プルービングプルービングとは耳慣れない言葉ですが、新しいレメディーを開拓するときの実験のようなものです。 現在、ホメオパシーのレメディーは約3000種類あると言われています。 こうして、書いている間ににも世界中で次のレメディーが開発されています。 ではどうやってそれをするのか、ここで説明しましょう。 先ず、まだレメディーとして認知されていない物質を選びます。 例えば、秋刀魚を選んだとします。 秋刀魚をアルコールと水を混ぜたものに漬けて2~3週間置き、それを濾過します。これが、mother tincture と呼ばれる原液となります。 これを水とアルコールで段階的に薄めて行き(ポーテンシの項を参照のこと)30Cをプルービングでは普通使います。 健康な老若男女(子供も入れば尚良い)を20人くらい集め、30Cで作られたレメディーを与え、1日1回、合計3日間、服用してもらいます。この際、Blindと言って、その方達にはレメディーが何であるかを知らせません。何故なら服用する前に知ってしまうとその物質に対するイメージが生まれ先入観を抱き、症状に変化が起こりやすくなるからです。 また、この20人の中にはPlaceboープラセーボ(偽薬)と言って、ただの水とアルコールを服用させられている人も含まれます。この手法は新薬の開発時にも取られる臨床実験の方法の一つです。 そして服用した日から最低2週間、細かく色々な症状をノートに書いてもらいます。それには時間と身体の部位とその様子についてかなり詳細な記述が必要です。 例:○月○日、午前9辞30分 突然、右耳に耳鳴りがして、キーンと言う音が30秒くらい続く。 ○月○日、午後8時25分 夕食の後片付けをしながら急にイライラして、大声を出したくなり、 子供に八つ当たりしてしまう。その後に、自己嫌悪に陥るが、イライラ 感は収まらず、飛び出したい衝動に駆られる。 と、言う具合です。 そしてこのデータを集めて、そのレメディーのMateria Medica(マテリア・メディカ)を作るのです。 その中に「午前3時に目が覚めてそれから朝まで眠れない」と言う症状を訴えた例があれば、そう言う症状でクリニックを訪れる人にこのレメディーが合うと言うことになります。 これが、ホメオパシーの本質で「Like cure like」なのです。 つまり、ある物質が健康な人にもたらす症状と同じ症状を持っている患者をこの物質が治すことが出来る。これが、ホメオパシーの基本理念なのです。 ホメオパシーがレメディーとして開発していくものは目に見える物質ばかりではありません。 すでに認知されたものの中には「太陽」「月」などもあります。 また、アルコールや水に溶けない物質(ダイヤモンド、ルビーなど)もレメディーとしてすでに認知されています。 こう言った珍しいレメディーについては別の項でこれから説明していきたいと思っています。 |