコIFN-ωのカリシ、ヘルペス、FeLVなのどウィルス感染症治療、です。 これらは、実施した症例も多く、それなりに有効性を示すデータ、と理解しました。 問題点は、まずG-CSFとEPOは、ヒトのサイトカインであること。イヌやネコにとっては異種動物の物質なので、数回投与すると抗体ができて効果が無くなってきます。そうなると、生体内で自然に産生されるサイトカインも抑止される可能性があります。 また、サイトカインは、もともと生体内で産生されている物質で、体内では微量で効果を発現しています。治療の場合、それより相当多量に投与しますので、一方では副作用として現れることがあります。たくさん投与したからといって、それに比例して良く効くわけではない、というのがサイトカイン療法の難しいことろです。 で、ここでよく話題にするFIPに対するIFN-ωの効果ですが、症例が少ないのもありますが、効果は???でした(あくまで、私の感想です)。どんな検査でFIPと診断したかが不明なことと、2年以上生存した著効例はすべて高齢猫(6-16歳)であったこと、を考えると、FIPではなかった(FCoV陰性)可能性もあるかな、と思ったりもしました。 サイトカインは、免疫機能を高めることを目的によく使われます。ストレス、免疫、と言う言葉は良く聞きますよね。病気の原因が良くわからず、これと言った治療法も無い時に、サイトカインなどが良く使われることがあります。 一方で、もともと生体に存在する物質ですので、効果はマイルド、長期にわたって使うケースも多いです。 獣医さんの知識が重要です! 同時に、飼い主さんも勉強しましょう! 今回は、残念ながらあまり聴講できなかったのですが、いろいろ勉強にはなりました。 ある先生方の立ち話に聞き耳を立ててみたところ、「来年は内分泌がブームだね!」、だそうです。 内分泌、そうホルモン分泌の異常で起こる病気ですね。 これらの検査や治療が、話題になりそうです。 ホルモン分泌の異常、そう、我が家のななちゃんのクッシング症候群がまさにその病気です。 そう言えば、最近の学会ではよくクッシング症候群が話題になってます。 そのななちゃん、ここ2週間くらいで一気に飲水量が増えて(通常多くても400mlくらいが、常時600ml以上になりました)、ACTH刺激試験の検査値が高く朝の薬の量を増量、1週間くらい経過しましたが、あまり効果は見られません(飲水量が減りません)。 腹も太鼓腹のように張ってきているし、毛も所々抜けたり薄くなったり、病状は確実に進行しているようです。 見ていて可愛そうですが、飼い主としては一方で覚悟も必要なのかもしれません。 いま、デッキで日向ぼっこをしています。 いつまでも元気でいてほしいです・・・。
またまた、1か月以上のご無沙汰でした。 朝晩はだいぶ涼しくなりましたね。 それでも、平年よりまだ暖かいようで、日中日差しが強い時には、汗ばむこともあります。 体調管理には気を付けましょう。 さて、少し前になりますが、今年のノーベル医学生理学賞で、樹状細胞の研究者が受賞しましたね。樹状細胞は、免疫機能を重要な役割を担っており、癌や感染症などで、その情報を「異物」として免疫細胞に伝達し、免疫機能を発揮させます。つまり、司令塔ですね。 「癌の樹状細胞療法」という治療法を聞いた事がある方も多いともいます。 患者さんの樹状細胞を分離して、患者さんの癌の情報を試験管内で樹状細胞に教え込ませ、再び患者さんの体内に送り込むことで、癌を覚えこんだ樹状細胞が免疫細胞に攻撃の指令を出し、癌をやっつける、という方法です。 今回ノーベル賞を受賞したこの研究者は、自身が膵臓癌(?)で長く闘病していて、受賞の数日前に亡くなった、ということでしたが、自身で樹状細胞療法を継続して延命していた、と言う話しも聞きました。 樹状細胞療法も、広い意味では当社で技術提供している活性化リンパ球療法などの免疫細胞療法の一つ、劇的な効果はありませんが、使い方によってはQOL改善や延命効果など、発揮できるものと思います。 既に、イヌでも実施している動物病院もあります。 さてさて、時を同じくして、再生医療で動物を再生する、と言う話題がありました。 再生医療と言うと、ES細胞やiPS細胞があります。(詳しくは調べ見てください。) なぜ、動物を再生?と思われる方もいるかと思います。 難しいことはさておいて・・・。 ES細胞やiPS細胞は、1個の細胞から同じ遺伝情報を持った臓器や個体を作ることができる、世界的に注目される技術分野です。特に、医学的に大いに貢献できる、と考えられています。 その記事の中で注目したのは、iPS細胞による再生。 ES細胞による再生の場合は、受精卵の一部を使って行うため、倫理上の問題がありました。 それに対してiPS細胞は、皮膚の様な細胞から誘導することができ、したがって全く同じ遺伝情報を持った個体(クローン)が再生できる、と言うものです。 iPS細胞を作るには、まず皮膚などの細胞(皮膚に分化した細胞)をいろいろな操作で未分化な細胞に戻します。未分化な細胞とは、これから先いろいろな細胞に分化する機能を持った細胞、という事で、受精卵をイメージして頂ければいいですね。受精卵は最初は1個の細胞ですが、これが2個、4個、8個と分化していき、それぞれの細胞が違った機能を持ち始め、臓器や骨や脳になっていきます。これらは、もともとは1個の受精卵から始まっていますから。 未分化状態の細胞(iPS細胞)に戻した後は、それぞれの細胞に様々な刺激を加えることで、臓器になったり、骨なったり、と誘導できます。これが再生ですね。 つまり、皮膚などの細胞から、iPS細胞を作ることで、自分と同じ遺伝子をもったものを作れる、と言うことです。 今の技術ですと、患者自身の臓器などを再生して移植に使おう、と言うのが大きな目的です。 自分の組織ですから、拒絶反応は起こらない、という利点があります。 さらにさらにその記事の中で、iPS細胞は基本的にはいろいろな細胞に分化でき、卵子や精子も誘導できる、ということです。 という事はつまり、単純な再生だけではなく、再生させた卵子と精子で受精することができ、一個の生体として誕生させることができる、というのです。 ここまで来たら、SFの世界のようですが、現実的にも理論的にも可能な技術なのです。 全てが自分と同じ遺伝子情報を持った人が何人も生まれてくる、可能性がある訳です。 で、これをペットに応用することは可能か?といえば、同じ哺乳動物ですから可能です。 たとえば、愛犬の皮膚細胞を採ってiPS細胞を誘導し、精子と卵子に分化させて、それ同士を受精させて・・・、全く同じイヌが生まれてきて、また子犬から育てることができる、ということです。 こんなことができたら、一生同じ愛犬と暮らせるわけ?という事が出来てしまうのです。 言い過ぎかもしれませんが、理論的にも技術的にも可能な時代になってきています。 命をそこまで操作していいのか、という倫理上の意見もあれば、飼い主にとってずっと同じ可愛いペットと一緒に暮らせる、この上ない幸せを享受できる、これも真理ですよね。 私も可愛いナナちゃんと暮らしていて、病気もあって年齢的なことを考えると、再生・・・、などと想像しまう事もあります。 一方で、生死は自然の摂理、逆らわずに生きることも大事かと・・・。 難しい問題ですね。 既に人類は、命を操作する技術を手に入れてしまった、というのは現実のようです。 皆さん、どう思いますか? 我が家のナナちゃん、クッシングの病状がやや進行してきたようで気になっています。 薬も大分増量したし、この先どう治療するか、検査も含めて考えて行かなくては、と思います。 でも、食欲は旺盛ですよ。 「食欲の秋」はペットも一緒、でしょうか・・・。
大型の台風が過ぎたと思ったら、一気に秋らしい陽気に変わってしまいましたね。 皆さん、台風の被害はなかったですか? 私は、ちょうど獣医学会で大阪に居て、帰りに直撃をくらい、一日延泊でした。 それにしても、今年は大震災に始まって、猛暑、大型台風、大雨、水害、等々、「大」や「猛」が付く自然災害が多かった年でした。まだ、今年は残り3か月以上ありますが、この後は何事もなく無事に経過してほしいものです。 さてさて、ここのところ全く学術的な情報を発信できていませんでしたが、今回久しぶりに学会に参加してきましたので、その中から情報をお送りします。 今回は、FIPに関する情報です。 少しずつですが、確実に進んでいますので、その内容をお知らせします。 1)コロナウィルスとFIPウィルスについて これは、研究者の中でも長年のテーマであり、鋭意研究されていますが、一言でいうと未だFIPウィルスは特定されていません。論文もいくつか出ていますが、研究している先生と話しても、未だ難しい、とのことです。苦労されているようです。でも、検査や治療につなげるには、ここが一番肝心なところなのですが・・・。 2)FIPの検査について これは、研究している先生との話で。FIPウィルスが特定されてない以上、血液中や胸水・腹水中にいるコロナウィルスを検出することは、現時点でベストであり、FIPを診断するうえで重要。「コロナウィルスの抗体価を測定することはあまり意味が無い」ということが、臨床獣医の間でも少しずつ(やっと)浸透してきた、という事です。「FIPは(変異した)コロナウィルスの感染が起因で発症する」という所謂ウィルス感染症ですので、通常いない血中などでコロナウィルスの存在の有無を調べることは必須、という見解でした。でも、早くFIPウィルスが同定されることを望みます・・・。 3)FIPの治療について 結局、FIPウィルスが同定されていない以上、効果的なワクチンが開発されない、という現状があります。根本的な治療法が開発されてこない、大きな理由ですね。 その中で、以下2つの報告がありました。 日獣大・田中先生のグループ。以前、サイクロスポリンAという薬剤がFIPの症状緩和に効果的である、という報告があったという事は、この場でお話ししたと思います。今回も、その研究の延長で、効果とその機序についての報告でした。機序の話は難しいので割愛しますが、効果は、一時的には症状を緩和し、症例によっては腹水が著しく減少したり、食事ができるようになったり、まで回復したこともあったようですが、最終的には全例亡くなってしまったそうです。根治まで持っていくには、プラス何か治療法を加えないと難しいです、とのコメントでした。 北里大・宝達先生のグループ。FIPウィルス(?)がマクロファージに感染すると、TNF-αという物質が産生されることがわかっています。TNF-αが多く産生されることで、発熱や炎症を起こします。今回は試験管内の実験として、FIPウィルス(?)をマクロファージに感染させることで産生されるTNF-αを、TNF-αに対する抗体(抗TNF-α抗体)でブロックできるか、という試験報告でした。結果、抗体の種類によって、マクロファージから産生されるTNF-αをブロック(中和活性、と言います)できることを確認しました。現在、実際にFIPを発症した猫に投与して効果を確認する試験を計画中、とのことでした。ただし、これも発熱や炎症を起こす原因であるTNF-αの作用を抑えることであり、FIPを根本的に治療するまでには至らない、という感じです。 この二つの報告とも、試験結果からFIPの重篤な症状を緩和する効果は予想できますので、猫の苦痛を和らげる効果は一時的には期待できるかもしれません(QOL改善)。 いずれにしても、少しずつ研究は進んでいますので、今後の進展待ち、といったところです。 読んで頂いた皆さんには、「なんだ、この程度か」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、相手は正体不明なウィルス疾患、逆に着実に進んでいます、と申し上げておきます。 次回は、また違った情報をお届けします。 さて、我が家のナナちゃん、何とか猛暑を乗り越えました。 正直、この夏乗り越えられるかな、と思ったこともありましたが、涼しくなったと同時に元気を取り戻してきました。 病気の動物たちには、猛暑は堪えますね。 かく言う私、「夏は大好き!」と言うものの、この夏の暑さは堪えました。 これから夏の疲れがどっと出てくるのでしょうね。 過ごしやすい季節となってきましたが、季節の変わり目、皆さん体調管理には十分気を付けてくださいね。 こればかりは自己管理ですので・・・。
約2か月のご無沙汰です。 生来の筆不精に加え、何かと忙しく・・・、やっとなんとなく落ち着いたかな、という感じです。 しかし、毎日暑いですね!酷暑です! 外を歩いているだけで、クラクラします。 そうそう、残暑お見舞い申し上げます、でしたね。 立秋とは名ばかり、この暑さは何時まで続くのでしょうか。 さて、東日本大震災から5か月、被災地では復興もまだまだ追いつかない状況の中、我々の方ではむしろ原発事故や放射線汚染のニュースが幅を利かせています。 我が家では、毎年夏になると、三陸の夏牡蠣を仙台の店から送ることにしていました。 でも、この震災で牡蠣は壊滅状態、夏牡蠣のみならず、冬の牡蠣も今年は無理でしょう。 では、私の実家の福島から夏の果物の代表である桃を送ろうと思って実家に聞いたら、「送るのはできるが、送ってもらった人がどう思うかな。かえって迷惑になるんじゃないの?」と言われました。 これまで気にはしていましたが、我々が思っている以上に現地は深刻なようです。 でも、福島の桃は美味しいですから、我が家分は送ってもらいました。 一昨日届きましたが、箱の中には次に様なメッセージが入っていました。 「・・・・、東日本大震災と原発事故により福島の農業は困難に直面し、厳しい状況が続いておりますが、農家が一丸となって困難に立ち向かい、今年も美味しい果物を全国にお届けするよう懸命の努力を続けております。 このような中、送り主様が福島の果物を贈答品として選び購入して頂きました。 安心、安全な農産物を皆様にお届けするため、精一杯の努力を続けております。福島の農家が丹精込めて栽培した農作物をご賞味いただき、福島を正しくご理解いただいて、機会がございましたら福島県産品をご購入いただくことで、福島に復興・再生の勇気をいただけれた幸いと存じます。・・・・。福島県では、出荷前から放射性物質の緊急時モニタリング検査を、定期的に継続して行っており、暫定規制値を下回っておりことを確認しております。・・・」 読んでいると、何とも言えない悲しい気持ちになってきました。 桃は、例年以上に甘く、大変おいしい出来栄えです。 これが、こんなメッセージを添えないと出荷できないとは、それより出荷しても売れないかもしれません。 京都でも、大文字の送り火にに岩手から取り寄せた薪が、放射性物質汚染の不安の声が上がって、薪の使用を取りやめ。良く聞いてみると、この薪は事前の検査で基準値以下立ったことを確認していたとのこと。 牛肉も売れない、野菜もだめ、いま東日本の農業は壊滅的状況です。 野菜や果物などの農産物は、作っても売れない状況で、検査で基準値以下でも、被災地の生産というだけで、売れない状況です。 一方、消費者側からすれば、放射線汚染は目に見えないので、どう気を付けたらいいか分からないのが厄介です。また、内部被爆(体内にたまって被爆してしまう)の問題もあります。 結局、国の設定している「問題ない」という基準値が曖昧で、本当に信用していいか、疑わしいのもあります。こうなると、何を信用していいか分からなくなってきます。 今、被災地の復興を妨げているのは原発事故による放射能汚染の問題です。 でも皆さん、いろいろな噂が飛び交っていますが、風評に惑わされず、冷静になって被災地を応援していただけたら、と思います。 この先、復興に何年かかるかはかりしれませんが、必ず復興すると信じています。 機会があれば、ぜひ被災地産のの産物を賞味してみてください。 特に旬の果物、大変美味しいです。 我が家のナナちゃん、この酷暑でやられています。 食事時以外は、ほとんど伸びきっています。見ていて可愛そうなくらいです。 ナナも、ビールと同じくらい桃は大好きですよ。 9月に入ると、秋の学会シーズンが始まります。 また、新しい情報を皆さんにお届けしたいと思います。 皆さん、無事にこの夏を乗り切ってくださいね。 可愛いペットたちも一緒に・・・。
毎日蒸し暑いですね。 梅雨だから、とは言うものの、耐え難いものがあります。 でも、エアコンのスイッチを押そうか押すまいか、一瞬考えてしまいます。 もう少し我慢できるかな???と思いながらも、スイッチを押してしまう自分が居ます。 沖縄は例年にない早い梅雨開け、西日本では大雨、なんかおかしいですね。 一昨日、名古屋でセミナーを開催しました。 鹿児島大学の桃井先生に講師をお願いし、検査の使い方について講演していただきました。 なるほど、と思う話がたくさんありました。 ・・・ので、次回以降で紹介します。 今日はまたまたテレビから。 夜9時からの「ブタがいた教室」という映画をご覧になりましたか? 小学生がブタを飼う事になり、卒業と同時に大きくなったブタをどうするか、彼らが悩んだ末出した結論は・・・。食肉でした。 命の尊さを、子供たちに問いかける、なかなか良い映画でした。 この映画を観ながら、ふとあることを思い出しました。 給食の前に、全員で「いた~だき~ます!」という挨拶は、皆さん経験がありますよね。 こんな話がありました。 在る小学校で、給食の前に全員で「いただきます」と合唱した時に、言わない生徒が居たそうです。先生は、ちゃんと言いなさい、と諭したそうですが、その子が家に帰って親にその事を話したそうです。 翌日、両親が学校に来て、先生に対して言った言葉、「ちゃんと給食費を払っているんだから、給食を食べさせてもらうのは当たり前。なぜ、いただきます、なんていわなくちゃいけないのか」だそうです。 この話題は、車の運転中にラジオで聞いていました。 実は、食事を食べる前に「いただきます」と言うのは当たり前のことだと思っていて、よく考えるとその意味など考えた事が無かった、と思いました。 パーソナリティは永禄輔さん、ご存じない方も多いでしょうか? 永さんは言いました。『お金を払おうと払うまいと、食事を作ってくれた方に感謝の気持ちを持つことは当たり前のこと。でも、「いただきます」はそれよりももっと深い意味がある。肉も野菜も、人間と同じ様にもともとは命があって生きていたもの。それを、人間が生きる為に彼らを犠牲にしている。つまり、人間は彼らの命をいただいている。「いただきます」とは、命をくれた彼らに対する感謝の言葉だ。」と。 よく事故を起こさす走っていたなと思うくらい、聞き入ってしまいました。 今日の映画は、まさにその事を子供たちに教えようとしていた、と感じました。 翻って、いま私がしている仕事、これはイヌやネコなど身近な動物たちの命を助けようとする仕事です。役に立つ検査をして、獣医さんたちはいい治療をして、少しでも元気で長生きしてもらおうと、日々頑張っています。 飼い主さんたちも、病気にならないよう、毎日注意を払ってかわいがっている事でしょう。 でも一方で、ウシやブタのように、同じ動物でありながら、われわれの生きる糧として犠牲になる命もあること、たぶん意識している方は少ないのではないか、と思います。 考えてみれば、私もそうですね。 イヌやネコを小動物というのに対して、ウシやブタなどを大動物または産業動物、と言います。大動物にも、専門の獣医さんは居ます。病気が出ないように、日々頑張っています。大動物の場合は、むしろ病気が出ないように「予防」する事が大きな仕事です。 安全な食肉を、私たちの食卓に届けてくれる、その第一線で活躍してくれる獣医さんたちです。 「いただきます」 この言葉、無意識で毎日つかっている言葉ですが、もう一度その意味を考えて、心から言いたいですね。 われわれのために命を犠牲にしてくれる生き物に感謝、食の安全のために頑張ってくれている獣医さんや飼育関係者の努力に感謝、そして美味しい料理を作ってくれる方々に感謝、です。 「いた~だき~ます!(合掌)」 ナナちゃん、足元に居ましたが、いつの間にやら居なくなりました。 自分の寝床で、既に熟睡です。 動物たちにも、耐え難い暑い季節が来るんですね。 では、また。 |一覧| |
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