被害者が被害者を生む構図その方とのやりとりは某留学系掲示板にその方が自らのHPのリンクとともに「『日本にいながらにしてアメリカの学位をとる』プログラムのカウンセリングを 始めます」という広告メッセージを載せたところからはじまった。 自ら「大変画期的(通信教育)でためになる」アメリカの学位取得プログラムに 参加しており卒業後は後進の指導にあたりたいということらしい。 そもそも有名な未認定校(Degree Mill)であったし、支払ってしまった学費を 回収しようと「カウンセラーや教官として後進の指導にあたる」という口実で 学生を代々「つないで」いくのは未認定校の典型的なやり口なので、 未認定校問題の概要をお伝えした上でこれ以上被害者を増やさないよう忠告した。 そもそもその方だって被害者なのだ。プログラムを始められた当初は本当に未認定校 問題をご存じなかったらしい。僻地に住まわれている方で、これからの遠隔地教育の 在り方としてこの方法(通信教育)は非常に有効な手段である、と力説されていた。 その点には同意する。だが、だからといってアメリカのMBAやPhDが、たかだか 10~20通のレポートの提出(それも日本語)のみで取得できてしまうというのは ナンセンスだ。 自らの経歴(日本の某大学修士課程修了)に触れつつ「日本の修士課程よりも よほどためになりました」と宣伝されていたが、日本の修士課程卒というのは その程度の常識も備えていないのか。 HPにしてもお粗末きわまりない。取得予定学位が「Phd」となっていて dが小文字なのはまだしも「何の」PhDなのかも触れられていない。 当たり前だがPhDは特定の分野について与えられるもので「単なるPhD」 というものは存在しない。ドクター中松が「どこで博士号をとられたのですか?」 という質問に「私は色々博士号を持っている」とちんぷんかんぷんの応答を していたことを思い出した。恐らくその方も「PhD」が本来何たるかすら 知らない可能性が十分にありえる。(未認定校当事者の英語や学位に関する知識が 稚拙であることが多いということはこのサイトでも解説されている。) なにはともあれ、その方は掲示板上では最終的に自らの過ちに納得されていた。 ところが2~3ヶ月後、くだんのHPを見てみると相変わらず「営業活動」に 勤しまれており少々ショックであった。当該HPからご家族のHPにもリンクが貼られて いたので拝見すると、3人の子を持つ立派な父親なのだ。なおかつお仕事は 某高専の助教授とのことで、日本の教育者のモラルはどこに行ってしまったのか といったかんじだ。 さらに始末に負えないことに「某未認定校(自ら「卒業」したのとはまた別の 未認定校)の教官に就任」とある。公務員(高専の助教授)の兼業は禁止なのでは? 相変わらずHPではその学校が「いかに良い」学校であるか力説されていたが、 そこまでそれを信ずるのであれば、お子さんも全てそのプログラムに参加させる くらいの気概が欲しいと思う。大学院入学基準には「高卒でも可」とあるから 高校卒業後すぐにMBAなりなんなりに進ませることを是非ともお勧めしたい。 ←未認定校、非認定校、Degree Mill 学位工場、学位汚染関連リンク集 ブログHOMEに戻る |