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ケーナインラボの日記

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2012.05.05 楽天プロフィール Add to Google XML

トキの子育て、ライブ映像です!
[ その他 ]    

GW後半、皆さん良い休みを過ごしていますか?
今日は、東京は最高の天気です。
ただ、遠出して今日帰宅される皆さんは、十分に気をつけてくださいね。

さて、いつもの話題とはガラッと変わって。

佐渡のトキ、野生で初めて雛が孵った、というニュースは聞いたかと思います。
何と、環境省のサイトで、子育て中のときの様子を定点カメラのライブ映像で流しています。
私も今朝からPCで流しっぱなしにしていますが、親がえさをやる様子がとてもよく分かります。ライブですから、グッドタイミングではないと見れませんが・・・。

本当に愛らしいですね。
無事に育って、大空を羽ばたいてくれることを願っています。

見ていて飽きません。
こんな映像を見ながらのんびり過ごすのも、良いのではないでしょうか。
ぜひ覗いてみてください。

http://www.ustream.tv/channel/toki002

悲しいかな、かく言う私は仕事中ですが・・・。

では皆さん、GW後半も最後、いい休みをお過ごしください。

Last updated  2012.05.05 14:19:49
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2012.05.01

ネココロナ遺伝子検査について(飼い主様からの質問)
[ FIP ]    

早いもので、もう5月に入ってしまいました。
GWも後半に入ろうかというところ、皆さんは良い休みを過ごされていますか?
さて、いつものごとく一月半ぶりの書き込みとなりましたが、いろいろあってサボっていたわけではありませんので・・・(言い訳です)。
なにやら、日記の書き込みのサイトにログインできなくなり、いろいろやってもダメで、半ば諦めていました。最近、外でネットをいじる事が多くなりWi-Fiにしたとこ繋がりました!
まったく原因は分かりませんが、結局はプロバイダーか接続の問題だったのでしょうか(分かる方、教えてください)。

さて、前回に引き続き、ネココロナウィルス遺伝子検査いついてお話したいと思います。
とは言っても、私からの話ではなく、あるネコの飼い主様から遺伝子検査に関する質問をいただきましたので、質問と私の回答を紹介します。
読んで頂いている皆さんには、同じ疑問をもたれている飼い主様もたくさんいらっしゃると思いますので、ぜひ参考にして頂ければ、と思います。
なお、文面は抜粋とし、個人情報に関わる箇所は、伏字とさせて頂きます。
では、ご紹介します。

質問のメールです。
「はじめてメールさせていただきます。猫を飼っている一般の者です。
リアルタイムPCRによるネココロナウィルス遺伝子検査について教えていただきたいことがございまして、メールをお送りさせていただきます。

飼い猫がFIPの診断を受けました。その後、さまざまな闘病ブログなどを拝見しておりますと、現在、日本では、貴社とA動物病院様だけが、この検査を実施できる機関とのことでしたが、検査の方法(検出するコロナウイルス遺伝子)は同様と考えてよろしいのでしょうか。

FIP発症の原因となる猫の体内での変異後の遺伝子は特定されていないとのことでしたが、
変異前のコロナウイルス遺伝子については特定されていて、貴社もA動物病院様も同一の検索を行っているというふうに理解してよろしいのでしょうか。

ぶしつけな質問になり、申し訳ございません。
お差し支えのない範囲で結構ですので、ご教示いただけますと幸いです。」
という内容です。
愛猫がFIPと診断されたとの事、飼い主としては今後どのようにして良いか、悩むところだと思います。一点、どのような検査でFIPと診断されたのか、知りたいところですが・・・。

私からは、下記のように回答しました。
「飼い主様へ。
リアルタイムPCR法についてはご存知とお見受けいたしますので、方法については省略させていただきます。

PCR法では、特定の遺伝子を検出するためのプライマーやプローブを設計します。
どの遺伝子を検出するかによって、プライマーなどの配列も違ってきますし、その違いで、同じようにネココロナウィルスを検出できるかどうかは違ってきます。
このあたりは検出のノウハウになってきますので、公開されていない場合も多々あります。
ネココロナウィルス遺伝子の検出は、確かにA動物病院でも実施されていますが、上記の理由で弊社とA動物病院とで、まったく同じようにネココロナウィルスを検出しているかどうかはわかりません。ただし、基本的な検査の方法は同じだと思います。

FIP発症の原因は、確かに腸コロナウィルスが何かの原因で変異して血中に入りことによる、といわれています。変異ウィルスの報告は現在までいくつかありますが、学術的に確定はされていません。一方、健常のネコの場合、腸コロナウィルスが血液中に存在することはない、といわれています。この理論を元に、弊社では、FIPの検査に血液中(または胸水、腹水中)のコロナウィルスを検出します。

ご質問にある「変異前のコロナウィルス遺伝子は特定されていて・・・」については、「腸コロナウィルス遺伝子は特定されています」という回答になります。
また、A動物病院様では、先の理由で、弊社と同一かどうかは分かりかねます。
このあたりは、A動物病院様に直接お問い合わせいただいたほうが良いかと思います。

FIPは、仰るように「変異したネココロナウィルス感染が発症の原因」といわれています。
つまり、ウィルス感染症ですから、原因となるウィルスを特定することが診断の重要な点です。
FIPを疑う症状があって、血液中(または胸水、腹水中)からネココロナウィルスが検出されれば、FIPと確定して良いと考えています。
一方、FIPを疑う症状があっても、コロナウィルスが検出されない場合があります。
この場合は、FIPを完全に否定はできませんが(検査には検出限界があり、感度以下の場合は検出されません。どの検査でも同様です)、他の疾患を疑って検査や治療を進めるべきかと考えます。

参考まで、弊社の研究データをご紹介いたしますので、ご参照ください。
1)FIPを疑う症状があってコロナウィルス遺伝子検査をした症例を「陽性」と「陰性」にわけ、1年後の予後調査を実施した結果です。
結論から言うと、ウィルス陽性例は、1年後全て亡くなっていますいます。一方、陰性例では、1年後約半数が死亡していますが、死因はさまざまです。
この結果を見ても、FIPの診断にコロナウィルス検出は有用だと思います。
http://www.canine-lab.jp/nwes/news1.pdf
http://www.canine-lab.jp/nwes/news2.pdf

2)2005年に発表された論文を、分かりやすくまとめたものです。
簡単に言うと、術後FIPと確定した症例とFIP以外の症例でコロナウィルス遺伝子検査を実施したところ、前者では93%が陽性、後者では全く検出されなかった、ということです。
この結果から、この研究者たちも、「偽陽性の確率が非常に低いことから、RT-PCR法はFIP診断には有用な方法であると思われる。」と言っています。
http://www.canine-lab.jp/pdf/cat-hyouka.pdf

愛猫さんの回復をお祈りいたします。」

FIP診断におけるネココロナウィルス遺伝子検査の有用性は、少しずつ認知されてきているように思いますが、一方で「腸コロナウィルスが変異した」とされるFIP発症の起因となるウィルスが未だ特定されていない現状では、なかなかここ検査を理解して頂くのも難しいところもあるかと思います。

ただ、飼い主様の率直な疑問点ですので、たぶんネコを飼っている皆さんの中にも、同じような疑問を持たれている方々も多いのではないでしょうか。

本検査検査を実施してみたい飼い主様は、掛かりつけの先生にご相談下さい。

参考になれば幸いです。

我が家のななちゃん、クッシングは思った以上に進行し、薬も利きにくくなってきています。飲水量が何と毎日2000mlを超えて、そのため排尿量も異常に多くなってきました。これまで一日2回だった散歩を3回に増やしました。我慢の末、膀胱炎や腎疾患に繋がるのを避けたいと思ったためです。それよりも、オシッコを我慢するのはわれわれでも辛いですからね。
腹もパンパンに張ってきて、上から見るとちょうど洋ナシのような体型です。
可愛そうですが、どうしてあげることも出来ない、飼い主としては辛いですね。

では、皆さん良いGW後半をお過ごしください。

Last updated  2012.05.01 15:37:38
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2012.02.26

ネコ伝染性腹膜炎(FIP)はウィルス感染症!
[ FIP ]    

何となく少しずつ暖かくなってきているように感じます。
皆さん、少しずつ春の虫が疼きだしているんじゃないでしょうか?
そうなると、今度は花粉、厄介です。
今年はトータルの飛散量は少ないと言われますが、短期間で一気に飛ぶらしく、花粉症の人には辛いかもしれません。

ところで、久しぶりにFIPについて書きます。

FIP診断のためのコロナウィルス遺伝子検査も、少しずつ認知されてきています。
リピートしてくださる先生方が増えてきています。

実は、先日一般の飼い主様から、以下の様な問い合わせを頂きました。
「購入したばかりの5か月の子猫、軽い下痢があったので獣医さんで検査してもらったら、検査値が1600倍と言われた。私も忙しくて、数字だけを聞いて帰ってきたが、いろいろ調べると、400倍から陽性だとか、検査会社によって値が違うから、というよな情報があった。1600倍とは、FIPなのでしょうか?」

まずこの飼主さん、検査について詳しく説明を受けていないようでした。
「1600倍」と言う値、これはコロナウィルス抗体検査の数値ですね。
まず、抗体検査について説明しましたが、「抗体」を理解できていないようでした。

さらに、ネコやFIPのブログを見ると「PCR検査」と言う検査が出てくるが・・・、ということでしたので、根本的に抗体検査とは違う事、これを当社で実施していること、主治医を通して依頼した欲しいこと、を説明しました。

でも、やはり主治医がもっとよく説明すべきです。
何やら数値だけが独り歩きして、FIPの恐怖感だけが膨らんできてしまうようなことは避けなければなりません。
多分理解して頂けたと思いますが・・・。

一方、獣医さんからも、抗体検査との違い、抗体価が高いが遺伝子検査をやるべきか、どんな時に調べたらいいか、陽性だったらFIPと確定していいのか、等々、未だに多くの質問を頂きます。

そんな時には、こう答えます。
まず、FIPとコロナウィルスの関係。腸コロナウィルスは、ネコの60-80%に感染しているといわれています。ただ、症状は軽い下痢や一過性の発熱などで終わることが多いといわれています。このウィルスが、何んらかの原因で変異して血中に移行し、マクロファージと言う細胞で爆発的に増えてFIPという症状を起こす、と言われています。
つまり、FIP(臨床症状の名称)は変異したコロナウィルスが起因で起こるウィルス感染症で、という事が言えます。健常な状態では、この腸コロナウィルスは血液中には存在しないと言われています。残念ながら、「FIPウィルス」が現時点で特定されていませんので、この理論に基づいて血液中のコロナウィルスを検査しています。

抗体検査との違い、です。抗体は、感染したウィルスに対して免疫の防御反応で作られるタンパクです。したがって、単純には「抗体は感染の履歴」を表しており、腸コロナウィルス感染でも抗体は産生されます。抗体を測定しても、現在血液中にコロナウィルスが居るかどうかはわかりません。遺伝子検査は、いわゆるウィルス抗原を直接検出する検査ですので、現時点で血液や腹水・胸水等の検体中にウィルスが居るか否かがわかります。

つまり、抗体価が高いからと言って、現時点でウィルスが存在するかどうかは不明です。実際、私どもの研究では、抗体価とPCR検査によるウィルスの値は全く相関しない、というデータが出ています。

一方、経験の豊富な先生の中には、FIPを臨床症状で診断する先生もいます。
ただ、FIPと言うのは臨床症状の名称ですので、同じような症状を示す病気はたくさんあります。
例えば、風邪の症状があった時に、通常言われる「風邪症候群」なのか「インフルエンザ感染症」なのか、どう区別しますか?そう、インフルエンザウィルス検査をして陽性なら「インフルエンザ感染症」、陰性なら「風邪ですね。」と言われますよね。
考え方は同じ。FIPを疑う臨床症状を「FIP」と確定するには、原因となるコロナウィルスが感染しているか否かをはっきりさせれば良い、という事です。
つまり、FIPを疑う臨床症状があった時、FIPと確定したい場合にPCR検査を利用して頂ければよいと思います。

では、臨床症状が無くても血液中のコロナウィルスが陽性ならFIPと診断していいか、と言う点です。
難しいですが、「FIPを疑う臨床症状がある場合、血液(または腹水・胸水)中からコロナウィルスが検出されれば、確定」しても良いと思います。一方、症状が無くウィルスが検出された場合、病気としてはFIPは発症していませんが、原因ウィルスであるコロナウィルスが血液中から検出されたという事はウィルス感染は成立している訳ですので、この後FIP発症のリスクは高い、という事になります。
ただ、これまで「同居猫がFIPで亡くなった」「多頭飼育なので健康診断で」と言うケースで、まれに少数のウィルスが検出される場合があります。
これらの例では、以降無症状で定期的に検査をして陰転を確認した例、一方数週間でFIPの症状が出て、ウィルス量も一気に高くなり、亡くなった例、とあります。
したがって、無症状で血液中からウィルスが検出された場合はFIP発症のリスクは高い、と考えて、以降定期的に検査をする、また予防策としての治療を早めに開始する、など対策をとるべきと考えます。
根本的な治療方法が無いのが残念ですが、早めに確定することで対症療法で何とか進行を遅らせることもできるのではないでしょうか。

リピートして検査をご依頼いただく先生や病院も増えてきていますが、その中には抗体検査は実施せずPCR検査で、と言う先生も増えてきています。

「遺伝子検査」と言うと、とかく難しく考える方々もまだまだ多くいらっしゃいますが(かく言う私も、苦手です)、単純にウィルスを高感度で検出できる検査、FIPを確定するために有用な検査、とお考え頂ければよいのではないでしょうか。

最後に、もう一度言います。
「FIPは変異したネココロナウィルス感染が原因となるウィルス感染症です!」
つまり、FIPを疑う場合には、ウィルス感染の有無を確定することが重要です!

我が家のナナちゃん、薬を増量しましたが、飲水量が一向に落ちません。
最近、体力もだいぶ落ちてきたように思います。
これ以上薬を増やして良いものかどうか、主治医と相談です・・・。



Last updated  2012.02.26 17:43:31
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2012.02.19

ネコの活性化自己リンパ球療法
[ 免疫療法 ]    

またまた日にちが空いてしまいました。
いつものことと笑ってお許しください。

もう2月も後半、いっこうに暖かくなりませんね。
寒がりの私にとっては、なかなか穴から抜け出せない毎日です。
でも、暖かくなってくると今度は花粉、考えただけで憂鬱です。

さて、今横浜で「獣医内科学アカデミー」という学術集会が開催されています。

横道にそれますが、昨年の開催初日は3月11日、そうあの東日本大震災の日でした。
当日、私は川崎駅で被災し、幸運にも宿をとっていたので宿泊できましたが、あの日のことは鮮明に甦ってきます。
あれから一年、被災地では未だ復興には程遠い状態にあるところもあります。
我々も、絶対に風化させてはいけない出来事ですね。

話しを元に戻します。
今回、私どもと一緒に仕事をしている動物病院の先生が、「ネコの活性化リンパ球療法」について、症例報告を行いました。

現在、リンパ球を効率的に活性化するには抗体とサイトカインの組み合わせて培養しますが、ネコについては、良い「抗体」が存在しないので、未だ研究の途上です。
今回の発表は、もう一方の「サイトカイン」だけで活性化したリンパ球を治療に使ったものです。

2症例の発表で、ネコは18歳と20歳、ともに高齢で腫瘍の治療を一通り実施しています。
サイトカインだけでの培養では、抗体を組み合わせた時に比べて細胞の増えがあまり良くなく、さらに高齢であることや腫瘍患者であることで、実際に活性化リンパ球の増えは悪かったようです。
それでも、2症例とも3から4回の活性化リンパ球投与を実施、腫瘍を小さくする効果は認められませんでしたが、少なくともQOL(生活の質)は良好に保たれたようです。
今後の課題は、第一にはネコの「抗体」を何とか作って、イヌと同じレベルで活性化リンパ球療法を提供すること、です。

この先生に伺うと、活性化リンパ球療法を希望される飼主さんは割と多く、ネコについても相談を受けることが多いそうです。
この療法は、QOL改善効果は報告されており、かつ副作用もないことから、手術、抗がん剤、放射線療法との組み合わせでの効果が期待されている一方で、末期患者のQOL改善効果も期待されています。
飼主さんにとっては、最後まで元気で過ごしてほしい、これが最大の願いだと思います。(私も一飼主としてそう願っています)

インターネットで調べると、ペットの活性化リンパ球療法を実施している動物病院は沢山あります。
その中で、どこの病院を選んだらいいか、難しいですね。
私の考えですが・・・、
1)この療法のことを詳しく、かつ分かりやすく説明してくれること。「免疫」というのは、我々にとっても難しい学問ですが、それを分かりやすく平易に説明してくれる、という事は、先生ご自身が十分に理解しているという事です。良い事だけではなく、治療の限界等々もきちんと説明してくれるかどうか、大事です。
2)この療法のポイントは、投与するリンパ球の細胞数です。病気の進行度や体調、実施中の治療、等によって、活性化リンパ球の増え具合は大きく異なりますが、少なくとも、投与するときに具体的に細胞数を説明してくれるかどうか、重要です。話してくれないなら、飼い主さんの方から必ず聞いてみてください。
3)飼い主さんとして気になるのは、治療費ですね。これは、今まで何回か話していますが、活性化リンパ球を培養するための抗体やサイトカイン、検査等の手間を考えた時には、原価は決して安くはありません。これが治療の費用に跳ね返ります。1投与で数万円はかかると思います。(抗がん剤なども、案外高いですよ)

免疫療法は、「体の免疫機能を高める」と言う効果を考えると、癌を治療する他にも、QOLを改善する効果は大いに期待できます。
ご興味のある飼主さんは、実施している動物病院に、一度相談してみてください。
丁寧に説明してくれるはずです。

我が家のナナちゃん、またまた薬の量が増えました。
薬の効く期間がだんだん短くなっています。
我々飼い主にできることは何か、時々考えてしまいます・・・。

昨日、テレビで「盲導犬協会の老犬ホーム」の紹介をみました。
我々人間に役に立ってくれた動物たちには、最後まで面倒を見てあげる義務が我々にはあるのでしょう。
つくづく考えさせられました。


Last updated  2012.02.19 12:29:08
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2012.01.03

新年の抱負
[ その他 ]    

新年おめでとうございます。
皆さん、良い新年をお迎えになったことと思います。

私は今日から仕事始めです。年末年始の休みなんて、あっという間ですね。
元日は地元の神社へ初詣、2日は商売繁盛、厄除けの神田明神へ初詣(二回目ですが、初詣と言って良いのでしょうか?)、去年のお札を納めて新しいものを買い、神社近くの蕎麦屋で新そばとお神酒でささやかな食事、帰りに福納豆を買いました。これが、我が家のここ数年の恒例です。

東京は概ね晴天で、穏やかな一年のスタートです。
昨年のような未曽有の災害などなく、すべてが復興することを願わずには居られません。
地震予測によると、近々関東から東南海にかけて大地震が襲う、とのこと。
いつぞやの、何とかの大予言、ではありませんが、こんな嫌な予想は外れてほしいですね。
でも、備えあれば憂いなし、です。

今年の抱負。
まず、毎年言っていますが、ブログをもう少し頻繁に更新します。今年こそ・・・。
ご意見・ご批判等ありましたら、ぜひお聞かせください。

仕事では、集積されてきた検査データを一度整理して、皆さんに提供したいと思います。
特に、ご利用の多い造血器系腫瘍のクローナリティ解析やFIPのネココロナ遺伝子検査、等々、少しずつまとめて公開していきます。
さらに、細胞免疫療法では、もっと認知度を上げて、提携病院を増やしたいと思います。
これも、各大学等々と共同研究にて、症例データを積み上げています。

個人的には・・・。
時間がある時には、身体を動かしたいのと本を読みたい、です。
身体と心の健康維持、ですね。

あとは、ななちゃん、元気にこの一年も過ごしてほしいです。
毎日のケア、注意深く続けていきます。

こんな感じで、平々凡々な豊富ですが、健康第一、良い年になることを期待しています。

皆さんも、そして可愛いペットたちにとっても良い一年でありますよう、お祈りいたします。

本年も、よろしくお願い申し上げます。

まずは、新年のご挨拶まで。




Last updated  2012.01.03 15:32:02
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2011.12.25

私の今年の重大ニュース
[ その他 ]    

一年なんて長いようで短いですね。
あっという間に仕事納めです。
今年は本当にいろいろあった年でした。
年末の報道番組は、今年はじっくり見たいと思っています。

ブログの方も、いつもよりサボり気味、皆さんにあまり役立ちそうもない内容ばかりでした。申し訳ございませんでした。
来年は、・・・頑張ります!

少し早いですが、私の今年の重大ニュース、を考えてみました。

何といっても「東日本大震災」、忘れることができない未曽有の大災害でした。放射線被害も含めて、未だ復興の目途すら立っていないところもあるようです。獣医の先生方も、震災後早々とボランティアチームを作って、現地の動物の救護にあたったり、あまり表には出ませんが、大活躍でした。何にかの形で支援していきたいと思っています。実は、私の実家が福島で、ホットスポットのど真ん中に家があります。この先、どうしたら良いのか見えない現状に、住民も疲れている、と言うのが現状ではないです。

一方で、被害にたいする政府の対応、見ていて腹立たしいものがありました。
現場の状況を全く把握できていない政府や東電幹部、さらに正確な情報が住民へ全く上がってこない、これによる不安の拡大。何を信用していいか、全くわかなくなりました。

でも、被災地の方々は、住民皆さんで手を取り合い、助け合いながら、当面の危機を乗り切りました。毎日流されるニュース映像を見て、何もできないもどかしさからため息をつき、被災者の頑張りに涙し、と言う自分が居ました。

兎に角、早い復興願います。

我が社では、夏から新しい検査を開始しました。
皮膚疾患関連の、我が社にとっては新しい分野への挑戦です。
「皮膚糸状菌遺伝子検査」「ニキビダニ(毛包虫)遺伝子検査」そして「ブドウ球菌同定検査、ブドウ球菌のメチシリン耐性(mecA)遺伝子検査、薬剤感受性試験」の3つの検査です。
皮膚の病気は、一見すると似たような症状で、その原因を正確につかむことで最適な治療ができます。また、抗菌剤や抗生剤も原因菌によって効果が違ってきます。さらに、抗生剤に対する耐性菌も存在し、これは耐性遺伝子(mecA)を検査することで確認できます。

いま、ヒトの医療現場では、「コンパニオン診断薬」という概念が確立しつつあります。
「コンパニオン」とは、仲間、連携、を意味します。
つまり、医薬品の有効性と副作をあらかじめ検査し、患者さんにとって最適な治療薬を選択すること、その検査・診断を言います。

我が社で実施している、肥満細胞腫のc-kit遺伝子検査、これはイマチニブの有効性をあらかじめ判定します。MDR1遺伝子検査、これは駆虫薬であるイベルメクチンなどの副作用を予測します。そして、ブドウ球菌の薬剤耐性遺伝子mecA遺伝子検査、最適な抗生剤の選択に役立ちます。
あらかじめ、薬剤の有効性や副作用を予測することで、無駄な治療を回避でき、ひいては治療費の軽減にも繋がります。

獣医療も、今や経験だけではなく、科学的データをもとに診断治療する時代になってきているといえますね。
来年は、この分野がもっと進むと思います。

で、私事で恐縮ですが、子供二人が無事独立、私の手を離れました。
一人は中学校の先生(2年間臨時教員で、やっと正式採用)で一人は看護師、一人前に教育論やら医学の話など、青臭いなりに熱い話をしています。この先、世間に染まることがあっても、少しは青臭い情熱を忘れないで欲しいです。

さて、最後に我が家のナナちゃん、クッシング症候群はゆっくり、でも確実に進行しています。特に、この秋以降薬を増量しても一向に飲水量が減らず、腹がぷっくり垂れてきて、脱毛も進行してきています。
年明けには、再度薬の増量を主治医に相談してみようと思っています。
何とか、来年も元気で過ごしてほしいです。

とまあ、こんな1年間でした。

年末年始と家族が集まってゆっくりする時間が多いと思います。
私も然りですが、テレビを見てお節と餅を鱈腹食べて、という毎日でしょうが、今年の家族の重大ニュウースを話しのネタにして、会話を増やすのも良いのではないでしょうか。


さて、最近、大変興味深いブログを見つけました。
癌治療と免疫療法に関する、ある臨床医の考えを綴っているものです。
特に癌治療の場合、「エビデンス」や「根拠」をいった難しい言葉が飛び交いますが、必ずしもそれに当てはまらない病状や治療法も存在します。
これを読んでいて思うのは、獣医療の場合もよくあてはまるのではないか、と。

人医療は患者は本人ですが、獣医療の場合は、患者はものを言いませんので、獣医師と飼い主がよく話し合い、獣医師は患者に最適な治療法を提示し、飼い主は患者の代わりによく話を聞いて治療法を選択する、と言う具合に、異なります。
また、飼い主の多くは、不治の病になった場合は、可愛いペットが最後まで元気で過ごせる治療を選択すると思います。
いわゆる、QOL改善の効果ですね。
患者は一頭ずつ皆違いますから、癌に対する治療ではなく、癌を持った患者に対する治療、これを目指してほしいです。

このブログは、癌治療現場において、エビデンスやセカンドオピニオンの考え方にも言及しています。
大変興味深いブログです。年末年始、時間があればぜひ読んでみてください。
http://umezawa.blog44.fc2.com/
(掲載については、著者の梅沢先生のご許可を頂いております)

そうこうしている内に、ぼちぼち仕事納めの時間が近づいてきました。

皆さんも良い正月をお迎えください。

来年も、ぜひお立ち寄りください。
来年は、もっと書き込みますので・・・。

良いお年を!!!!


Last updated  2011.12.28 15:51:33
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2011.11.23

サイトカイン療法って・・・
[ 学会 研究会 ]    

本当に寒くなりましたね。
今月もあと一週間で終わり、もうすぐ師走です。
「師も走るくらい忙しい月」という意味だそうです。(合ってますか?)
そうこうしている内に来年、何か一年がだんだん早くなっていくような気がします。歳のせい?そう言わないでください。

さて、先週末、大阪で動物臨床医学会なる学会が開催され、一部参加してきました。
情報収集、と行きたかったのですが、今回はあまり時間が無く、その中で興味のある講演を聞いて来ました。

その中の一つ、「一般臨床家におけるサイトカイン療法」。
「サイトカイン療法」というと、とかく基礎研究的な難しい内容が多いのですが、この講演は一般の開業獣医師が講師で、どんな疾患にどんなサイトカインが使われてるか、臨床現場の話をされていました。(私が言うのも烏滸がましいですが)現場の先生方も、すごく良く勉強されています。

まず、「サイトカイン」とは。体の細胞が分泌する様々な機能を有する液性物質、のことです。少し難しいですが、ここはネットで調べて下さい。
サイトカインでとくに有名なのは、インターフェロン、ですね。
この名称は、一度は皆さん聞いた事があると思います。
「サイトカイン療法」とは、これらを使って治療する方法のことです。

さて、今回紹介されたサイトカインは、以下の4つ。
*ヒト顆粒球コロニー刺激因子(hG-CSF)
*ヒトエリスロポイエチン(hEPO)
*イヌインターフェロン-γ(cIFN-γ)
*ネコインターフェロン-ω(fIFN-ω)
(上の二つがなぜヒト用か、と言えば、単純にイヌやネコ用が無いから)

簡単に、働きを紹介しますと・・・
*G-CSFは、幹細胞から、感染症や炎症反応の初期防御に働く顆粒球を誘導します。特に、癌の化学療法や放射線療法、ある種のウィルス感染、免疫不全なんどで好中球が減少すると、細菌やウィルスに感染しやすくなり、難治性となります。
*EPOは、骨髄中の赤血球前駆細胞に働いて、赤血球を誘導します。腎性貧血や再生不良性貧血など、強度の貧血の治療に用いられます。
*IFN-γは、血液中のリンパ球が産生し、抗腫瘍効果、抗ウィルス効果、免疫亢進作用、などがあります。効果の通り、癌の治療、ウィルス感染症の治療、免疫機能を亢進させる目的の治療、に使われます。また、イヌのアトピー性皮膚炎の治療にも使われます。
*IFN-ωは、機能的にはIFN-γとほぼ同じですが、特に抗ウィルス効果を期待して、ネコカリシウィルス、ヘルペスウィルス感染症、イヌパルボウィルス感染症、ネコ白血病ウィルス(FeLV)感染、ネコ慢性口内炎、FIP、など、さらに悪性腫瘍の治療と、幅広く使われています。

今回の講演では、それぞれのサイトカインが上に書いたような疾患に対して使った時の効果や問題点が、広く紹介されました。

症例によっては、劇的な効果が認められます。
私が興味を持ったのは、IFN-γのアトピー性皮膚炎治療、ネコIFN-ωのカリシ、ヘルペス、FeLVなのどウィルス感染症治療、です。
これらは、実施した症例も多く、それなりに有効性を示すデータ、と理解しました。

問題点は、まずG-CSFとEPOは、ヒトのサイトカインであること。イヌやネコにとっては異種動物の物質なので、数回投与すると抗体ができて効果が無くなってきます。そうなると、生体内で自然に産生されるサイトカインも抑止される可能性があります。

また、サイトカインは、もともと生体内で産生されている物質で、体内では微量で効果を発現しています。治療の場合、それより相当多量に投与しますので、一方では副作用として現れることがあります。たくさん投与したからといって、それに比例して良く効くわけではない、というのがサイトカイン療法の難しいことろです。

で、ここでよく話題にするFIPに対するIFN-ωの効果ですが、症例が少ないのもありますが、効果は???でした(あくまで、私の感想です)。どんな検査でFIPと診断したかが不明なことと、2年以上生存した著効例はすべて高齢猫(6-16歳)であったこと、を考えると、FIPではなかった(FCoV陰性)可能性もあるかな、と思ったりもしました。

サイトカインは、免疫機能を高めることを目的によく使われます。ストレス、免疫、と言う言葉は良く聞きますよね。病気の原因が良くわからず、これと言った治療法も無い時に、サイトカインなどが良く使われることがあります。
一方で、もともと生体に存在する物質ですので、効果はマイルド、長期にわたって使うケースも多いです。
獣医さんの知識が重要です!
同時に、飼い主さんも勉強しましょう!

今回は、残念ながらあまり聴講できなかったのですが、いろいろ勉強にはなりました。
ある先生方の立ち話に聞き耳を立ててみたところ、「来年は内分泌がブームだね!」、だそうです。

内分泌、そうホルモン分泌の異常で起こる病気ですね。
これらの検査や治療が、話題になりそうです。

ホルモン分泌の異常、そう、我が家のななちゃんのクッシング症候群がまさにその病気です。
そう言えば、最近の学会ではよくクッシング症候群が話題になってます。

そのななちゃん、ここ2週間くらいで一気に飲水量が増えて(通常多くても400mlくらいが、常時600ml以上になりました)、ACTH刺激試験の検査値が高く朝の薬の量を増量、1週間くらい経過しましたが、あまり効果は見られません(飲水量が減りません)。
腹も太鼓腹のように張ってきているし、毛も所々抜けたり薄くなったり、病状は確実に進行しているようです。
見ていて可愛そうですが、飼い主としては一方で覚悟も必要なのかもしれません。

いま、デッキで日向ぼっこをしています。
いつまでも元気でいてほしいです・・・。


Last updated  2011.11.23 11:54:24
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2011.11.04

再生医療でペットが生まれ変わる?
[ その他 ]    

またまた、1か月以上のご無沙汰でした。
朝晩はだいぶ涼しくなりましたね。
それでも、平年よりまだ暖かいようで、日中日差しが強い時には、汗ばむこともあります。
体調管理には気を付けましょう。

さて、少し前になりますが、今年のノーベル医学生理学賞で、樹状細胞の研究者が受賞しましたね。樹状細胞は、免疫機能を重要な役割を担っており、癌や感染症などで、その情報を「異物」として免疫細胞に伝達し、免疫機能を発揮させます。つまり、司令塔ですね。

「癌の樹状細胞療法」という治療法を聞いた事がある方も多いともいます。
患者さんの樹状細胞を分離して、患者さんの癌の情報を試験管内で樹状細胞に教え込ませ、再び患者さんの体内に送り込むことで、癌を覚えこんだ樹状細胞が免疫細胞に攻撃の指令を出し、癌をやっつける、という方法です。
今回ノーベル賞を受賞したこの研究者は、自身が膵臓癌(?)で長く闘病していて、受賞の数日前に亡くなった、ということでしたが、自身で樹状細胞療法を継続して延命していた、と言う話しも聞きました。

樹状細胞療法も、広い意味では当社で技術提供している活性化リンパ球療法などの免疫細胞療法の一つ、劇的な効果はありませんが、使い方によってはQOL改善や延命効果など、発揮できるものと思います。
既に、イヌでも実施している動物病院もあります。

さてさて、時を同じくして、再生医療で動物を再生する、と言う話題がありました。
再生医療と言うと、ES細胞やiPS細胞があります。(詳しくは調べ見てください。)
なぜ、動物を再生?と思われる方もいるかと思います。

難しいことはさておいて・・・。
ES細胞やiPS細胞は、1個の細胞から同じ遺伝情報を持った臓器や個体を作ることができる、世界的に注目される技術分野です。特に、医学的に大いに貢献できる、と考えられています。

その記事の中で注目したのは、iPS細胞による再生。
ES細胞による再生の場合は、受精卵の一部を使って行うため、倫理上の問題がありました。
それに対してiPS細胞は、皮膚の様な細胞から誘導することができ、したがって全く同じ遺伝情報を持った個体(クローン)が再生できる、と言うものです。

iPS細胞を作るには、まず皮膚などの細胞(皮膚に分化した細胞)をいろいろな操作で未分化な細胞に戻します。未分化な細胞とは、これから先いろいろな細胞に分化する機能を持った細胞、という事で、受精卵をイメージして頂ければいいですね。受精卵は最初は1個の細胞ですが、これが2個、4個、8個と分化していき、それぞれの細胞が違った機能を持ち始め、臓器や骨や脳になっていきます。これらは、もともとは1個の受精卵から始まっていますから。

未分化状態の細胞(iPS細胞)に戻した後は、それぞれの細胞に様々な刺激を加えることで、臓器になったり、骨なったり、と誘導できます。これが再生ですね。
つまり、皮膚などの細胞から、iPS細胞を作ることで、自分と同じ遺伝子をもったものを作れる、と言うことです。
今の技術ですと、患者自身の臓器などを再生して移植に使おう、と言うのが大きな目的です。
自分の組織ですから、拒絶反応は起こらない、という利点があります。

さらにさらにその記事の中で、iPS細胞は基本的にはいろいろな細胞に分化でき、卵子や精子も誘導できる、ということです。
という事はつまり、単純な再生だけではなく、再生させた卵子と精子で受精することができ、一個の生体として誕生させることができる、というのです。

ここまで来たら、SFの世界のようですが、現実的にも理論的にも可能な技術なのです。
全てが自分と同じ遺伝子情報を持った人が何人も生まれてくる、可能性がある訳です。

で、これをペットに応用することは可能か?といえば、同じ哺乳動物ですから可能です。
たとえば、愛犬の皮膚細胞を採ってiPS細胞を誘導し、精子と卵子に分化させて、それ同士を受精させて・・・、全く同じイヌが生まれてきて、また子犬から育てることができる、ということです。
こんなことができたら、一生同じ愛犬と暮らせるわけ?という事が出来てしまうのです。

言い過ぎかもしれませんが、理論的にも技術的にも可能な時代になってきています。
命をそこまで操作していいのか、という倫理上の意見もあれば、飼い主にとってずっと同じ可愛いペットと一緒に暮らせる、この上ない幸せを享受できる、これも真理ですよね。

私も可愛いナナちゃんと暮らしていて、病気もあって年齢的なことを考えると、再生・・・、などと想像しまう事もあります。
一方で、生死は自然の摂理、逆らわずに生きることも大事かと・・・。

難しい問題ですね。

既に人類は、命を操作する技術を手に入れてしまった、というのは現実のようです。

皆さん、どう思いますか?

我が家のナナちゃん、クッシングの病状がやや進行してきたようで気になっています。
薬も大分増量したし、この先どう治療するか、検査も含めて考えて行かなくては、と思います。
でも、食欲は旺盛ですよ。
「食欲の秋」はペットも一緒、でしょうか・・・。



Last updated  2011.11.04 20:30:12
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2011.09.24

FIP学会情報
[ FIP ]    

 大型の台風が過ぎたと思ったら、一気に秋らしい陽気に変わってしまいましたね。
 皆さん、台風の被害はなかったですか?
 私は、ちょうど獣医学会で大阪に居て、帰りに直撃をくらい、一日延泊でした。

 それにしても、今年は大震災に始まって、猛暑、大型台風、大雨、水害、等々、「大」や「猛」が付く自然災害が多かった年でした。まだ、今年は残り3か月以上ありますが、この後は何事もなく無事に経過してほしいものです。

 さてさて、ここのところ全く学術的な情報を発信できていませんでしたが、今回久しぶりに学会に参加してきましたので、その中から情報をお送りします。

 今回は、FIPに関する情報です。
 少しずつですが、確実に進んでいますので、その内容をお知らせします。

1)コロナウィルスとFIPウィルスについて
 これは、研究者の中でも長年のテーマであり、鋭意研究されていますが、一言でいうと未だFIPウィルスは特定されていません。論文もいくつか出ていますが、研究している先生と話しても、未だ難しい、とのことです。苦労されているようです。でも、検査や治療につなげるには、ここが一番肝心なところなのですが・・・。

2)FIPの検査について
 これは、研究している先生との話で。FIPウィルスが特定されてない以上、血液中や胸水・腹水中にいるコロナウィルスを検出することは、現時点でベストであり、FIPを診断するうえで重要。「コロナウィルスの抗体価を測定することはあまり意味が無い」ということが、臨床獣医の間でも少しずつ(やっと)浸透してきた、という事です。「FIPは(変異した)コロナウィルスの感染が起因で発症する」という所謂ウィルス感染症ですので、通常いない血中などでコロナウィルスの存在の有無を調べることは必須、という見解でした。でも、早くFIPウィルスが同定されることを望みます・・・。

3)FIPの治療について
 結局、FIPウィルスが同定されていない以上、効果的なワクチンが開発されない、という現状があります。根本的な治療法が開発されてこない、大きな理由ですね。
 その中で、以下2つの報告がありました。
 日獣大・田中先生のグループ。以前、サイクロスポリンAという薬剤がFIPの症状緩和に効果的である、という報告があったという事は、この場でお話ししたと思います。今回も、その研究の延長で、効果とその機序についての報告でした。機序の話は難しいので割愛しますが、効果は、一時的には症状を緩和し、症例によっては腹水が著しく減少したり、食事ができるようになったり、まで回復したこともあったようですが、最終的には全例亡くなってしまったそうです。根治まで持っていくには、プラス何か治療法を加えないと難しいです、とのコメントでした。
 北里大・宝達先生のグループ。FIPウィルス(?)がマクロファージに感染すると、TNF-αという物質が産生されることがわかっています。TNF-αが多く産生されることで、発熱や炎症を起こします。今回は試験管内の実験として、FIPウィルス(?)をマクロファージに感染させることで産生されるTNF-αを、TNF-αに対する抗体(抗TNF-α抗体)でブロックできるか、という試験報告でした。結果、抗体の種類によって、マクロファージから産生されるTNF-αをブロック(中和活性、と言います)できることを確認しました。現在、実際にFIPを発症した猫に投与して効果を確認する試験を計画中、とのことでした。ただし、これも発熱や炎症を起こす原因であるTNF-αの作用を抑えることであり、FIPを根本的に治療するまでには至らない、という感じです。
 この二つの報告とも、試験結果からFIPの重篤な症状を緩和する効果は予想できますので、猫の苦痛を和らげる効果は一時的には期待できるかもしれません(QOL改善)。

 いずれにしても、少しずつ研究は進んでいますので、今後の進展待ち、といったところです。

 読んで頂いた皆さんには、「なんだ、この程度か」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、相手は正体不明なウィルス疾患、逆に着実に進んでいます、と申し上げておきます。

 次回は、また違った情報をお届けします。


 さて、我が家のナナちゃん、何とか猛暑を乗り越えました。
 正直、この夏乗り越えられるかな、と思ったこともありましたが、涼しくなったと同時に元気を取り戻してきました。
 病気の動物たちには、猛暑は堪えますね。
 
 かく言う私、「夏は大好き!」と言うものの、この夏の暑さは堪えました。
 これから夏の疲れがどっと出てくるのでしょうね。

 過ごしやすい季節となってきましたが、季節の変わり目、皆さん体調管理には十分気を付けてくださいね。
 こればかりは自己管理ですので・・・。



Last updated  2011.09.24 15:18:20
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2011.08.13

風評被害

約2か月のご無沙汰です。
生来の筆不精に加え、何かと忙しく・・・、やっとなんとなく落ち着いたかな、という感じです。
しかし、毎日暑いですね!酷暑です!
外を歩いているだけで、クラクラします。

そうそう、残暑お見舞い申し上げます、でしたね。
立秋とは名ばかり、この暑さは何時まで続くのでしょうか。

さて、東日本大震災から5か月、被災地では復興もまだまだ追いつかない状況の中、我々の方ではむしろ原発事故や放射線汚染のニュースが幅を利かせています。

我が家では、毎年夏になると、三陸の夏牡蠣を仙台の店から送ることにしていました。
でも、この震災で牡蠣は壊滅状態、夏牡蠣のみならず、冬の牡蠣も今年は無理でしょう。

では、私の実家の福島から夏の果物の代表である桃を送ろうと思って実家に聞いたら、「送るのはできるが、送ってもらった人がどう思うかな。かえって迷惑になるんじゃないの?」と言われました。
これまで気にはしていましたが、我々が思っている以上に現地は深刻なようです。

でも、福島の桃は美味しいですから、我が家分は送ってもらいました。
一昨日届きましたが、箱の中には次に様なメッセージが入っていました。
「・・・・、東日本大震災と原発事故により福島の農業は困難に直面し、厳しい状況が続いておりますが、農家が一丸となって困難に立ち向かい、今年も美味しい果物を全国にお届けするよう懸命の努力を続けております。
 このような中、送り主様が福島の果物を贈答品として選び購入して頂きました。
 安心、安全な農産物を皆様にお届けするため、精一杯の努力を続けております。福島の農家が丹精込めて栽培した農作物をご賞味いただき、福島を正しくご理解いただいて、機会がございましたら福島県産品をご購入いただくことで、福島に復興・再生の勇気をいただけれた幸いと存じます。・・・・。福島県では、出荷前から放射性物質の緊急時モニタリング検査を、定期的に継続して行っており、暫定規制値を下回っておりことを確認しております。・・・」

読んでいると、何とも言えない悲しい気持ちになってきました。
桃は、例年以上に甘く、大変おいしい出来栄えです。
これが、こんなメッセージを添えないと出荷できないとは、それより出荷しても売れないかもしれません。

京都でも、大文字の送り火にに岩手から取り寄せた薪が、放射性物質汚染の不安の声が上がって、薪の使用を取りやめ。良く聞いてみると、この薪は事前の検査で基準値以下立ったことを確認していたとのこと。

牛肉も売れない、野菜もだめ、いま東日本の農業は壊滅的状況です。
野菜や果物などの農産物は、作っても売れない状況で、検査で基準値以下でも、被災地の生産というだけで、売れない状況です。

一方、消費者側からすれば、放射線汚染は目に見えないので、どう気を付けたらいいか分からないのが厄介です。また、内部被爆(体内にたまって被爆してしまう)の問題もあります。

結局、国の設定している「問題ない」という基準値が曖昧で、本当に信用していいか、疑わしいのもあります。こうなると、何を信用していいか分からなくなってきます。

今、被災地の復興を妨げているのは原発事故による放射能汚染の問題です。

でも皆さん、いろいろな噂が飛び交っていますが、風評に惑わされず、冷静になって被災地を応援していただけたら、と思います。
この先、復興に何年かかるかはかりしれませんが、必ず復興すると信じています。

機会があれば、ぜひ被災地産のの産物を賞味してみてください。
特に旬の果物、大変美味しいです。

我が家のナナちゃん、この酷暑でやられています。
食事時以外は、ほとんど伸びきっています。見ていて可愛そうなくらいです。
ナナも、ビールと同じくらい桃は大好きですよ。

9月に入ると、秋の学会シーズンが始まります。
また、新しい情報を皆さんにお届けしたいと思います。

皆さん、無事にこの夏を乗り切ってくださいね。
可愛いペットたちも一緒に・・・。

Last updated  2011.08.13 20:00:18
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