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加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

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June 5, 2009
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カテゴリ:音楽

 METライブビューイング、今シーズン最後の「チェネレントラ」を観ました。
 ご承知の方も多いと思いますが、今月の新国も「チェネレトラ」。両方観比べると面白そう。客席が、いつもより多少混んでいたように思うのは、そのせいでしょうか。

 今回の目玉は、タイトルロールを歌うエリーナ・ガランチャ。CDでしか聴いたことがないので、期待がふくらみます。

 さてそのガランチャ、果たして素晴らしいものでした。
 テクニックも完璧なのですが、「声」の色あいがやわらかくあたたかく、チャーミングなのです。
 ロッシーニがメッゾ・ソプラノの声を好んだことは有名ですが、その理由は「あたたかな色合い」もあったとか。ガランチャの声は、ロッシーニ好みではないか?と思わせるものでした。もちろんヴィジュアルもチャーミング。
 意外なことに、幕間のインタビューで、「ロッシーニ歌いとは思っていない」宣言。「あと少ししたらやめる」なんて言い出したのはもったいない。。。もっと感情を移入できる、「ロマン派」のほうが好きなようでした。
 たしかにロッシーニって、感情を移入しそうな箇所になるとするりと音楽に逃げ、かわされてしまいます。もともとがそういう音楽ですから、気になり始めると物足りないかもしれません。旋律だけで充足している旋律(だから使いまわせる)。
 ワーグナーはそんなロッシーニの旋律を、「絶対旋律」と呼んでいたのでした。

 王子役のローレンス・ブラウンリーは、新国の「セビリヤ」でバルチェッローナと共演した黒人テノール。ドレスデンでも彼の「チェネレントラ」を観た記憶があります。
 彼の持ち味は、まさに「レッジェーロ」なやわらかい声だと思うのですが、スピーカーを通しているせいか、その個性があまり伝わってこなかったのは残念でした。

 ドン・マニフィコ役のアレッサンドロ・コルベッリは芸達者。ダンディーニ役のシモーネ・アルベルギーニも悪くなかったですし、アリドーロ役のジョン・レリエに至ってはバッソ・プロフォンドかと見まがう?迫力。若くてなかなかウヴィジュアルもいいのはいいのですが、アリドーロ役かと言われるとちょっと・・・

 そう、全体に不満があるとすれば、(ガランチャを除いて)ヴィジュアルなのです。美しいかどうかというより、身長とか年齢とかが役柄とちぐはぐなのが気になってしまう。ライブビューイングの宿命ですね。

 マウリツィオ・ベニーニの指揮は闊達で流麗、ブルーを基調にしたチェーザレ・リエーヴィの演出も(ちょっと地味ですが)おしゃれ。楽しめるプロダクションではありました。
 終演後の客席のスタンディングオベーションを見ていると、METに行きたくなります・・・(実はまだ未踏)。






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最終更新日  June 5, 2009 08:19:12 AM


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