ブログを作る※無料・簡単アフィリ    ブログトップ | 楽天市場
466889 ランダム
オーケストラが築く「幸福な関係」… (音楽)楽天ブログ 【ケータイで見る】 【ログイン】
加藤浩子の La bella vita(美しき人生)
ホーム 日記 プロフィール オークション 掲示板 ブックマーク お買い物一覧
CasaHIROKOの日記

<< 前のページへ一覧

May 9, 2012 楽天プロフィール Add to Google XML

オーケストラが築く「幸福な関係」~新日本フィル、記者会見に思う

 このブログを訪問くださっている方ならお分かりのように、私の音楽の趣味はかなり偏っています(汗)。

 たとえば、オーケストラは弱い、ということは、(多少は)自覚しているつもりです。。。。。

  そんな私でも、新日本フィルというオーケストラは、時々聴きに行かせていただいています。3.11にコンサートを決行したことがテレビ番組にもなったハーディングをはじめ、第一線で活躍している指揮者がおもしろそうなプログラムを組むことがよくあるからです。音楽監督のアルミンクが指揮する、セミステージ形式のオペラも意欲的でした。オネゲルの「火刑台上のジャンヌ・ダルク」の公演など、とても心に訴えるものがありました。

 付け加えると、新日本フィル、「見せ方」もうまいと思うのですね。ちらしのデザインもすっきりとおしゃれだし、それぞれのコンサートにつけられるコピーも(ちょっとクサイけど?)、考えられています。「疾風怒濤、豪華満載ハーディング」とか。そう来るか!なんて、ちょっとにやりとしながら思ってしまう。(コピーライターはどなたか知りたいものです)。

 新日本フィルがこのような路線になったのは、なんといっても音楽監督、クリスティアン・アルミンクの就任以来でしょう。オーストリア生まれのスマートなイケメン指揮者。そのイメージにあうように、変わってきたような気がします(どんなブレーンがついているのかな、なんて想像してしまいます)。

 で、ハーディングが来てから、やはりレベルは上がったように思います。在京のオケのなかでも、波に乗っている楽団でしょう。

 その新日本フィルが開いた記者会見を、のぞいてきました。内容は、次シーズンプログラムの内容説明、創立40周年について、そしてアルミンク退任後の新体制の発表です。

 誰しも興味を持つだろうトピックは、この日初めて発表された新体制についてでしょう。果たして、期待を裏切らない顔ぶれでした。2013−14からの2年間、の話なのですが、現在、「ミュージックパートナー」の地位にあるハーディングがそのポストにとどまり、「コンダクターインレジデンス」に、インゴ・メッツマッハーが就任するという。ハーディングにメッツマッハー!世界の楽壇のトップでそれぞれの個性をいかんなく発揮している2人、というのは、不勉強な私でもわかります。この2人で、4プログラム、6公演を指揮して、アルミンクの抜けた後を補うという。

 とくにメッツマッハーが来る、というのはすごく面白そう。現代ものやオペラを得意にし、これまで来ている指揮者とはほんとに違う個性をもった人ですから。彼が新日本フィルを指揮したのを聴いたことがありますが、作品への切り込みが鋭く、すごく新鮮な響き、充足感を感じることができました。これは、面白そうです。レパートリーも変わるのではないでしょうか。それこそ、上演の機会の少ないオペラを、セミステージでいいですから聴いてみたい。

 同席したアルミンク監督、この2人の体制は「最善の選択」と語りました。これも同席した専務理事によると、彼らをはじめ、ブリュッヘンなど大物指揮者の招聘は、アルミンクの力でもあったらしい。

 アルミンク=新日本フィル体制は、なんと9年間続いたそうで、会場にいたある記者氏によれば「戦後最長」だそうです。その結果、「楽員のフレキシビリティがあがった」(専務理事)。 

 また、すみだトリフォニーホールという本拠地があったのも、オケの力の向上に働いたらしい。「オーケストラと一緒に、そしてホールと一緒に成長できた」「世界的にみても、いいオーケストラはいいホールが生んできたのです」「このホールで練習し、コンサートができたからこそ、今の新日本フィルの響きが生まれた」(アルミンク)。これは、納得ですね。

 長い間にはいろいろあったことは想像に難くありませんが、やはり総合的にみて、大きな成果を得た関係であったのだな、と思いました。このような幸福な関係をどれだけ築けるかは、オケにとって決定的に重要なことなのでしょう。

 途中で披露されたメッツマッハーのビデオインタビューを見ても、そのような関係性が期待できそうだから、ポストを受けたのだろう、という印象を受けました。彼によれば新日本フィルは「互いによく聴き合い、ベストをつくし、自発性があり、技術的に高いレベル」にあるオケだそう。そして何より素晴らしいのは「音楽に捧げて」いて、つまり「音楽への愛」があり、それは「大事なのは自己ではなく、音楽」という自分の信条と共振していて、だから強い共感を感じる、というのです。

 素敵ですね。

 メッツマッハーが口にし、アルミンクも「気に入った」といった言葉に、「正しい道のりをさぐる、それはたくさんある」という言葉がありました。さらに同席していたコンサートマスターが、実践者の立場から具体的に語ってくれたのでよくわかったのですが、「3人の指揮者(アルミンク、ハーディング、メッツマッハー)いずれも、「作曲家の精神に近づく」という最終目標は同じなのだが、アプローチの仕方が違う」。コンマス氏によれば、だからとても楽しく、勉強になるのだそうです。引き出しが色々ある。

 なるほど、興味深いです。演奏家が、「作曲家の精神に忠実に」というのはよくきくのですが、そう考えている別々のアーティストが同じ作品を演奏した時に、全然違う音楽が出てくる理由、ですよね。作品に対するアーティストのアプローチの違い。これもまた、関係性です。

  たとえばメッツマッハーは劇場経験が豊富だからスコアの読みが深い、ハーディングには凄い集中力がある、とコンマス氏は語っていました。

 作曲家と演奏家の関係。演奏家同士の関係。それぞれに出会いがあり、果実がある。その面白さ、深さを感じることができた、今回の記者会見だったのでした。 

 

  

 

 

 

 

 

 

  

  



最終更新日  May 9, 2012 11:45:57
コメント(3) | コメントを書く


May 3, 2012

ウィーン国立歌劇場マイヤー総裁、来日公演を語る

 この秋、8度目の来日を果たすウィーン国立歌劇場。オペラ公演の質と量、劇場の規模の大きさ豪華さなどなど、世界一の歌劇場といえばやっぱりここでしょうか。年間300公演、うちおよそ250がオペラ、という公演数は随一。それで平均点が高いのですから。ピットに入るのはウィーンフィルですしね。海外でオペラを観たいのだけれど、どこの劇場がいい?ときかれれば、やっぱり「ウィーン」と答えます。
 先日、国立歌劇場バレエ団の来日に伴って、2日だけ!日本に来たという国立歌劇場総裁、マイヤー氏の懇談会に出席させていただくことができました。
 前総裁、ホーレンダー氏の後を襲って2010年から現職のマイヤー氏、なんと前職はパリのシャンゼリゼ劇場の総支配人、芸術監督だったそう。へえ!と思ってしまったのは、シャンゼリゼ劇場の最近の充実ぶりに感嘆していたからです。ヤーコプスの「ダ・ポンテ三部作」とか、バロックオペラとか、古楽の傾向を反映した(しかも適材適所)の公演をはじめ、意欲的な公演が目白押し。世界中のトップオーケストラも、入れ替わり立ち代わりやってくる。目の離せない劇場に、いつの間にかなっていた。それはおそらく、マイヤー氏の力だったのです。
 
 そのマイヤー総裁、物静かなジェントルマンでした。
 来日公演の3演目、「サロメ」、「フィガロの結婚」「アンナ・ボレーナ」の魅力に関しては他のところでも書きますので、ポイントだけご紹介しますと、
 ウィーンフィルのオケのパワー全開の「サロメ」
 新旧のスターが入り乱れる「フィガロ」
 グルベローヴァさよなら公演の「アンナボレーナ」というところでしょうか。
 「サロメ」は、メスト&ウィーンフィルの十八番。オケの魅力を堪能したいひとにはたまらないでしょう。主役のバークミンは、メストの推薦だそうですが、チューリヒなどでもサロメを歌っています。またワーグナーの諸役も。ということで、注目の若手ドラマティックソプラノ、というところのよう。
 
 「フィガロ」。スターそろい踏みがまず嬉しい。フリットリ、アルヴァレス、シュロット。プラス、専属歌手の若手。スザンナ役のルーマニア人ソプラノ、ハルティッヒは、2年前から専属だそうで、モーツァルトの諸役やミミ役でブレイク中だそうです。ミミはこの秋にスカラ座でも歌いますね。(ゲオルギューやネトレプコというスターたちとフォースキャストくらいになっています。若手でもうひとり、アグレスタという歌手も出る(個人的に注目)。指揮がイタリア人若手で評判のルイストーニ、という公演です。)
 この専属歌手というシステム、やはり理想的です。日本はもちろん、イタリアやフランスなどにはなく、ドイツ語圏、東欧圏の一部の劇場特有のシステム。いちど専属歌手になれば、ひっきりなしに新しいレパートリーを勉強できる。場数を踏める、経験を積めるというのはやはり強い。今ウィーンの専属の甲斐栄次郎さんも、1年ごとに力をつけていらした、という感じです。なんというか、声や演技もですが、舞台人としての「型」ができるのです。
  
 ウィーンの専属としてスタートした歌手のひとりが、かのグルベローヴァ。今回の「アンナボレーナ」、とうとう、さよなら公演、だと本人が言っているそう。ファンは聴きのがせませんね。そして共演者が凄い。この3月にもフィレンツェで完璧なジョヴァンナを聴かせたガナッシ、かっこいい!美声のイタリア人歌手ピサローニ。理想的な組み合わせです。指揮がピドというのもいいですね。
 ちなみに「アンナボレーナ」は、ウィーンでは2010年春のこのプロダクションが「初演」だったというから驚きでした。 そのような、「上演されていない傑作」をやりたい、という意向も、マイヤー総裁、お持ちのようです。
 そして総裁のこだわりのひとつが、バロックオペラ。シャンゼリゼ時代、38本!のヘンデルオペラをやったそう。やっぱり、という感じですね。ヘンデルは、世界のオペラハウスではもうメジャーです(日本でもいいキャストでやれば絶対受けるはず。新国がんばれ!)。現地ウィーンでは、もうピリオド楽器によるヘンデルオペラの上演が始まっているそうで、ミンコフスキと彼の楽団がピットに入った「アルチーナ」が上演されたとか。まさに「旬」。「ウィーン国立劇場の歴史で、はじめてウィーンフィル以外のオケがピットに入ったのです」!これは、革命ですね。
 今回の懇談会で個人的にとくに感じたのは、専属歌手のシステムのすばらしさと、古楽への流れはもう決定的である、ということでした。いずれウィーンの来日公演でも、ヘンデルが取り上げられる時代になるかもしれません。

 もうひとつ、これはぜひ多くのひとに知っていただきたい、と思ったのは、「子供のためのオペラ魔笛」を持ってくる、ということです。
 2002年に初演された「魔笛」の子供用バージョン(1時間)で、ウィーンの売り物のひとつ。小澤征爾さんも振りました。前後には楽器の説明など解説も入るそうで、子供たちのオペラ入門にはうってつけです。
 今回は、ギュットラーの指揮のもと、甲斐さんをはじめ専属歌手がキャスティングされています。10月26日、神奈川芸術劇場で2回だけの公演ですが、子供さんにオペラを体験させたいと思っている方にぜひお勧めしたいプロダクションです。初体験こそ、決定的であるべき、と思っているので。。。
 ウィーン国立歌劇場来日公演、サイトはこちらです。
  
 



最終更新日  May 5, 2012 14:10:14
コメント(0) | コメントを書く

April 25, 2012

「モーストリークラシック」6月号、拙稿の誤りに関しましてのお詫びと訂正、そしてスカラ座2013年のヴェルディ総まくり!その2

 「モーストリークラシック」、6月号の拙稿、「世界、日本のヴェルディ上演」で、スカラ座の公演に関して誤りがありましたこと、前のブログでお伝えいたしました。 

 お詫びに加えて、せっかくですので、「2013年スカラ座のヴェルディ」公演のご紹介&個人的なおすすめを書かせていただきます。キャストはおすすめのみです。ダブルキャストのものはA/Bで書いています(名前を出しているほうがおすすめ)。また、「共同制作」と明記のないものは単独のプロダクションです。雑誌では字数が限られているので、いずれにせよあまり詳しく書けないこともあり、この機会に書かせていただくことにしました。

2月「ファルスタッフ」 ハーディング指揮、カーセン演出(ロイヤル、カナディアンオペラカンパニーと共同制作) マエストリ/ターフェル、フリットリ/イヴェーリ、デムーロ/ポッリ、カピタヌッチ/カヴァレッティなど

2月 「ナブッコ」 ルイゾッティ指揮、アバド演出(ロイヤル、リセウと共同制作) ヌッチ/マエストリ、 モナスティルスカ/、 アントネンコ/ など

 4月 「マクベス」 ゲルギエフ指揮、コルセッリ演出、ヴァッサーロ/、コーツァン/、セッコ/など

4ー5月 「オベルト」 フリッツア指揮、マルトーネ演出、サルトーリ、ガナッシ、アグレスタ/、ペルトゥージ/など 

7月 「仮面舞踏会」 ルスティオーニ指揮、ミキエレット演出、 アルヴァレス/、ルチッチ/、ラドヴァノフスキ/、コルネッティ/、チョーフィ/ガンベローニ など

 12月、次シーズンオープニングの「椿姫」に関しては、ガッティの指揮、マルトーネの演出以外は未発表です。

 その他に、秋に再演が2つあります。2つとも、前回のスカラ座来日公演で披露されたプロダクションです。

10月 「ドン・カルロ」 ルイージ指揮、ブラウンシュヴァイク演出、パーペ、サルトーリ、セラフィン、グバノヴァ、カヴァレッティ 

11月 「アイーダ」 ノセダ指揮、ゼフィレッリ演出、ベルティ/、/モナスティルスカ、マエストリ/ルチッチなど 

 ついでに、今年11月の「リゴレット」(新制作)の現地でのキャストをあげておきます。

ドゥダメル指揮、デフロ演出、グリゴーロ/、/ルチッチ、モシュク/など。(ウィーン芸術週間との共同制作)

 演出は、以前はサイトに「ボンディ」とあったので、「モーストリー」の記事中で「ボンディ」としましたのは誤りではありますが、執筆の時点ではわからなかったので、お許しください。

 で、このなかで、個人的に見たい!ものはといえば、「オベルト」と「仮面」ですね。

「オベルト」は処女作で、見る機会が少ないというのもありますが、キャストがいいです。ヴェルディ初期ものにぴったり。爽快な指揮のフリッツァをはじめ、サルトーリ、ガナッシ、ペルトゥージというベルカント向きのキャストは、「ベルカントのヴェルディ」を堪能させてくれるはずです。
 「仮面」は、まず、評判になっているけどまだ聴いたことのないイタリア人若手指揮者、ルスティオーニの指揮に興味津々。バッティストーニやマリオッティと並ぶ期待株と評判です。アルヴァレス、ラドヴァノスフキー、コルネッティら一流キャストに加え、チョーフィがオスカル!というのは豪華キャストです!見たい聴きたい!!!二つとも、スカラ座だけのプロダクションというのも、共同制作が多い昨今では貴重です。

 あと、歌手などのキャストで言うと、1月の「ファルスタッフ」はさすが粒揃い。フリットリ、バルチェッローナのイタリアプリマそろい踏みは魅力的です。

 実は、スカラ座のサイトで来日公演のキャストも明らかになっており、2人も日本に来るようです。嬉しい!フェントン役のポッリは、スカラ座ではBキャストのようですが、先日東京でレミージョのリサイタルに登場し、好評だったテノールですね。

http://www.teatroallascala.org/it/stagione/tournee/2012-2013/giappone/falstaff---giuseppe-verdi.html

 もうひとつ、再演で、キャストがいいのは「ドン・カルロ」。個人的にはフィリッポ2世は、パーペよりこのプロダクションのスカラ座初演のときに歌ったフルラネットのほうが惹かれますが、セラフィンのエリザベッタ、サルトーリのタイトルロール、この3月にチューリヒで聴いたばかりのカヴァレッティのロドリーゴなど、旬のキャストであることは間違いありません。

 歌手ではあと、「ナブッコ」と「アイーダ」に出るモナスティルスカは注目株です。昨年ロイヤルのマクベス夫人でたまげました。グレギーナ路線の大型新人。メトの「アイーダ」にも出るようです。彼女とヌッチが出ることを考えたら、2月の「ナブッコ」も魅力的ですね。

 というわけで、うーむ、がぜん、スカラ座に通いたくなってきました。計画をたてなくては?!

 



最終更新日  April 27, 2012 00:25:54
コメント(4) | コメントを書く

「モーストリークラシック」6月号、拙稿の誤りに関しましてのお詫びと訂正、そしてスカラ座2013年のヴェルディ総まくり!その1

 そそっかしいのはいつものことですが、それではすまない、大ミスをしてしまいました。
 
 発売中の「モーストリークラシック」、6月号の拙稿、「世界、日本のヴェルディ上演」内、「スカラ座」に関するくだりです(68ページ)。

 見出しにもあります「201314シーズンに新制作6本」とあるのは間違いで、正しくは、「2013年中に新制作6本」となります。大変申し訳ありません。

 なので、段落の途中で、「スカラ座のヴェルディは次シーズンが狙い目」云々、と書いたのは誤りで、生誕200年の2013年には、スカラ座でヴェルディをぜひ、と書くべきでした。

 なぜこんな間違いをしたのか、大変お恥ずかしいですが経緯を書かせていただきますと、まず、「2013年に「6本の新しいヴェルディ sei nuovi verdi」」という記事を、opera chic というサイトで見つけたのが2月ごろ。で、これをブックマークに入れました。このサイトは、新聞記事などの引用を主にしており、情報源はちゃんとしていました。

 で、今回、『モーストリー」の原稿の依頼をいただいたときに、この記事を参考にしてしまった、というわけです。字数が限られているので詳しいことは書けないし、ここの情報でいいのではないかという甘い(それ以前ですね)考えでありました。

 なぜ、「2013年に6本の新制作」という記事が、「201314シーズンに6本の新制作」に入れ替わってしまったか、といいますと、201213シーズンのスカラ座は、「ワーグナーの年」じゃないか、という激しい思い込みがあったのです。オープニングは「ローエングリン」だし、シーズン中には「リング」もある、そのなかで、このシーズンに6本の新制作、なんて無理なのでは?という勝手な思い込み。そして、記事のなかに、201314シーズンのオープニングが「椿姫」というくだりがあったので、じゃ「6本の新制作」云々は、201314シーズンなのだろうな、と勝手に決めつけてしまったのです。記事のタイトルも「「椿姫」から「マクベス」まで」とあったので、「椿姫」が先陣を切るのだろうな、というまさに勝手な思い込みでした。

 ところが、最近出てきたスカラ座のサイトと記事を照らし合わせてみましたら、「2013年に6本の新制作」は、その通りだと分かりました。。。。

 スカラ座のサイトによれば、2013年は、1月に 「ファルスタッフ」、 2月に「ナブッコ」、3月に「マクベス」、 4月に「オベルト」、 7月に「仮面舞踏会」があります。

 スカラ座の201213シーズンの内容はこちらです。

 http://www.teatroallascala.org/en/new-season-2012-2013-teaser.html 

 そして「opera chic」に出ていた、12月、つまり翌シーズンのオープンの「椿姫」まで入れれば、2013年中に、「6本のヴェルディオペラが新制作」されるわけです。

 本当にお恥ずかしいかぎりで、読者の方を混乱させ、関係者の方々に多大なご迷惑をおかけしてしまったこと、心よりお詫び申し上げます。

  もうひとつ、今年の11月には「リゴレット」が新制作されます。これと、来年1月の「ファルスタッフ」が、来年9月の日本公演に登場するわけですが、私のお恥ずかしい思い違いー頭のなかでスカラ座現地の公演がすべて1年後にずれていたーのせいで、日本公演を「現地より早く上演」と書いてしまっています(69ページ)。この件につきましても、関係者、オペラファンの方を混乱させてしまいました。深くお詫び申し上げます。

 現地「リゴレット」のサイトはこちらです。

 ただ、以前は「ボンディ」だった演出が、いつのまにか「デフロ」に変わっていました。これは記事の依頼時にはわからなかったことなので、同記事中で「ボンディ」(68ページ)と書いたのはお許しいただければと思います。。。

 http://www.teatroallascala.org/en/season/opera-ballet/2011-2012/Rigoletto.html 

 で、お詫びに加えて、次のブログで、「2013年スカラ座のヴェルディ」公演のご紹介&個人的なおすすめをご紹介します。



最終更新日  April 26, 2012 00:38:13
コメント(0) | コメントを書く

April 23, 2012

盗みたい!人気の理由~今年も「やすらぎの里」に行ってきました

 いろいろ立て込んでいるときだったので、大声で言えなかったのですが、(今をさること??日前)今年も「やすらぎの里」に行ってきました。
 伊豆高原にある、断食や自然食とマッサージなどを組み合わせた、滞在型の保養施設です。
 
 前身である小淵沢の「フォルス」時代から、「やすらぎの里」に通い始めて12年(ただし中断期もありました)。「断食」をうたい文句にした施設はたーくさんあるようで、とくに伊豆高原には、かの石原慎太郎氏や林真理子さんなども通う有名医師の施設もあったり、他にもいくつもあるのですが、浮気?しようという気がまったく起きません。ネットでちょっと見たこともありますが、やっぱり「やすらぎの里」のほうがよさそう、と思ってしまうのです。
 ゲストも、そう思う方が多いようで、リピーターが多い施設です。
 人気の秘密は、ずばり、内容が充実しているから、でしょう。
 
 健康法として断食が注目されるようになってしばらく経ちます。実は、「やすらぎの里」そのほか、人気の断食施設ができる前から同様の施設はあったようですが、調べた限りでは、ただそこに泊まって断食するだけ、というパターンが多かった。部屋も大部屋だったり、施設が今ひとつのところもあるようです。
 
 けれど「やすらぎの里」は、「断食」や「自然食」を含めた「食事」以外のメニューも、とても充実しているのです(食事も実は充実しています。それは後で)。毎日、マッサージや鍼など治療の時間が1時間あり、そのほかにも色々なリラクセーションメニューがあって、退屈している暇がありません。よく断食施設では「時間をもてあます」と言われますが、けっこう忙しい。
 
 たとえば、ある1日のプログラム。
 6時半 朝のヨガ
 7時半 気功体操
 8時~1時くらいの間に、朝食時間をはさんで各自1時間の施術。
 10時 朝食
 3時 近くを散歩(インストラクターつき)
 5時 リラクセーション(ヨガ、自己整体など)
 6時 夕食
  9時半 夜のヨガ
 
  こんな具合です。1日のたつのが、早い。あんまり、ぼけ、としている時間がなかったりします。
  日によっては夕食後に、ふだんの生活改善のため、食事や生活についての話があったりします。
  この内容で、1週間、相部屋なら、ひとり75600円。たんに宿泊や食事だけでなく、治療やヨガのレッスン代も入っているのですから、コストパフォーマンスは良好なのではないでしょうか。しかも何年も値上げしていません。何ヶ月も前からいっぱいなのも、うなずけます。

 施設も清潔で、お風呂は温泉。屋上の露天も含めて館内に3カ所あるので、いろいろ楽しめます。温泉大好きの私には天国なのです(今回、満月の夜があり、露天で月光浴ができたのは最高でした。銀の光、をたっぷり浴びてしまいました)。
 
 そして、食事。
 断食が売りなのに、なんで食事?と思われるかもしれませんが、実は断食は、回復食がいちばん難しい、とききます。たべていなかったところに入れると、つい反動でたくさん食べてしまったりするからです。
  なので、ほんらい、断食の後は、専門家の指導を受けてじょじょにならして行くことが必要らしい。
 (まあ断食といっても、毎日スープやジュースは出る、ゆるやかなものではあるのですが。施設によっては「水だけ」というところもあるようですね)
 その回復食、「やすらぎの里」ではよく考えられています。断食は、人によって(体調にあわせて)1日~3日までやるのですが、1日断食なら回復食も1日、2日なら2日というように、各人のコースにあわせてきめ細かくやってもらえるのです。しかも、痩せ気味で体重が減りすぎてしまうひとには、たんぱく質おおめの「高たんぱく食」など、ほんとにきめ細かい。
 
 そう、「やすらぎの里」の究極の魅力は、このきめ細かさ、にある、と今回痛感しました。ほとんどオーダーメイドのようです。
 主宰の大沢先生は、もともと鍼灸の先生。ここでは、初日と帰宅前日に先生の問診を受けます。体重や脂肪率をはかるのはもちろんですが、けいらくを測る器械で内蔵の活動が活発かどうかもチェックしてもらい、疲れ気味なら無理をしないで食事コースにしましょう、とか、健康でも痩せ気味なら断食は1日にしましょうとか、その人にあったコースを処方してもらえる。
 食事も、そうです。上に書いた「高タンパク食」をはじめ、自然食コースにしても半分の量(半減食)のコースもあれば、糖分を少なめにした「デトックス食」「糖質制限食」もある。各人別々の内容を、毎日準備するのですから、すごい手間です。ここまでやってくれる施設は、ちょっとないのではないでしょうか。
 リラクセーションのプログラムにしても、年一度くるたびに、少しずつ変わっている。これは大沢先生の熱心さ、ですね。いつも改善を考えている。そこがほんとうに素晴らしいです。
 そんなこんなで、食事制限をし(回復食も玄米と野菜、魚中心のヘルシーメニュー)、毎日マッサージを受け、温泉に入り、ヨガやリラクセーション、散歩などを日課にする1週間を送ると、体調も、お肌もよくなる。それにつられて、年に一度はやってくる、というわけなのです。年に一度のデトックス。
 これで、「もとの木阿弥」に戻るまでの期間が、もっとながーくなるといいのですが。。。(体重が戻るのはあっという間。いやはや。)
 繰り返しですが、「やすらぎの里」は、リピーターがとても多い施設です。リピーターのひとはみな、こんなところは他にない、ぜひまた来たい、と思うのだと思います。そんなエッセンスのほんの少しでも、自分の企画する音楽ツアーに取り入れたい、と、来るたびに思ってしまう場所なのです。
 「やすらぎの里」サイトはこちらです。
 


最終更新日  April 26, 2012 00:39:12
コメント(4) | コメントを書く

April 22, 2012

鈴木雅明先生、「バッハメダル」受賞!おめでとうございます!で、「バッハメダル」って?

 1週間ほど前になりますが、日本を代表するバッハ演奏家である鈴木雅明氏(オルガン、チェンバロ、指揮)が、バッハゆかりのライプツィヒ市から「バッハメダル」を受賞、というニュースが飛び込んできました。日本人初の受賞とあり、新聞や放送でも紹介されるなど、相当注目を集めたようです。

 鈴木先生は昨秋、紫綬褒章を受章されましたが、その時より、はるかに話題になったのではないでしょうか。バッハファンの間では、「紫綬褒章」より「バッハメダル」のほうが、はるかにかっこいい?ことは確かです。。。

  その一方で、「バッハメダル」って何なの?というお問い合わせを(私などにも)いただいたりしました。

 たしかに「バッハメダル」って、知られていませんよね。

 かんたんな紹介は、以下のサイトにありますが、要するに、「バッハの町」(バッハが人生の後半を過ごし、バッハコンクールやバッハフェスティバルも主催している)であるライプツィヒが、バッハの演奏や受容に功績のあった音楽家に、毎年授与しているメダルです。創設されたのがごく最近(2003年)ですから、知名度がまだまだなのは当然かもしれません。

 http://www.bach-leipzig.de/index.php?id=1066&L=1 

 私はたまたま「バッハメダル」がどんなものか、何となく知ってはいたのですが、それは毎年、「バッハツアー」をかねて訪れているバッハフェスティバルで、「バッハメダル」の授賞式が行われているからです。創設当初から、「バッハメダル」の授賞式は、「バッハフェスティバル」のオープニングに行われてきました。第1回の受賞者はレオンハルト。以後も、リリング、ガーディナー、コープマン、アーノンクール、ヘレヴェッヘ、ブロムシュテットなど、第一線のバッハ演奏家、あるいはバッハやライプツィヒと関連の深い演奏家が選ばれています。そして、共通しているのは、受賞するアーティストは、その年のバッハフェスティバルの看板アーティストでもある、ということです(たとえば2007年の受賞者であるアーノンクールは、その年のバッハフェスティバルでカンタータを演奏しました)。つまり「バッハメダル」には、「バッハフェスティバル」を盛り上げる、という目的もあると思うのですね。

 ちなみに審査メンバーは、バッハフェスティバル、ライプツィヒ歌劇場、ゲヴァントハウス、ライプツィヒ音大(メンデルスゾーン大学)など、ライプツィヒの音楽関係施設のトップから構成されています。「町おこし」的な側面は明らかといえましょう。 

  今回の受賞者である鈴木先生は、今年のバッハフェスティバルで「マタイ受難曲」を演奏することが決まっています。(別に自慢する訳ではまったくありませんが)それをきいた時から、今回のバッハメダルはたぶん鈴木先生だろうな、と想像してはいました。なぜなら(というのも変ですが)鈴木先生は、バッハの演奏家として、上にあげたような過去の受賞音楽家とならんで名前が出てくるひとりであるからです。たとえばライプツィヒでは鈴木&BCJの名前も、上にあげた音楽家どうようよく知られていますし、CDショップにもちゃんとBCJのコーナーがあるのですから。

 というわけで、「バッハメダル」の受賞は、鈴木先生が世界第一線のバッハ演奏家であると広く認識されていることの証明だといえましょう。バッハの音楽を愛する日本人として、この上なく嬉しく思います。心から、お祝い申し上げます。

 

 



最終更新日  April 26, 2012 00:40:53
コメント(0) | コメントを書く

April 16, 2012

春はまだ。。。岩手、山田町と盛岡駆け足訪問

 大震災から、13ヶ月。
 いちども被災地に入っていないことは、ずっと心に引っかかっていました。
 まったく声がかからなかったわけではないのですが、考えてしまったりタイミングが合わなかったりで、機会を逸していたのです(その気になれば、何とでもなっただろうという気もしていますけれど。。。)
 
 ようやく、被災地に入ることができました。
 岩手県山田町。宮古の北で、津波の被害が大きかったところです。世帯数およそ6600の町で、建物の全壊、半壊が3000以上。すごい数字です。
 その山田町で、連れ合いがメンバーになっている合唱団、六本木男声合唱団倶楽部が、地元の合唱団と合同でコンサートをやることになり、ついていくことにしたのでした。
 題して「いざ立て、岩手人」。
 朝7時前。東京駅から新幹線で盛岡へ。そして貸し切りバスに乗り換え、山田町へ向かいます。
 この行程が、結構長い。バスで3時間くらいかかったでしょうか。太平洋岸に出て、宮古市街を抜けて山田町へ。
 宮古はまだ町が動いている感じがあったのですが、山田町に入ると、更地が目立つようになりました。鉄道橋も、半ばから落ちたままになっていたりします。鉄道はまだ復旧していないときいていたのが、目でも確認できました。
 堤防には津波の跡が残り、勢いの凄まじかったことが想像されました。
 会場となる中央公民館は、ちょっとした高台にありました。だから無事だった、らしいのですが、とはいえ高台といってもそう高いわけではなく、よく大丈夫だったな、というのが正直な印象です。
 なかには立派なホールがあり、コンサート会場には十二分すぎるくらいでした。
  整理券を手にした地元の方が席につくと、開幕です。
 
 前半では、まず、松園シルバーダックス、盛岡メンネルコールという、盛岡市を本拠とする2つの男声合唱団が歌声を披露。そして六男の出番です。三枝成彰団長のもと、70余名のメンバーが舞台上に揃うと、ちょっと壮観。メンバーが舞台にあがる際に客席の一部で歓声があがったのは、辰巳琢郎さんの登場のときでした。
 露木茂さんの司会のもと、「からたちの花」のようなおなじみの曲につづいて、三枝団長作曲の「希望海」「天涯」という、ふたつの鎮魂の曲が登場。亡くなったひとを偲ぶ歌詞と音楽に、会場では涙をうかべる方もありました。
 最後は3つの合唱団が総出で、「いざ起て戦人よ」。締めくくりは客席も交えての「故郷」。みなで声を合わせるのは、感慨深いものがありました。 
 出番終了後、合唱団のメンバーと(私のような)付き添いメンバーは、三枝団長と辰巳さんのトークとなる第2部の開始を待たず、盛岡へトンボ返り。ほとんどのメンバーは日帰りなので、そうしないと新幹線に間に合わないのです。
 往復合計11時間余の道のりに、改めて距離を感じてしまいました。
 実家が宮古で、毎月のように仕事もかねて宮古へ通っている友人がいるのですが、交通網が復活するまでの苦労はどんなだったかと思ってしまったことでした。
 盛岡駅で、私を含め10人ほどは、皆さんと別れて盛岡近郊の温泉へ。せっかくだから1泊しよう、ということになったのです。
 町中から30分ほどバスに揺られて到着する、つなぎ温泉というところに1泊。翌日も、盛岡の近郊や市内を観光しました。
 盛岡市内をガイドしてくださったのは、地元のボランティアのお嬢さん。明治、大正にさかのぼる歴史的建築や、盛岡城址、市内を流れる北上川など、一生懸命説明してくださいました。 宮沢賢治、石川啄木の記念館や、鮭が上ってくるという北上川の清流、市街から仰ぐ岩木山の威容。。。自然と歴史が魅力的な町です。
 とはいえ、やはり話題は、3.11のことになってしまいます。
 ガイドさんの話だと、その日の盛岡の震度は5強。揺れはひどかったものの、「岩手というところは、地名通り、岩盤が固いのです。なので、建物の被害はほとんどありませんでした。盛岡は、2日ばかり停電しましたが、被害は本当に少なかったのです。
 山田町も、地震の被害は大きくなかったと思います。津波です。津波さえなければ。。。。」
 ということでした。
 更地のままの場所が多いこと、復興に時間がかかっているのは、(想像していたことですが)町づくりの方針がなかなか決まらないから、ということが大きいらしい。海の近くに暮らし、職住接近だったこれまでの暮らしを、いくら津波が怖いからといって、住まいを山のほうに移す、といってもなかなか難しいようです。
 仮設住宅は山のほうにできているそうですが、今、とくに高齢の方が買物に不自由するという問題があるそうです。タクシー代を2000円くらいかけて、海辺のほうに買物に行かなければならない。
 がれきもまだ残っているし、ということでした。
 そして、交通の問題。
 盛岡からボランティアに行くにしても、往復で6時間くらいかかるから、実際に作業できる時間は限られてしまうそうです(宿泊できる施設はないそうです)。
 
 時間がかかる、のはもっとも、と思えてしまうのでした。
 お土産に、(ちょっぴりお手伝いの気持ちもこめて)山田町の海産物をかかえて帰りました。
 海からちょっと離れたところで工場を再開した、木村商店というお店の商品です。
 いつかはやはり、海の近くに帰りたい、そうです。
 その思いも想像できてしまった、駆け足訪問だったのでした。
 木村商店さんのHPはこちらです。
 なお、六男の三枝団長は、震災孤児、遺児を支援するプロジェクトを立ち上げました。ご興味のあるかたはぜひご覧ください。
  
 


最終更新日  April 18, 2012 01:43:49
コメント(1) | コメントを書く

April 11, 2012

嗚呼、イタリア!されど、やっぱり、イタリア その2

 だいぶん「旧聞」になってしまいましたが、旅の最後に、「嗚呼、イタリア!」を実感した小さなエピソードを。
 
 最終目的地、ナポリ。ホテルはサンカルロ劇場のど真ん前にあるガッレリアのなかに取りました。歴史的な建物の4階。小さな箱みたいなエレベーターも古めかしく、ぎしぎしいいながら動きます。
 場所はいいし、部屋もまずまずだったのですが(バルコニーがついていて、部屋からナポリならではの路地が見えました)、なんとなく「南」を感じさせることが多々。朝ご飯が甘いお菓子ばっかりだったり(フルーツはおいしかったですが)、従業員が、どことなくおっとりしていたり。
 
 うーむ、と思ったのは、朝食会場でサービスしてくれたボーイさん。イタリアなんですから「カメリエーレ」と呼ぶべき?なのかもしれませんが、まだ20代のはじめくらいの若さで、アルバイトじゃないかしらん、という感じ。小さなホテルで、満室でもなさそうで、朝食会場に行くと私だけ、だったので、いろいろ話しかけてくるわけですね。
 ちょっと東洋人ぽい顔立ちだな、と思ったら、お母さんが日本人らしい。で、彼女が日本にいるとかなんとかで、「日本語で愛してるってなんて言うの」とかなんとか。暇なんだな~。
 面倒くさいので適当に答えていたのですが、何か頼むとなかなか使えない、というありさまで。ネットがつながらないのでパソコンを見てもらってもらちがあかないし。一方で、カプチーノのお代わりを頼むと、ココアパウダーを泡立てミルクが見えなくなるくらいかけてきて、「特製カプチーノ」、と嬉しそうに。(特製に文句付けちゃわるいけど、あまりおいしくなかったねえ)
  で、そういう男子が「チェーザレ」なんていう名前だったりするので、何となくおっかしいのです。だって、「チェーザレ」って「シーザー」ですもんね。イタリア人の名前って、なんか不思議。「フランチェスコ」とか「ドメニコ」とか、聖人の名前なわけですから。カトリック国ですから当然といえば当然なのですが、なんとなくそのへんを歩いているお兄ちゃんが聖人と同じ名前、というのが、イタリアだなあ、と思ってしまうのです。
 
 で、その、チェーザレお兄ちゃん。
 
 チェックアウトの日、空港へ向かうのに、「アリブス」というバスを使うことにしました。タクシーはちょっと怖いし(いくらかかるかわからない)、何より3ユーロと安いのです。停留所は歩いて10分くらい。荷物はあるのですが、なんとかならないわけでははありません。 
 で、エレベーターで1階まで送ってくれたチェーザレ君に、「アリブス」停留所までの道をきいたのですが、ガッレリアの真ん前の、市バスの停留所でいいという。そんなはずはないのですけれどね。
  とはいえ、「ここで待っていればぜつたい来るから」と確信に満ちた表情でいうので、ここは素直にうなずきます。
 彼の姿が消えてから、近くにいた警官にききました。やっぱり「港」のほうだという。道も教えてくれたので、荷物をひきずって歩き始めました。
 と、後ろから走って追いついてきたのは、件のチェーザレ坊やではありませんか。
 「まちがえた。港のほうだそうです。こっちこっち、近道からいきましょう」
 言うや否や、私のスーツケースを取って歩き始めました。たしかに、こっちが近道のようです。若いだけあって、歩き方もさくさくと速い。うーん、ちょっと見直したかな。
 
 結局チェーザレ君は、港の前にある「アリブス」のバス停まで送ってきてくれました。すぐ近くまできて停留所を見間違え、ちょっと港の方へ入り込んだ、というミスはありましたが、ご愛嬌です。なかなか、ここまで面倒みてくれるのは珍しい。さすがに、チップをはずみました。
 こういうことがあると、なんとなくまた、イタリアが憎めなくなります。
 
 帰国後、友人にこの話をし、「ホテルから離れたバス停まで送ってくれることなんてなかなかないから、ちょっと感動した」と言ったら、
 「ドイツならやってくれない?」ときかれました。
 いや、ドイツだったら、だいたい停留所の場所を教え間違える、なんてことはまずないわ、と思い当たり、爆笑。
  
 嗚呼、イタリア。されど、やっぱり、イタリア!
 
  
 
 
 
  
 
  
  
 
  
  



最終更新日  April 11, 2012 15:23:04
コメント(0) | コメントを書く

March 27, 2012

ふたたび、ソーシャルメディアの威力とありがたさ

 旅のはじめにも書きましたが、ネットの世界の進歩は、まったくもってすさまじいものがあります。

 バッハツアーを始めた2000年あたりだと、まだ旅先でネットがつながるなどということは僥倖。電話線を使っていました。1時間も格闘してそれでもだめ、なんてことはしょっちゅうでした。

 今は、多くのホテルにワイヤレスランが行き渡り、無料のところもかなり増えました。本当に、便利になったものです。そのかわり、旅先でもなかなか非日常になれない、という副作用はありますが。 

 そして今回、改めて思い知ったのが、ソーシャルメディア、とくにフェイスブックの力です。ツイッターも一時はまっていましたが、最近はもっぱらフェイスブック。こちらのほうが、誰が見ているか予想がつく分、気楽です。

 今回思い知ったのが、フェイスブックは、「同好の士」を結びつけるのに絶大な力を発揮する、ということ。フィレンツェでの日本人会は、「音楽」がまず横線で、それに「食」という縦線がありました。

 フェイスブックでのつながりも、私はほとんどが音楽関連。すると、実はいろんな情報が流れてくるのですね。

 実は、今回の旅の最後にナポリでみた「群盗」は、フェイスブックを通じて公演があることを知ったのです。フェイスブックで「お友達」していただいている、イタリア人テノールのstefano seccoさんが、この時期にナポリで「群盗」に出る、と書いていたので、公演があることを知ったのです。ふだん、イタリアの劇場のサイトなんてそうそう参照しているわけではないので。。。。面白いものです。

 フェイスブックでつながっていると、インタビューなどもお願いできますし、またフェイスブックでなくとも、今時はサイトから入って申し込むこともかんたんです。ナポリで会えたプレスティアは、サイトから入ってインタビューをお願いした口でした。ほんとに、すごい時代です。

 もっともプレスティア、「今時は、誰もがパソコンで画像を見て、鑑賞した気になって、評論家気取りになってしまう」 と、苦虫をかみつぶしていましたが。。。

 何度も書いているように、吃音持ちの私は、メールという手段ができたことで、世界が変わりました。電話は吃音が出やすいし、もともと好きではないので、たぶんメールがなかったら、初対面のひとにインタビューを申し込むなんていう離れ業は、まずできなかったことでしょう。

 最近は、場合によっては、インタビューを申し込む時に、吃音があることを伝えてしまいます。失礼は承知なのですが、その方が、スムーズにいくことがあるからです。こういう病気があるので、すみませんが、と伝えておくような感じでしょうか。気の毒だな、という顔をされることもありますが、仕方ない。まあ、インタビューの後でレコーダーを聞き直すと、自分の言葉のつたなさとつまり具合にがいつもげんなりしてしまうのですが。。。

 (吃音の傾向があるひとは、周囲にも何人かいます。ちょっと面白いのは、みな男性であること。「吃音ドクターです」という本を書いたお医者さんも、男性でした。何か男性脳?と関係があるのかもしれません) 

  そんなわけで、メール、ネット、ソーシャルメディアのおかげで、世界が変わりつつあることはたしか。

 ほんとうにいい時代になったなと感謝せずにはいられなかった、今回の旅だったのでした。 

 

  

  

  

 



最終更新日  March 27, 2012 22:16:35
コメント(2) | コメントを書く

March 26, 2012

嗚呼、イタリア、されど、やっぱり、イタリア!

 フィレンツェから始まった今回の旅のフィナーレは、南イタリアのナポリ。

 ハンブルクからミュンヘン乗り継ぎで、ナポリ行きの便に乗り込むと、そこは南イタリアでした。周囲もおかまいなしに、離れた席にいる友人に、「フランチェスコ!」「ドメニコ!」などと声が飛び交い、うるさいこと。イタリアでもとくに、フィレンツェから南は別の国だ、といいますが、ほんとです。。。

 なぜナポリかといいますと、サンカルロ劇場で上演されるヴェルディのオペラ「群盗」を見るため。彼の作品では初期に属し、「マクベス」の次に作曲されたもので、欧米ではたまーにやるようなのですが、日本では1999年に故若杉弘さんがびわ湖ホールで日本初演したきり。それを見そびれてしまったので、この際と思い立ったのです。キャストも、ルイゾツティの指揮で、好きなバスのひとりであるプレスティアが出るなど、そそられる部分もありました。とにかくオペラは舞台をみてナンボ。「群盗」はDVDも出ていないので、貴重な機会だと思ったのす。 

 オペラは日曜日の夕方でしたが、ナポリには前日着きました。実は数日前に、プレスティアに「群盗」についてのコメントが欲しいと伝えたらあっさりOK。土曜日は6時から、ルイゾツティの指揮でサンカルロでプッチーニの「グローリアミサ」を歌うのだが、その後でも、ということに。

 ついでなので、「グローリアミサ」を聴くことにしました。これも、めったに聴けない作品ですしね。チケット90ユーロはこちらにしてはかなりいい値段ですが、まあしょうがないか。

 サンカルロ劇場は、7年ぶりくらいになるでしょうか。内装はイタリアの劇場のなかでもかなり豪華です。劇場じたいも大きい。ただ平土間は、この手のイタリアの伝統的な劇場に共通するように思うのですが、音が上を抜けてしまいます。音響的には、どうかなと思わないでもありません。 

  終演後に会ってくれたプレスティアいわく、「群盗」はとてもいいプロダクションだとか。歌手も揃っているし、「ルイゾツティがすばらしい」という。音楽のことをよく分かっているし、歌わせる勘所をよく掴んでいる、と。

 翌日のオペラの時に分かったのですが、ルイゾツティはサンカルロの音楽監督になったのですね。「群盗」はそのお披露目公演でした。プレスティアが「期待している」と言った訳がわかりました。客席からも「ようこそ、マエストロ!」なんてかけ声がかかる始末。芝居小屋のノリです。これがイタリアのイタリアオペラ。

 そのルイゾッティ、熱演でした。彼は昨年、同じヴェルディの初期作品である「アッティラ」でスカラ座にデビューしています。その時の批評を雑誌で見ましたが、よかった記憶があったので、「群盗」も期待していました。もともと、イタリアンなマエストロですし。ヴェルディの初期のようなメロディが氾濫していていて、大胆というか臆面のない作品はいいだろうな、と想像もしていましたが、当たりでした。ほんとにオケが歌っている。とくに、悪評さくさくの?「ウンパッパ」の伴奏がよく歌うのです。歌うだけではなく、とくに弦に微妙なグラデーションがついていて表情があり、考えて振っていることが感じられました。「ウンパッパ」の必然性ですね。

 やっぱりこれは、イタリア人のほうがわかるんじゃないかな、と思います。譜面面が単純だからとただその通りにやってしまうと、つまらない。そんな演奏で聴くと、ヴェルディ初期は「つまらない」「どれも同じ」に聴こえてしまう。でもこういう演奏で聴くと、旋律の洪水に安心して身を任せられる、理屈抜きの楽しさに出会えます。話はめちゃくちゃなのですが(笑)。

 そう、よくヴェルディ初期がけなされる理由のひとつが「話がめちゃくちゃ」。たしかに「群盗」だって、盗賊仲間に入った貴族のお坊ちゃんが、恋人にそのことを知られて絶望し、彼女を殺して!自分は自首する、という筋書きですから、わけがわかりません。

 でもね、原作がそうなんですよ。原作はあのシラーですけど、ほんとうにそうなので。同じように話がひどいと評判が悪い「リゴレット」だって、ユゴーの原作に忠実なだけです(ほんと)。19世紀、ロマン派どっぷりの時代なのだから、しょうがないというか。まあ、19世紀イタリアのメロドランマは、こういうものなのだと思う。だからそのまま受け入れればいい、と。ここで「人物に感情移入できない作品」(二期会「ナブッコ」のある新聞評)などといわれても。。。そういう次元のものではないように思います。

 とはいえ、筋書きが現代の聴衆に受け入れがたいものであることは事実なので、ラヴィーアの演出は、恋人の女性が自殺するという設定に変えてありました。たしかにそのほうが、まだすっきりするかもしれません。(ちなみにラヴィーア=ルイゾッティのコンビはサントリーホールで活躍していましたので、憶えている方も多いと思います。このコンビで、サンカルロの日本公演でもあるといいですね)

 作品自体は、ロンドンで初演されたもので、ソプラノのジェニー・リンドを前提に書かれているので、リンドの特徴であるコロラトゥーラを生かすべく、ソプラノがキャラクターのわりには高くて軽い声なのがよく指摘されるようです。実際きいてみると、さほど違和感はありませんでした。ソプラノ云々より、例によって男声の醍醐味ーテノール、バリトン、バスの饗宴ーが楽しめます。すぐ前にできた「マクベス」(革新的な作品)と対照的に、カヴァティーナーカバレッタの伝統的形式の大盤振る舞いですが、これはこれでメロディの洪水の醍醐味。革新的な「リゴレット」のあとに、伝統的な形式をきわめた「トロヴァトーレ」が生まれたことが思い浮かびました。前進すると、その反動でちょっと戻る?のかもしれません。よくいつしょくたにされるヴェルディの初期作品ですが、私にとってはいつも何か発見があり、面白いのです。

  歌手では、カルロを歌ったアキレス・マチャードが進歩?していてびっくり。彼は10年ぶりくらいに聴きましたが、当時はリリコだったように思いますが、かなりスピント系のドラマティックな役柄もこなせるようになってきた印象を受けました。美声だし、安定感もあります。スカラ座にもよく出ているようですが、納得です。

 期待のプレスティアはちょい役ではありますが、存在感のあるプロフォンドなバスで、やはり彼が出てくると舞台に重みが出ることを実感しました。

  さて、今日は、終演後のお楽しみもありました。フィレンツェの日本人パーティで知り合った、音楽好きのご夫妻Oさんも、今日も「群盗」にかけつけるとうかがっていたからです。オペラやコンサートの後に、勝手なことをいいながら飲んだり食べたりすることくらい、楽しいことはないですもんね。

 足を向けたのは、劇場からもほど近い、ピッツァの老舗。「マルゲリータ」ピッツァを初めて提供したことで有名なお店です。イタリアは、昔ながらの老舗が多い。とくに南はそう感じます。 

 ピッツァやサラダや、「ナポリ風フリット」をつまみながらいろいろおしゃべりしましたが、Oご夫妻はすごーい音楽通。海外に出て音楽を聴くことは70年代からしているという。クライバーの「こうもり」を3回聴いたとも。いいなあ。

 ウィーンだメトだでさんざん聴いてきたご夫妻なのですが、定年後はもっぱらイタリア。3ヶ月滞在しては日本に戻る、という優雅な生活を繰り返していらっしゃるよう。で、なんでウィーンとかじゃないのでしょう。

 「やっぱり、イタリアオペラはイタリアで聴かないとわからないんですよね」

 理由は結局、そういうところにあるらしい。「前はウィーンで聴くイタリアオペラがイタリアオペラだと思っていた。でも違うんです。ドイツ語圏にはドイツ語の音楽、フランス語圏にはフランス語の音楽、イタリア語圏にはイタリア語の音楽があるでしょう。それは、日本にいるとわからないんですよね。日本の音楽ファンは、海外に出るといってもウィーンとかが中心だし」

 それ、わかりますねえ。海外歴は断然短い私ですが、やっぱりイタリアオペラはイタリアで聴きたいんですよ。演出とか理屈とかでいじくりまわされたりしていない、「イタリア語の音楽」が聴きたいんですね。 

 (で、日本のクラシック音楽界が「ドイツばっかり」という話もさんざんでました。)  

  一方で、イタリアオペラが、イタリアで風前の灯火、というのも事実です。フィレンツェのストに象徴されるように。毎年いくパルマのヴェルディフェスティバルも、お金がなくてオペラができなくて演目が変更になるなんてしょっちゅう。ほんと、どうなるのかとヒヤヒヤし通しです。昨日会ったプレスティアも、フィレンツェの「アンナボレーナ」がピアノ伴奏だった、という話はもちろん知っていて、「そんなことをしているのはイタリアだけ」だと憤慨していました。

  だから、来るたんびに、憂鬱にもなります。

 けれど一方で、今日の「群盗」のような公演をきくと、やっぱりいいなあ、とも思ってしまうのです。 声の饗宴を素直に味わえる歓び。楽しい。やっぱりまた来たくなってしまう。Oご夫妻も、同じ思いのようでした。

 「めちゃくちゃで、でも絶対的に美しい」「それが、イタリアのメロドランマ」「ヴェルディは、イタリアそのものです」(ミケーレ・マリオッティ)

 嗚呼、イタリア。されど、イタリア! 

  

  

 

 

  

  



最終更新日  March 27, 2012 15:20:08
コメント(2) | コメントを書く


<< 前のページへ一覧一番上に戻る


PR

カレンダー

2012年5月
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<前の月今月次の月>

キーワードサーチ

カテゴリ

カテゴリ未分類(297)
(26)
日々雑感(154)
(159)
世の中(20)
音楽(354)
(57)
世界と日本(9)
お仕事(55)
映画(4)
食べ物(22)
その他(1)

バックナンバー

モバイル

>>ケータイに
このブログの
URLを送信!

 

Powered By 楽天ブログは国内最大級の無料ブログサービスです。楽天・Infoseekと連動した豊富なコンテンツや簡単アフィリエイト機能、フォトアルバムも使えます。デザインも豊富・簡単カスタマイズが可能!

Copyright (c) 1997-2012 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.