CCレモンホール改め渋谷公会堂で
テデスキ・トラックス・バンド。
デレク・トラックスがオールマン・ブラザース・バンドのメンバーとしてツアーしていた際、前座?が
スーザン・テデスキで、二人は結婚。11人の大所帯のバンドは、彼らによるオールマン再現なのだろうか。ロス・ロンリー・ボーイズの時と同様、王道ロック飢餓状態?の人々でホールはいっぱい。定刻にメンバーは現れた。
1曲目、この曲は何か歌詞に聴き覚えがある。アレンジも全然違うけど、これはニルソンの“うわさの男”ではないか。ブギ調のアレンジである。テデスキはのっけから気合の入ったうたいっぷりで、このテンションで一人で歌って最後まで大丈夫なのかな?なぞと思ったけど、ご安心。伊達にメンバーが多いわけじゃないのだ。何よりギターがある。2曲名、4曲目のリードギターはテデスキで、これがなかなかかっこいい。デレクは専らスライドを弾き、テデスキはワウワウも効かせる。バックヴォーカルも2人いて、1人はヒスパニック?ソウルフルなハーモニーを聞かせ、サウンドにはばを持たせる。
6曲目では、トロンボーン走者が歌いながらメンバー紹介という粋な趣向。デレクはテデスキがソロを弾く時は楚々とリズムギターを弾いていたが、そろそろ本領発揮。ただ、フルートとの掛け合いは少々渋かったので、そこでトイレ兼頼まれていたTシャツを買いに走る(笑)。ブルース・ナンバーで、テデスキが渾身の歌とギターを聴かせて大喝采。続いて夫も負けじとエンジン全開。火の出るような長尺ソロを聴かせて圧倒する。合間にはスティーヴィー・ワンダーの“アップタイト”でノリノリ。ホーン陣に続いて、ベーシストがジョージ・ベンソンばりのソロを取る。更にツインドラムのソロと、さすがは技巧派集団。長いソロでも全く飽きさせない。
アルバム「リベレーター」からの“バウンド・フォー・グローリー”が通常セットの最後。まさに、ギターによる夫婦バトルが炸裂の圧巻の演奏。デレクが前に出すぎることなく、絶妙のバランスで各人の技を披露するステージは、実に心地良く痛快だ。アンコールは、アルバムからの“ミッドナイト・イン・ハーレム”で渋めに。勿論、このバンドは素晴らしいのだけど、テデスキのソロでも充分楽しめるのではと思えた。その位贅沢な内容なのだった。2時間半に近い熱演で会場にいたロックファンズは、先日のロス・ロンリー・ボーイズに続いて、ロックの醍醐味を存分に堪能出来たと言える。