Aさん、こんばんわ、Bです。
すべてイーブンということで、Aさんにはテーマ3の最初の問題提起をお願いしました。
さっそく、きれいに「フリー型職員」について、必要性と労働者側のメリットをまとめていただき、ありがとうございます。
さて、「フリー型職員」とはどんな職員像でしょうか。
全体の問題意識を提起させていただいた際、「自分のやりたい仕事をする場を求めて自治体間や企業などを自由に移籍するフリー型職員像(所属から参加へ)」と書かせていただきました。実は、テーマ2「契約型社員像」もほぼ同意義と捉えていまして、テーマ3とテーマ2を同時に扱うようにさせていただきたいと思います。
「フリー」の意味づけですが、今までの典型的な自治体職員像の「反語」として使っています。これまで自治体職員というのは、一生の仕事というより、ある自治体に入れば、そこが自分の居住地のような「ムラ」になって、その組織の中の「仲間」と一生付き合いながら、人事課にコマのように扱われながら、たまたま異動した職場で、たまたま担当するということが多かったと思います。
こういう状況であれば、その職員は、自治体で「仕事」するというより「属して」いて、常にその自治体の「掟」に沿って、集団として仕事を「こなす」ということだったと思います。
この構造においては、自分の仕事を自分の段取りで自分の目的に沿って行うという場面はほとんどなく、一生、従属的な仕事の仕方を強いられるということになると思います。
無論、これを「良し」とする考え方もあると思います。地域や自治体に貢献することであれば、どんな仕事でも頑張って、それなりに頑張ろうというのは、今までの一定の決められたルールを着実に行うことが求められてきた行政のあり方においては、そう間違った考えではなかったと思います。
それで十分に通用することが多かったからです。
しかし、地方分権、高齢化、少子化、人口減少、均衡発展の限界、首都圏など特定地域のみの経済的・社会的発展、世界経済のグローバル化、貧富の格差拡大など、これまで経験してこなかった状況に社会や経済が変化し、その中で自治体は、複雑で多様な市民ニーズに対応するうえで、行政の一定のルールなど当てになることなどなく、自分の頭で考えて、自分で身につけたスキルに基づき、試行錯誤しながら、個別具体的に問題解決を図っていかなければならないわけです。
そのような場合に、定期的な人事異動で、ちょっとかじっただけで、器用に問題解決を図ることができるほど、簡単な状況ではなくなりました。
すなわち、その道のプロでしか、問題解決できなくなってしまったわけです。
例えばAさんが具体例を挙げていただいたように、自殺対策基本法に基づく自殺防止対策を、すぐに他の業務を行っていた「素人」ができるとは思いません。
関係NPOで働いた実地経験や臨床心理士や精神医学など専門知識を持つことが不可欠だと思いますが、普通の職員にそういうものを期待するのは困難だと思います。
発生主義会計、法務、消費者行政、企業誘致、産業戦略なども同様だと思います。
さらには、多くの職員を使いこなす窓口のマネージャーなど現場においても、もはや「素人管理職」では、お客様の満足を得るような専門知識に裏付けられた接客対応、事務対応もできなくなってきているのではないかと思います。
あらゆる分野に、最新の専門知識とスキルを持つプロフェッショナル職員が必要となってきていて、内部ですぐには育成できないのであれば、即戦力を、民間や他の自治体から引っ張ってくるというのが、きわめて重要になるのではないかと思っています。
その際、よく民間と役所を行き来する話はでますが、私のイメージでは、役所と役所の間も当然ながら、人が頻繁に行き来することが必要だと思います。
何といっても同じ「業界」ですから、即戦力が多くいると思います。
人事課の大きな仕事の1つが、他の自治体からの「ヘッドハンティング」になるかも知れません。
また、Aさんが労働者のメリットについて、「日本人が仕事を選ぶときの規準は、“自分の才能が活かせること”と、“仕事が面白いこと”が最上位を占めます。」と指摘いただきましたが、まさにその通りで、組織や他人に仕事内容を決められることなく、自分が最も自己実現しやすい仕事を見定め、実際にその仕事にトライできるというのは、本当に職員1人ひとりを活性化させる大きな材料になると思います。
こういう選択の自由という意味でも「フリー」という意味は重要だと思います。
さて、Aさんは、フリー型職員制度がうまく機能するために3つの条件があると指摘いただきました。
(1) 募集の際、処遇を公開
⇒とても重要だと思います。また募集の際、庁内外からアドバンテージなしで、一般競争入札のごとく適任者が選ばれることも重要だと思います。
(2)中途採用者が不利にならないような年金や退職金の制度を構築
⇒これも重要だと思います。これは役所に関わらず全ての業種において、属する組織によって年金が決まるのではなく、また退職金も一時払いではなく給料に含まれるようにして、いつでもどこへも転職が可能なシステムを構築することが重要だと思います。
(3)フリー型職員が活かされる環境作り
⇒これまた重要です。来た職員がすぐに重責を担えたり、あくまでも成果に基づく評価がされたるといった、年功序列的、情意的な組織運営はやめなければなりません。
(4)その他
その他、私が追加的に思うのは、「プロ野球選手の年俸更改制度に似た、1年契約で完全実績給を実現する雇用契約制度の確立」「新規採用者の一括採用制度の廃止」「解雇制度の弾力運用」「現在の給料表制度など年功的な給与制度の廃止」などが必要だと思います。
必要に迫られて必要とされる人材ですから、当然厳しく評価される環境に置かれることになりますが、そのプレッシャーの中で、自分のやりたい仕事に全力集中して、成果を挙げれば、特別ボーナスや高い地位も得られる。逆にうまくいかなければ潔く辞めていく。そういう緊張感ある、しかし大変やりがいに満ちた雇用制度があってしかるべしと思います。
それでは、Aさん、私のフリー型職員の意味づけや、必要な環境整備に対するコメント、追加の提案などについて、見解をいただければと思います。
それでは、おやすみなさい。
最終更新日
2008年10月14日 01時22分01秒