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加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

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November 7, 2015
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 オーケストラのような音楽団体や、コンサートホールなどが主催する、小中学校への「音楽」の出張授業。

 主催者によっては、重要な活動に位置付けています。

 先日、都響さんが主催する出張授業、「マエストロ・ビジット」を見学してきました。都響音楽監督の大野和士マエストロと、4人の都響奏者、およびピアニストによる、ぜいたくな「出張授業」でした。

 ぜいたくなのは、メンバーだけではありません。内容が、なんとも贅沢、そして理想的だったのです。

 授業を受けたのは、台東区立浅草小学校のスクールバンドと合唱のメンバー(5、6年生)。人数は100人弱くらいでしょうか。授業は2時限。1時限目は、大野マエストロの指導による「指揮体験」授業、そして2時限目は、都響の楽員がそれぞれの楽器を披露してくれ、後半は大野マエストロの指揮で、都響メンバーもバンドに混じって演奏をする、という趣向です。

 まず、内容の充実ぶりが素晴らしかった。私が小中学校の時も、プロのオーケストラの団員の出張演奏はありましたが、ごくごく一般的なコンサートが、短縮版であった、という印象。楽器の説明などはありましたが。。。。中学生のとき、チャイコフスキーのピアノ三重奏曲をこのような出張演奏で聴いたことを覚えていますが、そこそこクラシックを聴いていた私あたりはともかく、大半の同級生は退屈して、そうぞうしかった。その時は目くじらを立てましたが(笑)、今考えると、仕方がなかったと思います。

 けれど、今回の「マエストロ・ビジット」は、まったく次元の異なる内容でした。

 まず、1時限目の指揮体験がなんといっても貴重でした。何人かまとまり、順番に前に出て、実際に指揮棒を持ち、指揮の実践をするのです。1拍子から始め、2拍子、3拍子。それができると、次は拍子をとりながら表情をつける。腕と顔の表情で、楽員に「伝える」練習です。拍子をとるための音楽は、大野マエストロ自らのピアノ。なんと贅沢なのでしょう。

 大野マエストロの熱心な指導のもと、はじめはおっかなびっくりだった生徒たちが、(個人差はありますが)だんだんその気になっていくのがよくわかり、それが何よりの収穫でした。表情がいきいきして、一部の子は楽しいな、と感じ始める。貴重な瞬間。それを目撃できたのが楽しかった。さらに、生徒たちの指揮ぶりに手をあげさせて人気投票をし、一位を決める演出も。

 ひとグループおわるたび、生徒たちのなかに入って行って「ねえ、お友達、どうだった?」と感想をきいてまわる大野さん。それに、あるいは緊張しながら照れながら、あるいは積極的に応える生徒たち。そのやりとりを見ているのも、ワクワクするものでした。大野さんの人間力を改めて思い知りました。

  2時限目は、都響のメンバーが各自の楽器を披露。ファゴット、トランペット、ヴァイオリンそしてヴィオラ。それぞれ、ピアノ伴奏付きで、「白鳥」「チャールダーシュ」といった小曲が演奏されました。楽器の説明や、メンバーが音楽家になったきっかけなども語られました。生徒さんたちもスクールバンドのメンバーなので、楽器には興味津々。演奏にも集中して聴き入ります。短い曲をあれこれ、というのは集中力の面でも適当だな、と思いました。

 総仕上げの全員での演奏は、「音楽のおくりもの」。大野マエストロの前段で、「一位」になった某君がちょっと指揮をし、あとを大野さんが引き継ぎました。楽団の各パートには都響のメンバーも飛び入り。演奏しながら周囲の生徒さんたちにちょこちょこと指導をするおまけもありました。

 指揮するってどういうことか。それぞれの楽器の個性を知ること。ともに演奏する喜び。ちょっぴりの、プロの指導。 

 これがすべて統合された今回の「マエストロ・ビジット」。 生徒さんたちにとっては、忘れられない時間になったのではないでしょうか。今回、音楽の楽しさを体感した生徒さんたちが、一人でも二人でも、音楽と長いお付き合いをしてくれることを願っています。






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最終更新日  November 7, 2015 04:36:20 PM


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