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2012年01月04日 楽天プロフィール Add to Google XML

 百田尚樹「プリズム」読了 ネタばれあり
[ 読書 ]    

百田尚樹「プリズム」を読み終えました。


【送料無料】プリズム

あらすじをWeb書店などで公表されている範囲で書いておきます。

主人公の聡子は、家庭教師として世田谷の豪邸 岩本家に通うようになる。
教えるのは小学4年生になる修一。
修一の父親は会社経営者、母親はモデルかと思うような美女。
完璧に見える岩本家の離れには謎の青年が住んでいた。
青年は攻撃的で荒々しい態度で聡子に接してきたと思えば
別の日には陽気で人当たりよい態度で聡子に話しかけてくる…
かと思うと、知的で紳士然とした穏やかな態度で聡子との会話を楽しんだり……。
会うたびに変化する青年の態度に困惑する聡子が質問しても
岩本家の人間は皆、その青年については多くを語ろうとしない。
聡子はその青年に興味を持ちはじめ、
親しくなるとともに、彼の秘密を知るようになる。
そして同時に、自分が彼に魅かれていることにも気がつく。
決して成就しない恋なのに。


ここから先はネタばれもありますので
ご承知の上で読んでくださいね。


上にはぼかして書きましたが
聡子が恋する彼というのがいわゆる多重人格者です。
しかも、恋愛対象となったのが「代替人格」、
つまりは神経内科治療によって、最後は消滅する運命の人なのです。

そういう意味で成就しない恋愛であるし
そもそも聡子は結婚しているので
法的にも許されない恋愛。

「プリズム」は百田尚樹 初の恋愛小説なのだそうですが
私はこの小説の恋愛部分には全くキュンときませんでした。
シチュエーションは最高に複雑であり
ときめく要素満載なはずなのですが、
聡子と相手の多重人格者たちの心理があまりにも
「ありがちなことよね」と思えてしまうんです。
ツィッターなどでは「胸がキュンとした」「切ない」という感想が
あふれているというのに…
私ってひねくれ者だ…と少々自己嫌悪に陥るのでした。

それ以外にも物語の冒頭で描かれる
聡子と夫の不妊治療に関しても、
あとになって「なぜあの話が必要だったのかな」と思うことしきり。
多分、聡子が不妊治療で軽い鬱になりかけ
気分転換も兼ねて週4回、家庭教師にでかける動機となった…
また夫が浮気をしているのもそれが理由の一つかも…
という流れなのかと理解したのですが、
その部分も何だかなぁ…。
実際に治療を体験した者にとっては
あまりにも定型的な扱われ方だと思い
愉快ではなかったのです。
これはきわめて個人的な感覚なので
参考にならない方も多いかと思います。


反面、面白いと思えたのは
多重人格者(解離性同一性障害)のなりたちや
治療方法などが書かれている部分。
非常に興味深かったです。
むしろその部分をクローズアップした医療ミステリだったなら
面白く読めたのではないかなぁ。(あくまでも私は、ということです)

とにかく、同じ百田尚樹の作品
「風の中のマリア」
「永遠の0」の時のように
ドキドキするような躍動感やきらめき、
胸が締め切られるような思いが湧かなかったのですが
面白かった部分もあったということで
お勧め度は
★★★☆☆



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最終更新日  2012年01月04日 21時11分46秒
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