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百田尚樹「錨を上げよ」上下巻 読了しました。
【送料無料】錨を上げよ(上) 【送料無料】錨を上げよ(下) この小説、まずは量的なものに圧倒されます。 上下巻で1200ページ。 原稿用紙にして2400枚なんだとか。 最近は太い本は売れなんだそうですね。 私はあまのじゃくだから、分厚い本大好き。 「読むでぇ~」と力が入るのです。 そんな私でも初めて上下巻2冊そろえて持った時には 「すごい…」と驚きあきれました。 ストーリーは、簡単に言ってしまうと 大阪の下町に生まれた作田又三という男性の一代記。 一代記といっても、小説が終わった段階で 又三は40歳にもなっていませんが その人生は山あり、谷あり、 ケンカあり、違法行為あり、 命の危険まで感じる波乱万丈ぶり。 そして又三は、同志社大学中退やテレビ制作に携わるなど 作者本人を投影した部分が多いようです。 そのせいか、一つ一つのエピソードは描写がリアルで めっぽう面白いと思いました。 高校時代のケンカや いくつかの恋愛、 バイクを飛ばしてのあてのない旅、 北海道でソ連の主張する領海に入り込んでのウニの密漁、 果てはタイでの大活劇…。 単独で見るとエピソードはすべて面白いのですが、 いかんせん長ぎる… いくら刺激的で面白いものでも ずーっとそれが続くと、刺激的でなくなってくるんです。 音楽でも激しいリズムばかりが続くと 耳が慣れてしまって単調に感じるように。 しかもすべての出来事がほぼ時系列に並べられているため よけいに単調に感じられてしまいました。 場所や対象は変わってもだいたい 周囲と合わせることが出来ない又三が ●何かを頑張ってみるけれど、我慢しきれずケンカ ●恋愛するとのめり込み、手痛い失恋をしてしまう ●しかし肝が据わっていて、危機を乗り越えるのがうまい (その部分は、又三頑張れ!良くやった!と痛快) の3つのパターンの繰り返しなのも単調。 もちろんそれは、人間は同じことを繰り返してしまうもの、という 真実の一面を描いてはいるのですけど、 私は読んでいる間中ずっと 「で、この船はどこにむかってるネン? それで錨はいつ上がるネン」とツッコミを入れていました。 (下巻最後に「ああ、やっと錨が上がった~」でした) でも、長編の中にキラキラしたものがいっぱい 散らばっているのは事実。 余計なお世話なのはよーくわかっていますが 部分部分を切り取って( 高校編、大学編、密漁編くらいに) 小説にしてくれた方が 面白く読めたかもしれないなぁと思います。 私は百田尚樹が好きだけど、 この本に限っては「おもしろいよ!!」とは 言いきれないものがありました。 お勧め度は ★★★☆☆ です。 あ。 男性の目で読んだらもしかしたら面白いかも。 それから、この小説の時代背景は ひどく懐かしかったです。 私は百田尚樹より年下ですが、 描かれている大阪の風景にうっすらと記憶があるので。 特に、最初の方で大阪の街に 傷痍軍人さんが座っている…という場面に 今までずっと忘れていた光景がブワっとよみがえりました。 私が幼稚園から小学校入学くらいまでのころ JR大阪駅と阪神百貨店と阪急百貨店をむすぶ通路や歩道橋に おじさんたちが空き缶を前に座っていた姿を。 その方たちは一様にどこか怪我を負っていて (腕や脚がない) 子ども心に怖くて悲しかったものでした。 その方たちが傷痍軍人さんだと理解できたのは もう少しあとのこと。 でもいつの間にかその姿が見えなくりました。 多分、大阪万博が開催された1970年ごろを 境にしているように思います。 そういう時代をよくご存じで、 学生運動吹き荒れる頃に学生だった方には ★★★★☆ です。 これまで読んだ百田尚樹作品の感想はこちら (好きな順番に並べました) ↓ 「永遠の0」 「風の中のマリア」 「輝く夜」 (のちに「聖夜の贈り物」に改題されています) 「プリズム」 今日のブログを気に入って下さったら ↓ポチっとクリックお願いします。 人気ブログランキングへ [読書]カテゴリの最新記事
私はただ今小林秀雄さんの作品を読み直して居ますが、小林作品で何かお勧めの本が有れば教えて下さい。当時は雑誌や新聞に掲載されたものを読んでいました。インターネットで検索して聞き覚えの有る作品から再読を始めて居ますが、照準が定まらずに困って居ます。(2012年02月07日 01時02分01秒)
みんみnさん
>私はただ今小林秀雄さんの作品を読み直して居ますが、小林作品で何かお勧めの本が有れば教えて下さい。当時は雑誌や新聞に掲載されたものを読んでいました。インターネットで検索して聞き覚えの有る作品から再読を始めて居ますが、照準が定まらずに困って居ます。 ----- こんにちは。 書き込みありがとうございます。 あいにくなんですが、私は小林秀雄の著作を ほとんど読んだことがないのです。 大学受験の時に 「これくらいは押さえておかなきゃいけないだろう」と 「モォツアルト」「無常といふこと」を読んだくらいで… お恥ずかしいです。 頼りにならなくてごめんなさい。(2012年02月07日 19時19分43秒) │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |