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カテゴリ:読書 小説
「容疑者Xの献身」に続く、天才ガリレオと呼ばれる湯川学准教授を主役にするシリーズ2作目の長編になります。
それにしても、短編集の「ガリレオの苦悩」と同時刊行というのは思い切ったことをするものだと。 このシリーズは長編になると全体のトーンをどことなく切ないものにするという決まりでもあるのかと思うくらい、共通するベクトルを感じずにはいられません。 2作一気にネタバレする危険性があるので、詳しくは書けないという制約があるのですが、1つは湯川と草薙の2人の関係性というか、思惑にずれが生じてしまう部分があるという事になるでしょうか。 そして、もう1つ両作ともに犯罪トリックに関しては用意周到であり、用意周到なトリック故に切なすぎる話に仕上がっているというところでしょうか。 そして読んでいながらどうしても気になってしまうのは、内海薫の重要性が非常に高い作品故に、映像化する時に設定をいじる事なくできるので、映画化なりドラマなりで労せずにやれそうだなという事ですかね。 小説として非常に面白いのですが、どうしてもそういった観点で考えてしまうというのは良い事なのか悪い事なのか(苦笑) 何気に、ドラマ化の影響を一番感じたのは、作中に音楽を聴くシーンで、思い切り福山雅治の名前が出てきたときだったりしますが、これは露骨に仕込んだなと(笑) このシリーズの長編はすでに書かれていたので、長編と短編のテーストの違いというのをすでに知っていましたので、そういう意味での驚きは少なかったですが、中身としては非常に楽しめましたね、具体的にどうこう書くためにはネタバレしないと書けないのがもどかしいくらい。 特にこのシリーズの好きなところは、仮説を立てては検証し正解にたどりつくまで可能性を消していくという作業の丁寧さにあるので、長編ではそれが数多く見る事が出来る分、大掛かりと言えば大がかりなものができたりするので。 聖女の救済 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年10月23日 20時37分50秒
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