なんかここ数日、大玉村、三春町、小野町といった郡山市近辺の自治体、あるいは茨城県に境を接する矢祭町の議会で、福島県庁の県中地方への移転を求める意見書が採択されてますね。これまでは与太話程度にしか語られていなかった県庁移転問題ですが、一気に県政の中心的話題になりそうな雲行きになってきました。下手すると、来春実施される県議選の争点にもなりかねないですね。
地方紙どころか読売新聞でも
「福島県庁、北すぎて不便…郡山移転論が活発化」との記事になったようですが、そもそも「北すぎて不便」とはどういうことなんだろうかとも思ったりもします。福島県と同様に県庁が県域の端に偏している県は埼玉、神奈川、長野、岐阜、滋賀、奈良、兵庫、鳥取、島根、広島…と探してみればいくつもある訳ですが、そのことが原因で行政を巻き込んだ県庁移転論議に発展したという話は、少なくとも私は耳にしたことがありません。まぁ、長野県では終戦直後に松本市を中心とした中南部が分県論議を起こしましたけどね。
先に挙げた県の特徴を見ると、県庁所在地の大半が県を代表する都市=プライメイトシティなんですよね。長野県や鳥取県など第二位の都市との差があまり見られないケースもありますが、長野県は第二位都市で県域の中央に位置している松本市よりも長野市に県庁があった方が便利な地域が県域の半分ほどある(だから県庁移転論議ではなく分県論議が展開された訳で…)し、鳥取県は第二位都市の米子市が県域の西端、島根県寄りに偏している上「島根県を含めた山陰の中心都市」を標榜することが多く県庁移転にはさほどこだわっていない感があります。
これに対して福島県は、県庁所在地の福島市が県域の北に偏している上に県域の中央には福島市よりも人口規模、都市の格で上回る郡山市(郡山市は中核市に指定されているが福島市は特例市にも指定されていない)があるため、他県に比べて県庁移転論議が起きやすい土地柄だとは言えます。
ただ、福島市にプライメイトシティとしての自覚がもっと強ければ、ここまで県庁移転論議が強まることはなかったでしょう。福島市は東北本線と奥羽本線(=東北地方の太平洋側、日本海側の両軸)が分岐する交通の要衝という恵まれたロケーションにあるのだから、福島県内はもちろんのこと隣接する宮城、山形両県の南部をも視野に入れた南東北のハブ都市として東北地方内で一極集中化が進んでいる仙台を牽制するぐらいの存在を目指さないといけないと思うのですが、そんな気概は微塵も見せてくれませんしね。
中核市はおろか特例市すら目指そうとしない市役所当局にも同じことが言えますが、恐ろしいのは、市民にもまた福島市をどのように発展させていこうかというビジョンが希薄なこと。「住めりゃいいんだ」的な主張を平気で口にする人を何人見たことやら… 今や人口減少社会であり、より多くの交流人口の獲得を狙う都市間競争は激化する一方。福島市もまた購買力が仙台に流出しつつあるにも関わらず特段の手も打たずノホホンとしている訳で。そんな姿勢を見て県の舵取りを任せられないと痛感する県民は、少なくないと思うのです。
このほど複数の自治体で県庁移転を求める声が出たという現実は、そんな福島市に対して「NO!」を突き付けたことになると思います。現実論としては県庁移転はかなり難しいでしょうが、少なくともこの問いかけに対して明確な答えを出す責務が、福島市には求められているのではないでしょうか。
福島県庁が移転したら、 ↓ の歌詞も変わってしまうのかなぁ?
ミニモニ。/ロックンロール県庁所在地 ~おぼえちゃいなシリーズ~(CD)
>K市民さんへ
>いわきや会津ではどんな風に受け止めているのか気になるところです。県庁の存在があまりにも遠すぎて他県のことのように無関心ということだけにはなってほしくないですねぇ。
私も同感です。コップの中の嵐にはなって欲しくないものですね。
福島市サイドだと、多分「そんなのできっこないだろ」という認識だと思うのですが、もし県庁移転の方向で世論が流れてしまったら… という事態を想定しての危機感が欲しいところですね。 (2010.12.22 23:09:44)