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【巨竜むさぼる 中国式「資源」獲得術】番外編 中国広東省の省都、広州市が広州アジア大会の余韻に浸っていたころ、数百キロ離れた同省内のある村では労働者が黙々と“電子ゴミ”と化したパソコンや携帯電話を解体していた。世界中から不要となった電子機器が集まる貴嶼(きしょ)村。健康への影響も顧みず、村を挙げてゴミ処理事業で生計をたてる「電子ゴミの街」を訪れた。(スワトー市貴嶼村 川越一) 広州東駅から列車で約7時間。スワトー市内でタクシーに乗り換え、つぎはぎだらけの舗装道路を飛ばした。路面からの衝撃に耐えること1時間余り。ほこりっぽい通りに「電子」と書かれた看板が目立ち始めた。目的の地、貴嶼村は息苦しさを感じる街だった。 村内を流れる小さな川はよどみ、乳白色に濁っていた。川にかかる橋を渡ると、その先一帯には小さな工場が立ち並んでいた。路上の至る所に電子機器が積み上げられている。その脇では労働者が素手で機器を解体し、金属や電子部品を取り外していた。 機器や袋に書かれた文字は英語、日本語、ハングル、アラビア語…。経営者の男性が不機嫌そうに言った。「国内のモノも、海外のモノもある」。作業場をのぞこうとすると、体を寄せて視線を遮った。 貴嶼村には5500軒以上の廃棄物処理工場があるという。かつては主に鉄やプラスチックなどを扱っていたが、1980年代半ばから、香港などを経由して、廃棄された電子機器が集まりだした。目的は機器に使用されている希少金属。労働者は、パソコンのケーブルから銅線を取りだし、基板を酸性液に浸して金を抽出する。 6年前、安徽省から同村にきた30代の女性によると、鉄は500グラム集めて1?2元(約12?24円)、アルミニウムは500グラムで6元という。月収は夫婦で約1300元(約1万6千円)。年収にして約1万5600元(約20万円)となる。 2009年の農村部の平均年収は5153元(約6万5千円)だから、割のいい仕事に映るのだろう。 「お金が欲しいから…。ここに来て結婚して、子供ももうけた」と話す彼女のように、出稼ぎ労働者が約10万人流入し、村の人口は約30万人に膨れあがった。 ◇ 電子ゴミ処理は危険と背中合わせだ。基板から部品を外す際に鉛が発生する。回路基板の酸洗浄は皮膚に悪影響を及ぼす。分解の際に使った溶剤は川に垂れ流されている。 地元の大学が03年末から04年にかけて行った住民の健康調査では、1?6歳の子供165人のうち、135人が鉛中毒と判定された。同村の妊婦は福建省アモイ市の妊婦よりも死産の割合が6倍も多いという調査結果もある。 それでも、労働者は手を休めない。マスクや手袋を着用するなどの自衛策を講じることもない。電子ゴミの海で選別作業をしていた40代の女性は「マスク? そんなもの使う必要ない。プラスチックの溶解と違って直接、体に入らないから関係ない。毒があったら、どうしてまだ生きていられるの?」とうそぶいた。 影響がないのではない。知らないのだ。「病気なんてない。あっても分からない。健康診断? やったことなんかない。貧乏だから健康診断になんて行きたくない」。その女性はそう話す間も、電子ゴミの山との格闘を続けていた。 中国政府は2000年に電気電子廃棄物の輸入を禁止した。禁止品目を増やし、地方政府に法令順守を促してきたが、貴嶼村に運び込まれる電子ゴミは一向に減らない。 年間100万元(約1250万円)を稼ぐ経営者もいるらしい。労働者に過酷な労働を強いて手にした金で、スワトー市中心部にマンションを買うのがブームなのだという。村の路上で遊ぶ男児ははだしだった。 「電子ゴミの街」にもまた、中国全土を覆う貧富の格差の縮図があった。 外国で血眼になって資源を獲得している中国。国内には“ゴミ”からも資源をかき集めようとする人々がいた。次回は、資源をがぶ飲みしているような中国にあって、省エネに取り組む珍しい農村を紹介する。 【関連記事】 「おもちゃドクター」全国で活躍中 安全に配慮、子供の夢つなぐ PCメーカー 梱包削減進める 輸送効率改善 業績にも効果 ごみ収集車こそ無駄…分別34種類の「聖地」 秋川渓谷に粗大ゴミ420キロ不法投棄 容疑の男2人逮捕 ごみの山、騒音、におい…住宅地に迫る 米国のアンドロイド訴訟 新産業本質浮き彫りに 引用元:FF11 RMT │<< 前へ │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |