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キートンMの日記 [全101件]

2007年3月18日楽天プロフィール Add to Google XML

平和というカタチ  (78) 
[ 戦争反対&歴史ネタ ]  

「戦争屋と話をすれば、平和を目指す努力以前に彼らの人間性の鈍感さにガッカリするが、
それ以上に反戦主義者の好戦性によって戦争を排除することに絶望を感ずる。」

B・H・リデル・ハート
(イギリスの著名な軍事評論家、軍事史研究者、戦略思想家、その優れた研究により晩年「サー」の称号を得た。)


またまた久し振りですが、キートンMです。

先月から怠惰な私を追い詰めていた仕事がようやく片付き、
久し振りにネットを覗いたら、いきなりリデル・ハート卿と同じような絶望に囚われたとです。

キートンMです… キートンMです…


まあ、某林さんも私みたいな
「日本という共同体の生存とか、繁栄とか、平和とかの為なら、(究極的には)手段を選ぶべきではない。
平和主義も国際協調も、軍事力の保持さえも手段であって目的ではないのだ。」
とか心の奥底で考えてる人間に偉そうな事を言われたくは無いでしょうけど(笑

しかし、常日頃思っている事ですが、
「平和」
という言葉は厄介です。

それをどんな人物が発しても、真っ向からその言葉自体を批判するのは躊躇われますし、
(「お前が言うな」的批判はされるでしょうが、言葉そのものは正しいものという事になるでしょう。)
誰しも平和という言葉を否定し、その逆のモノを愛好してるというレッテルを貼られるのは嫌ですからね。

しかし、その言葉の中身は…果たして人類共通のモノなんでしょうか?

極端な喩えですが、
日本人がイメージする平和な状態と、
北朝鮮の人達がイメージする平和な状態とは同じではないでしょう。
当然隔たりあるはずです。

平和…戦争の無い状態は多くの人々が望む事ですが、
その為に他者より多くのものを犠牲にしなければならないとしたら、
聖人や仏陀でも無い限りは、不満を抱く人は必ず出て来ます。
場合によっては、自らの犠牲の上に成り立つ平和を打破しようと考えるかもしれません。
歴史的に見ても戦争を起こすのは、その時代の秩序…平和のカタチに不満を持ち、
それを自らの都合の良いモノに造り変えようと考える勢力である場合が多かったりします。

世に争いが絶えないのは、
誰もが(私も含めて)自分の都合の良い平和のカタチを望んでいるから…
とも言えます。
ぶっちゃけて言うと戦争とは、利己的な平和主義者が引き起こす騒動なのです。

たまに

「世界中の人々が平和を守る意志を持てば戦争は無くなる。」

という意見を耳にする事がありますが、
世界中の人々が同じカタチの平和をイメージし、それを受け入れる事が現実的に可能なのか?
そもそも、世界中の人総てに等しく平和と繁栄の果実を与える事が出来るのか?
などと考えると、地に足の付かない実現不能な理想論と言わざる得ません。

なら、どうすれば良いの?

…と問われると正直困っちゃうんですが(笑

う~ん、

自らの望む平和のカタチと似たような平和を望む国と同盟を結び、
可能な限りそのネットワークを広げる事。
価値観を共有出来ない国に対しては、無理に友人になろうとせず、
短期的には、せいぜい冠婚葬祭以外には付き合いの無い親戚程度の交流に留める事。
(長期的には、相手をこちらの平和のカタチに染め上げる事が出来ればベストですが、
無理をすると双方に「自らの犠牲の上に成り立つ平和なんて意味が無い!」という人が出て来て、
争いの火種になりますからね。)

なんだか、悪しき現状の追認、問題の先送りに過ぎないじゃないかと言われそうな事を書いてますが、
私の頭ではこれ以上の事は思い浮かびません。

今回はこんな感じで…。


最終更新日時 2007年3月18日 18時38分25秒
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2007年2月8日

地球観測衛星「だいち」に迫る黒い影  (13) 
[ 時事ニュース ]  

中国破壊衛星の破片、「だいち」軌道に接近(朝日新聞)

~引用開始~

中国が1月に実施した人工衛星の破壊実験で発生した破片(デブリ)の軌道が、昨年打ち上げられた宇宙航空研究開発機構の地球観測衛星「だいち」の軌道に南極上空で約1.4キロまで接近していることが、九州大の平山寛助手(宇宙工学)の解析でわかった。南極上空に同時期に来ない限り衝突の危険は少ないが、デブリの軌道は刻々と変化しており、宇宙機構も監視を強めている。

 宇宙機構によると、今回の中国の衛星破壊で発生した直径10センチ以上のデブリは約650個。現在は地球を囲む輪のように拡散しており、今後は地球全体を覆うように散らばっていくとみられる。

 平山さんはデブリを監視、追跡している北米航空宇宙防衛司令部が公表した軌道データを使い、約650個のデブリとだいちの軌道を比較した。その結果、高度約700キロのだいちの軌道に、南極上空で約1.4キロまで接近するデブリが見つかった。10キロ以内に近づくデブリは、計18個あったという。

 だいちとデブリは、いずれも南北両極の上空を通過する極軌道を飛んでおり、両極付近で軌道が近づく。平山さんは「10センチ以下の小さなデブリは追跡できておらず、さらに接近するデブリがあるかもしれない」と話す。

 デブリの軌道は地球大気の空気抵抗などで変化する。宇宙機構はデブリの解析を続け、「今のところ衝突の恐れはない」とするが、だいちを運用する富岡健治・プロジェクトマネジャーは「危険性が増したのは間違いない。10センチのデブリが衝突すれば衛星は壊れるだろう。今回の実験にはとにかくあきれた」と話す。

~引用終了~


中国外務省の劉建超報道局長は、1月に行った人工衛星の破壊実験について会見で「いかなる国に向けたものでもなく、いかなる国にとっても脅威にならない」と述べていたワケですが、
早速日本の宇宙開発に大きな脅威を与えているようです。

というか、地球観測衛星「だいち」にもしもの事があったら、ちゃんと打ち上げ費用込みで弁償してくれるんでしょうか?
(打ち上げ費用約101億円、衛星開発費約547億円)
JAXA、宇宙航空研究開発機構にはただでさえ、お金が無いんですから…。

まったく、
日本の経済水域内で無断で海洋調査を繰り返したり、
原子力潜水艦を日本の領海内に侵入させたり、
酢豚にパイナップルを入れたり、
無責任、好き勝手するのは国内だけにして欲しいもんです。

中国が世界の超大国を目指すなら、それなりの義務と責任を果たさなきゃ駄目ですよ。


最終更新日時 2007年2月8日 18時53分59秒
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2007年2月2日

下ネタは笑えない芸人最後拠り所  (5) 
[ 時事ニュース ]  

中国で尻出しのトミーズ健、活動自粛 「ぼくが馬鹿」(朝日新聞)

~引用開始~

漫才コンビ、トミーズの健さん(47)がテレビ番組の中国ロケで尻を露出し、地元の公安当局の聴取を受けた問題で、吉本興業は2日、健さんの芸能活動全般を当面自粛し、関係社員5人を処分したと発表した。
健さんは会見で「ぼくが馬鹿でした。反省しています」などと沈痛な表情で話した。

同社によると、朝日放送(大阪市)の番組制作で海南島で撮影中、健さんが仏教寺院や混浴温泉などで計4回、尻を出すギャグを演じた。
台本にない即興だったという。

同社は同日付で、撮影現場にいたプロデューサー1人とその上司を戒告、制作センターの管理職3人を厳重注意とした。
今後はタレント・スタッフに、国内外を問わず再発防止のため慎重な行動を求める方針。

~引用終了~


このニュース、私は今日初めて知ったんですが・・・
またですか・・・

10年くらい前に、お笑い芸人(と言ってもあんまり面白くない)「江頭2:50」がテレビ東京の番組のトルコロケで全裸になり、現地の人達の大顰蹙をかい、
後に猥褻物陳列罪でトルコ警察に逮捕されるという事件がありました。
この事件は国営放送によってトルコ全土に報じられ、日本のイメージを大きく傷付けたと言われています。

こういった問題が起こる度に日本のメディアは自主規制を行い、相応の成果があったと自画自賛するんですが、
ほとぼりが冷めるとまた、今回のような事件を繰り返す・・・
まったく、政治家や企業の不祥事をよく偉そうに糾弾出来るもんです。

問題を起こしたメディアは一定期間海外ロケを禁止するとか、公的な罰則基準を設けた方が良いんじゃないですかね?


最終更新日時 2007年2月2日 22時36分19秒
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2007年1月31日

走らないメロス  (6) 
[ 戦争反対&歴史ネタ ]  

無防備地域 条例案を提案 堺市臨時市議会(朝日新聞)

~引用開始~

堺市の臨時市議会が29日開かれ、市民の直接請求による「非核・平和無防備地域実現のための条例案」が提案された。会期は2月8日までの11日間で、最終日の本会議で採決される見込み。

条例案は、「条例を実現する市民の会」が無防備地域への攻撃を禁じたジュネーブ条約第1追加議定書に基づいて地域と住民を守るため、直接請求に必要な法定数を上回る1万9308人の署名を添えて市に提出した。

市議会への提案に際し、「要件となる戦闘員・軍用設備の撤去などの権限が国にあるため、地方公共団体は無防備地域の宣言はできない」などとする木原敬介市長の意見が付記された。

~引用終了~


これまでも、彼方此方の自治体で同じような条例案が提出され、
その度に否決されて来たのですが、それでも懲りずに、
ついに、我が家の近所にまで無防備都市宣言という魔物がやって来たようです。

くわばら くわばら



…う~む、そうじゃ、良い機会じゃから今宵は少し昔話をしましょうかのう~。


むか~し、むかし、イエス=キリストが生まれるより400年も前のお話。
ギリシアはペロポネソス半島南端から少し離れた所に、
「メロス」という名の島があったそうな。

そこには、軍事都市国家「スパルタ」からやったきた民が交易国家を作っておっての、
近隣の都市国家は言うに及ばず、イタリア半島や小アジアの民とも交易し、それは栄えておった。

根っからの商売人だったメロスの民はのう、当たり前の事じゃが、
商売の邪魔になる戦争とか、軍事同盟が大嫌いじゃった・・・


「商売には国境は無いが、国防には国境があるので商売の邪魔になるし、
国民が武装すれば、交易相手国に疑心を抱かせていらぬ緊張を生んでしまう。
って言うか、無害な交易国家でいれば戦争を仕掛ける国なんて無いんじゃないの?」(ちょ~意訳)



今でも似たような話をする人がおるのう…。
メロスの人々はこのような事を言って、当時の二大勢力―アテナイを盟主とする「デロス同盟」、
スパルタを盟主とする「ペロポネソス同盟」のどちらにも入らず、
どちらとも友好的に商売をしておったそうな。
・・・今で言う、非武装中立じゃな。

しかしのう、デロス同盟諸国とペロポネソス同盟諸国が戦争を始めると、
メロスの八方美人な生き方も上手くいかなくなってくるのじゃ。

戦争が始まっても、メロスの民はデロス同盟と商売を続けておったのじゃが、
メロスは元はと言えば、アテナイの敵であるスパルタからの入植者が作った国。
何時、ペロポネソス同盟側に付くかわからん。

「ならば、スパルタがメロスを手中に収める前に、我々がメロスを手に入れるのだ。」

こう言ったかどうかは知らんが、
メロス島に軍率いてやって来たアテナイ人どもは、話し合おうとするメロスの民を鼻で笑うかのように、
男を皆殺しにし、女を奴隷として売り飛ばし、役に立たぬ子供は船に乗せて海に捨てた。
しかし、アテナイの蛮行に怒りを覚えた者はいたものの、メロスを救おうとする者は誰もいなかった―。
故郷であり、アテナイの敵だったスパルタさえもメロスを救わなかったそうな。

これが世に言う「メロス島の悲劇」じゃ。
一般的には、アテナイの愚行と言われておるが・・・
わしには、メロスの民も同じぐらい愚かに思えてならん。

一度争いが起こってしまえば、無防備である事自体が悲劇を生む原因になる。
お客人は、己すら守ろうとしない者を、命を賭してまで救おうとする物好きがいると思いますかな?
敵に占領された都市の数々の悲劇は語るまでも無いじゃろう。


最終更新日時 2007年1月31日 23時56分36秒
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2007年1月15日

お金!お金!お金!―のおはなし。  (6) 
[ 戦争反対&歴史ネタ ]  

『将軍諸君はクラウゼヴィッツを知っているようだが、戦争経済をご存知ではない』
                         
~アドルフ・ヒトラー~



「戦争反対」のカテゴリーが、ここ数日は「徴兵制」のカテゴリーになった感がありますが…
今回は兵隊さんを雇うにも、兵器を買うのにも必要な「先立つもの」のお話。
平成18年度、日本の防衛予算の歳出総額は―4兆7906億円。
厳しい財政状況の中、安全保障分野でさえ聖域である事が叶わず、
前年度に比べ0.8%、394億円減の4年連続マイナス予算です。
(それでも何故か「日本は軍拡している」と主張される方は後を絶ちません。)

その内で人件・糧食費(給料と食事代)がなんと2兆1337億円!…防衛予算全体の四割強が使われています。
何故これほど人件費が高いかと言うと、自衛隊が志願制を採用し自衛官に他の公務員とほぼ同水準の給料を支払っているのと、
日本の人件費自体が世界最高水準である事が理由として挙げられます。(物価も高いですからね。)

まあ、人件費が防衛予算(軍事費)に占める割合が高い…というのは日本だけに限った話では無く、
日本と政治体制の近い国―早い話が先進国―は多かれ少なかれ、人件費の高さに頭を痛めているんですが(笑
だからでしょうか…01月11日の日記でも書いた、
「RMA」(レボリューション・イン・ミリタリーアフェアーズ)、軍事における革命―
旧共産圏軍に対する量の劣勢を質で補おうと冷戦末期から始まった軍の近代化の動きの中で、
流行しているのが、「兵器の省力化」です。

例えば、1988年~91年に完成した海上自衛隊の汎用護衛艦「あさぎり」型の乗員は220名ですが、
1996年から配備された汎用護衛艦「むらさめ」型では、船体自体は大型化したにも関らず乗員は165名と、
50名以上、人員が削減されています。また、陸上自衛隊の74式戦車の後継として開発された90式戦車は、
装備のハイテク化によって、乗員を74式の4名から1名少ない3名に削減しています。
他では、危険な偵察任務等を各種無人兵器に任せようという動きも盛んですね。

これらの努力で何とか人件費を抑えようとしているんですが、
「あちらを立てればこちらが立たず」
の言葉通り、省力化されたハイテク兵器は当然の事ながら高価になり、
省力化で浮いた予算がハイテク兵器の生産に消費されてしまうという事になっているようです。
かと言って、ハイテク化せずに兵士の数だけを揃えてもハイテク化された軍隊には敵わない…。

私が、
「防衛省に昇格→憲法改正→軍拡&徴兵制復活、ああ、軍靴の足音が…」
と言った心配性な人の意見や、
「日本は空母(運用するには多く…1隻あたり四桁以上の人員が必要)を保有したりして本格的外征軍に脱皮すべきだ!」
と言った景気の良い人の意見に懐疑的なのは、
主に「日本の財政状況や予算体制では、それに必要な資金を捻出出来ない。」
という金銭面の問題が頭から離れないからです。(貧乏性ですかねw)

「なら、防衛予算を増やせば良い、対GDP比をEU主要国並にするだけで現在の2倍程度にはなるだろう。
お前は金の事ばかり言って安全保障の事をちゃんと考えてるのか!」


某掲示板で自論を展開して、こんな感じのお叱りの言葉を頂いた事もあります。
しかし、イギリスなどEU諸国はGDPに占める国家予算の割合が大きかったり(所謂『大きな政府』です)しますので、
日本がEU諸国並に防衛予算を増やそうと思えば、何らかの手段で財源を作らなければいけません。
ですが、道路特定財源の一般財源化でさえ(細かい事を言うと、この一般財源化の論理もおかしい所があるんですが今回は割愛)思うようにいかない日本の政治状況で、
5兆円近い財源を新たに確保するのは、かなり困難だと言えるでしょう。
…国民の支持を得られるとも思えませんしね。


ですから、空母を建造(人もお金も足りない)したり、徴兵して自衛官の数を万単位で増やしたり(徴兵しても装備させる武器を用意出来ない)するのは、
法律を作ろうが憲法を改正しようが、「先立つもの」が無いので無理だと私は考えています。



最終更新日時 2007年1月15日 23時16分22秒
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2007年1月12日

EUの武器禁輸解除、中国が日本に協力求める  (4) 
[ 政治&社会問題ネタ ]  

EUの武器禁輸解除、中国が日本に協力求める(読売新聞)

~引用開始~

【北京=末続哲也】中国外務省の劉建超・報道局長は11日の定例会見で、安倍首相が欧州歴訪中に欧州連合(EU)の対中武器禁輸措置の解除に反対を表明したことに関し、「理屈に合わない」と反論した。

 さらに、「いま、中日関係は新たな出発点にある。中日関係発展のため、ともに努力できるよう望む」と述べ、間接的表現で日本に禁輸措置解除への協力を求めた。

~引用終了~


ああ、こんな時、我々日本人はどんな顔をすれば良いんでしょうね(笑

日本の領海に原子力潜水艦を侵入させたり(国によっては撃沈されても文句は言えませんよ)、排他的経済水域内において無断で海洋調査を繰り返す国に旧西側陣営の軍事技術を流入させて良いだなんて、現時点で日本の首相が発言するワケ無いでしょう。

…たぶん。


中国側はどのような理屈で「日本はEUの禁輸措置解除への協力すべきだ」と考えてるんでしょうね?


最終更新日時 2007年1月12日 21時30分2秒
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2007年1月11日

徴兵制の誰彼~たそがれ~  (16) 
[ 戦争反対&歴史ネタ ]  

ふー、びっくりした。
長期出張やら、だらけた生活を送って日記の更新をサボってるうちに年が明けていたようです…orz
遅くなりましたが、みなさんあけましておめでとうございます。


さてさて、新年早々「防衛庁」が「防衛省」になったりしたワケですが、
「これを期に徴兵制が復活して日本が戦争の道を歩むのではないか?」
と危惧する人が少なからずいらっしゃるようです。
なぜなのかしらん?


というわけで、今回は徴兵制についてあれこれ考えてみようと思います。
(JSFさんの「徴兵制シリーズ」で語り尽くされているような気もしますがw)


さて、現在、日本を含む先進国の多くが志願制を採用しています。
東西冷戦時代は徴兵制だった国…イタリア、フランスも冷戦後、軍を再編し志願制に以降しました。
先進国…サミット参加国で徴兵制を採用しているのはドイツぐらいです。
(ドイツでは、徴兵制廃止の気運こそあるものの、良心的兵役拒否者による福祉事業への奉仕活動を穴埋めする財政的な余裕が無い事から、
徴兵制度を存続させています。)

では何故、先進国の多くが徴兵制度を採らず志願制を採用しているのでしょうか?


以下の理由が挙げられます。


1.軍隊のハイテク、プロフェッショナル化

1990年代から爆発的に進歩した情報技術によって軍隊、兵器システムが大きく変化しました。
所謂RMA(レボリューション・イン・ミリタリーアフェアーズ)、軍事における革命です。
これによって兵器は…大は水上戦闘艦から、小は歩兵にいたるまでハイテク化が促進されています。
しかし、それらを扱う兵士は既存の訓練に加え、デジタル化された情報端末を扱う訓練、
情報端末から得た情報を活用する訓練までしなければいけません。
(初期のRMA化兵器は効果よりもむしろ扱う兵士に与える負担の方が大きかったという話も)

また、冷戦後の低脅威度紛争、PKO任務、対テロ作戦など任務の多様化が兵士のプロフェッショナル化を促しています。
徴兵制による限られた時間内での訓練では、それらの負担に耐える兵士を生み出せない…
という現実が、先進国の徴兵制度を黄昏へと誘う原因の一つ、と言えるでしょう。
(勿論、冷戦終結による軍事費削減、軍のコンパクト化に対応しての動きでもあります。)


2.戦争コストの増大

軍隊のハイテク化に付随する問題です。
RMA化された軍隊は確かにRMA化されていない軍隊に対して圧倒的に優位に立てます。
しかし、RMA化された軍隊には致命的な弱点があります。

それはお金…

既存の兵器をハイテク化するワケですから、当然その分お金が掛かるんです!

例えば、軍隊において最も低コストな存在であるはずの歩兵―簡単に言うとヘルメットを被りライフルをもった人達―
にさえハイテク化、高コスト化の波は押し寄せています。

アメリカ軍のランドウォリアー、フランス軍のFELIN、南アフリカ軍のアフリカン・ウォリアー、
自衛隊の先進装具システム、などの計画は歩兵にレーザー測定器や情報端末、ヘルメットに様々な情報を表示する小型ディスプレイなどを装備させ、ハイテク化し歩兵の能力を向上させようというモノです。
この中で唯一値段が分かっているアメリカ軍のランドウォリアーが1セット45000ドル(プロトタイプ、約536万円)也。
歩兵に約500万の装備を着せて銃やら弾を持たせて、装備が故障したら大変ですから予備を用意して…と考えると、
とてもじゃありませんが、徴兵する余裕は今の日本にはありません。
現在の規模の自衛隊でも装備の更新には苦労しているんですから(笑


3.少子高齢化

先進国は多かれ少なかれ何処も少子高齢化に悩まされています。
労働人口は減少し、当然、軍隊に入る若者の数も不況でない限りは減少するのは避けられないでしょう。

「だから徴兵制を採用して軍隊の規模を維持するんでしょ?」

と仰る方もいるかもしれません。
ですが、軍隊とはそもそも非生産的なものです。
そこに人的資源を集中させれば、当然産業等、他の分野に配置すべき人的資源が不足してしまいます。
そうなれば、国力は低下し、たとえ国民に無理を強いても必要な時に必要な物資を軍隊に用意出来なくなるでしょう。
太平洋戦争時の旧日本軍のように、

「兵隊さんは用意出来ても、兵隊さんに待たせる武器、弾薬その他装備は用意出来ませんでした。」

という事態に陥ってしまうかもしれませんね。
戦争は前線…戦場だけで行うものでは無いのです。



以上ご異論がある方もいらっしゃると思いますが、
サイレントマジョリティを考慮にいれて決定させてもらいます。
…日本で徴兵制が復活する可能性は、上記の理由でかなり低いと言えるでしょう(笑




最終更新日時 2007年1月12日 0時12分46秒
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