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カテゴリ:コスメ研究
論文書きと研究に追われて更新できなかった・・・。
今回はその研究のひとつを。 最近『ナノ化化粧品』というものが頻繁に店頭に並ぶようになりました。 一般の人から見ると『ナノ化(分子量を小さくする)した成分が皮膚の深くまで浸透し、効果を発揮』などといわれると『そっか~、それはすごそうだ!』と思いますよね。 しかし、これには大きなウソ・落とし穴があります。 そもそも皮膚は分子量700以上の成分を通さないように出来ています。 菌やウイルスも大きいので、皮膚から進入することはできません(怪我をしている場合は別です)。 美容成分として『魅力的』な成分(例えばコラーゲン・ヒアルロン酸など)はとても分子量の大きな成分です。 例えるなら、皮膚の隙間を『ザルの網目』とするならば、コラーゲンは『バスケットボールほどの大きさ』となります。 どうです? 皆さんは『ザルの網目にバスケットボールを通す自信がありますか?』 不可能ですよね そこで登場したのが『ナノ化』という技術です。 ナノ化とは『バスケットボールを小さくする技術である』というイメージを与えているようですが、それはまったくのでたらめです。 バスケットボールはあくまでもバスケットボールであり、『その大きさ』があるからこそバスケットボールなのです。 ナノ化とは『バスケットボールをハサミき切り刻み、ザルの網目を通るまで細かくする技術』ということです。 確かに、こうすればザルの網目を通ることは出来るでしょう。 しかし考えても見てください。『細かく切り刻んだバスケットボール』はバスケットボールなのでしょうか? それはバスケットボールではなく『元バスケットボール』『バスケットボールの原料』にすぎません。 ではコラーゲンは? コラーゲンの原料は『アミノ酸』です。 極論ではありますが、『アミノ酸=ナノ化したコラーゲン』です わかります? 『安価なアミノ酸入り化粧品』と『効果はナノ化コラーゲン化粧品』はほぼ同じということです。 唯一『可能性』があるとするならば、ナノ化コラーゲンは『コラーゲンを作っていたアミノ酸』ですから、繊維芽細胞がアミノ酸からコラーゲンを作る際に、すべての材料が揃っていることくらいですね。 でも、私から言わせれば、こんなもの『お肉やお魚、卵、お豆腐をバランスよく食べていれば十分なのでは?』と思いますよ、実際。 私はその専門家ですから『説明のウソ』を見分けることができますが、私だって『専門外の説明』にはコロッとだまされてしまいます(その後に、専門の友達から『ありえないでしょ!』と笑われてしまします・・・)。 この世の中、イメージ先行のだまし文句ってとても多いんですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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