親父の手・・・
もうすぐ、44歳になる(カウントダウン中です)・・・気がつくとオッサンだな~俺も。こういう節目の時にしか亡くなった親父のことを思い出さない・・。今日、何気なく裁断してた。この裁断包丁・・・親父の愛用品だった。これも、今は俺が使ってる。コイツを使うと・・こういう風に芯地を曲線で垂直に切り落とせるんだ。言ってみると・・親父のシャツ屋魂の形見のようなもので・・・今は、俺の愛用のこだわりの逸品なんだ。話し変わるけど、40才過ぎて、父親の手を握ったことありますか?男同士で手を握るだけでもキモイのに・・・ましてや、父親の手なんか握ることないよね~~~。俺は、一度だけ40過ぎて、父親の手を握ったことがあります。そう・・・父が息をひきとったとき・・・。親父の手を握りました。それまでは、シャツ作りの経験年数ではまだ追い越せないものの・・技術的には追いついたと思っていたし、会社の運営でも、ほとんどは俺がしてたからすでに自分は、父親を超えたと持ってました。しかし、手を握ったときの父の手は・・・この裁断包丁を何十年も握り続けてきた職人としてのゴツゴツした立派な手でした。「負けた・・」と思いました・・・しかし、自分も人生をまっとうし・・最後にはこう言う手で死にたいと思いましたよ。親父は超えるべきライバルではなく・・・師だったのかも知れません。しかし、自分もシャツ屋としての人生を歩き続けて行けば父とお互いに同じ墓の中で、師弟ではなく、盟友として酒が飲めるだろうなぁ~と思っています。