再びライヴハウスに戻って
クラブクアトロ、
ロス・ロンリー・ボーイズの初来日公演。一晩限りというためもあろうけど、先日のトロンボーン・ショーティの倍近く入ってる?しかも、オヤジ率が極めて高い。この人はスタンディングのライヴなんて最後まで見られるんだろうか?って感じのおっさんがそこかしこに。加えて、そんなおっさんたちがヤケにテンション高かったりする(笑)。何か非常に待望感溢れていて、いつの間にLLBはこんなにおっさん層の厚い支持を受けていたのやら。
10分遅れ位でLLBが登場した際も熱狂的な歓声が飛ぶ。ステージ向かって左にグラサンのギタリスト、
ヘンリー、中央にドラムの
リンゴ、右にベースの
ジョジョ。このガルサ三兄弟はジョジョが長兄みたいだけど、MCはヘンリーと二人で担当。演奏はいきなりインスト・ナンバー。ジョジョのベースがフィーチャーされ、ヘンリーはハーモニカを吹く。合間に“ビリー・ジーン”とか“サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ”のフレーズもチラリ。長い前奏に続いて、やっと歌が入る。このバンドのメイン・ヴォーカルはヘンリーなのかと思っていたけど、むしろジョジョの方なのだった。後の二人もハーモニーをつける。ブルース・ロックなチューンはいかにもオヤジ好みだ。続いて、新譜からの“アメリカン・アイドル”。ヘンリーはワウワウ効かせたり、ギターを持ちあげて弾いてみたり。ああ、いかにもロックだねえ。歌詞にスペイン語は混じるけどサウンドのテックス・メックス色は希薄で、実にストレートかつ古風なロック・チューンが続く。
どこかで聴いたようなイントロで、これはカヴァー曲かな?と思うとオリジナル。そこいらも実にオヤジ好み。出だしは粗さも目だってどうなのかな?と思っていたけど、次第にヘンリーのギターが炸裂し始め、実に気持ちの良いノリになってくる。多くの地名を織り込んだバラード“ロード・トゥ・ノーホエア”が渋く、“トーキョー”に続いて“ニューオーリンズ”なのが嬉しかった。次の、また長めの前奏の曲あたりから、いよいよもって盛り上がってくる。ヘンリーのギターをベースを抱えたままのジョジョが弾くなんて遊び技も見せる。でもって“バンザイ”だの“アリガトー”だのを連呼。CDでも感じられた誠実さも好感。

“16モンキーズ”もライヴで聴くといいグルーヴだ。そして、日本の被災に触れて披露された“スマイル”には思わずグッとくるものがあった。そして、これは本当のカヴァー、スペンサー・デイヴィス・グループの“アイム・ア・マン”もサイコー。ここらまで来ると、もうとにかく理屈抜きに彼らの演奏に夢見心地になってくる。周囲がおっさん故、節度あるノリなのはよいけど、今宵は、あまり動かないことが少々物足りなく思えた。再び“日本に捧ぐ”ということでヒット曲“ヘヴン”を(ヴォーカルはヘンリー)。メロウな曲ながら、やっぱり“ハウ・ファー・イズ・ヘヴン”を皆で歌うのは楽しかった。早めのアンコールを1曲演って2時間弱の演奏ながら、これは大満足のライヴ。今時、いそうで案外いないタイプのバンド。やっぱ、ロックいいよな、オヤジだってたまには我慢して立って聴いちゃうぜ、みたいな渋くも熱い演奏だった。
ロック好きのオヤジたちが、こういうロックを待っていた感じがする。その飢餓感は存分に満たされたのではないか。勿論、僕にとってもだ。