■「お食い初め」って? |
子供が一生食べ物に困らないようにと願って、赤ちゃんに食べ物を食べさせる儀式を「お食い初め(おくいぞめ)」と言います。古来、平安時代から行われていた儀式だそうです。この時初めてお母さんのオッパイやミルク以外の食べ物を口にします。ただし口にするといっても、食べるマネをするだけです。
その他の呼び名・・・初めて魚を食べさせるということで「真魚(まな)始め」、初めて箸を使うので「箸立て」「箸揃え」「箸祝い」とも言われます。また、祝う時期が生後百日前後なので「百日(ももか)の祝い」や「歯がため」という呼び方の地域もあります。
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■「お食い初め」の時期は? | 赤ちゃんが生まれて100日か120日目に行います。地方によって様々です。この100日以降は、生後3ヶ月から4ヶ月頃でそろそろ離乳食の始め時。あくまでも目安ですので、その前後の都合のいい日を選び、お祝いするといいです。
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■「お食い初め」 <祝い膳の内容>
| 一汁三菜が基本
鯛などの尾頭付き焼き魚・すまし汁・煮物・香のもの・赤飯か白飯
丈夫な歯が生えるように、“歯固めの小石”。しわがいっぱいになるまで長生きできるように“梅干”を添える習慣もあります。
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■お食い初めの器
赤ちゃんの祝い膳 男児用(総本朱)箸付
赤ちゃんの祝い膳 女児用(黒内朱)箸付
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日本古来から伝わる漆器
黒内朱が女の子用・朱塗りが男の子用です。お椀は塗り色が違うだけで大きさなどはまったく同じだそうです。
●めし椀 ・・・赤飯を入れます(お食い初めにはかかせません)
●汁椀・・・ 豆腐やヨモギ麩など季節の具を使用するといいです。
●高つき・・・ 小石を3個載せます(歯が丈夫になるように)
●お平椀・・・煮物やタラコなど(お食い初めには海の幸、山の幸を入れます)
●つぼ椀・・・酢の物や香の物などを盛り付けてください。地方のおめでたい食べ物でもいいそうです。
●お膳・・・男の子、女の子では大きさが一緒ですが、高さが違います。
●お箸・・・正式な形では、柳の白木を用います。
正式な器(漆器)は必要?
現在では、正式に行なうケースは少ないようです。ちょうどこの頃は離乳食の始め時なので、離乳食用食器(ベビー用食器。今では電子レンジ対応の便利な物もあります)をそろえて代用するほうが実用的です。それぞれのご家庭にあったお祝いの仕方でよいのではないでしょうか。
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■儀式の内容は? | 正式には「養い親(祖父母や親戚のなかの長寿の人)」が箸をとり食べさせるマネをします。これも長寿にあやかると言う意味がありそうで、男の子なら男性に、女の子なら女性に頼むそうです。現在では、こだわらずに両親だけで行ったりする場合が多いようです。
最初に鯛などの食べ物を口にもっていき食べさせるマネをします。それから、石のように丈夫な歯になるように願いを込めて、箸で小石を触れその箸であかちゃんの歯茎を触ります。本格的な食べ方の順番は、飯、汁、飯、魚、飯の順に三回食べさせるマネをします。そして「ひとつぶなめ」と言われるように一粒だけでも食べさせるようにするといいそうです。
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