西安西北大学寸劇事件




10/30の日記



『10月29日、西安の西北大学で行われた晩会(パーティーのようなもの)で
外国人留学生も参加交流し舞台に上がっていろいろ表演したらしいのだが
西北大学において日本語を教えているという「山田」(仮名)なる教員と彼が率いる三名の 日本人留学生がとんでもない<表演>をしたらしい・・・。
なんでも 胸にブラジャー、股に生殖器(模造品)をつけ胸に「これが中国人だ!」と札をつけていたというのだ。あまりにも中国人をコケにした表演ということで
中国人学生が激怒。10月30日夜10時、西安の中心街をデモ行進した
と言う情報が流れました。嘘か本当か・・・・でも本当ならこのご時世にこの山田なる教師は何を思ってこんなことしたんだろう 。』


以上某サイト書き込みより引用。


私は彼らとは親しい関係にあり、昨日午後からは彼の部屋で時を過ごした。
ほんのちょっとした誤解からこの事件は発生した。確かに寸劇としては少しおげれつだったかもしれない。しかし彼らは中国人を侮辱した行動は全く行っていない。
本来の趣旨は日中友好と言う名の元で作った劇だったのだ。中国の文化背景を少しでも理解していればあのような寸劇は行えなかったかもしれない。
彼らに非が無いとは言えない。しかしこの後の中国人学生の行動のほうが、常軌を逸した行動だと思う。

30日午後12時過ぎ、約100名ほどの学生が、
留学生楼の前に集結、そしてデモを開始した。

初めは遠巻きに見てた学生らもしだいに参加し始め、あっという間に
約1000名近くの学生が集結した。それとともに抗議行動はエスカレート。
日本国旗や日本ブタと書いた人形を破壊して燃やすなどの悪行の限りを尽くした
そして、我々に数々の侮辱の言葉を投げつけ、寸劇参加者の謝罪を求めつづけた。

僕は7階の部屋でそれを見ていた。一人の日本人が、数十人の中国人に追いかけられ、挙句の果てには殴るけるの暴行を受けたのだ。映画の『プラトーン』をご存知の方は、一人のアメリカ兵が、多数のベトナム兵に追い詰められるシーンを
思い浮かべていただければ想像つくかもしれない。

彼らの暴挙はとどまることを知らず、ついには留学生楼に突入、
日本人狩りと称し、いすや鉄パイプを片手に

 「日本人はどこだ?]

と叫びながら片っ端から部屋のドアを蹴破り、部屋の中にいた学生に暴行を
加え始めた。

窓ガラスを叩き割り、部屋をちゃめちゃにし、
女子学生に対してもなんら手加減をせず暴力を振るったのだ。

デモが開始されてもう5時間が経とうとしていた。
まだこの時点になっても公安すら現れず、なすすべのない状態。
部屋に乱入した学生は学校の保安隊によって一時的には排除されたが、
それでも留学生一同は再度の乱入を恐れ、恐怖の時間を過ごしたのだ。

一方僕はというと、あくまでも楽観的であった。
なぜ僕が留学生楼にいたかというとそれは一本の中国人学生の電話がきっかけであった。

突然部屋に鳴り響く電話の呼び鈴

『今何が起こっているか知ってる?』

「知らないよ」

 「凄い事が起きてるのよ!!○#△%×$□&’!?」

早口でまくし立てられたら何を言ってるのかさっぱり解らない。

 「わかった?」

 「いやごめん全然わからんわ」

 「それなら日本人の誰かに電話でもして聞いてみたら?」

 と言う事で電話を切り日本人留学生に電話した。

電話に出た彼は非常に取り乱していた。


長くなりそうなのでまた明日。


10/31の日記



今とんでもないことが起こっているんです。中国人が留学生楼の前で・・・。

それを聞いた僕はいてもたってもいられず、学校へ足を運んだ。
しかしいつも利用している西門から入ることは危険だと感じ
あえて留学生楼に一番近い南門から入る事にした
この南門は留学生楼の裏手にあり普段でもほとんど開く事のない門だ。

違法ではあるが、躊躇している暇は無い。
幸いにも警備員は辺りにいなかった。デモの為動員されたのだろう。
僕はその南門を乗り越え侵入に成功。

そして何事もなかったかの様に装い、留学生楼の中へと足を踏み入れた。

時にして一時30分頃。一階ロビーは、異様な緊張感に包まれていた。
エレベーターも停止。階段の脇には保安が立っていて厳重に警戒

僕は以前から保安とは非常に仲が良く、そして尋ねた。

『何があった?」

『何でおまえいるんだ?』

『見に来た(笑)』

『危ない危ない早く上がれ!』

ただ事じゃなさそうな警備員の応対で流石に危険を感じ、足早に友達の部屋へ駈け込んだ。

 「お~い俺だ」

『えっ!まじで来たんですか? 良く無事にこれましたね?」

 ほんとに信じられない!』

『めったに出来ない経験やろ、部屋にいてもおもろないし・・・』

彼の部屋で事の一部始終を聞いたあと其の部屋を後にし
別の友達の友達の部屋を回った。そして最後に7階の彼の部屋へ。


 
時計が九時を回った頃、突然ドアをノックする音。部屋中に緊張感が走る。ついにこの部屋にまでやってきたか・・・。部屋には僕を含め男3人、女二人。

『開けなさい』

声の主は先生だった。『

 「荷物をまとめなさい。もう少ししたら留学生全員で、
   ホテルに移動する。2.3日は帰って来れないと思うから準備しておけ』


僕はこの時間までに、何度か部屋に帰ることを試みたが、全て保安に阻まれた。

『おまえ気は確かか?』

 『大丈夫だよ。中国人のふりすれば分からないよ・・・』

『駄目だ!絶対駄目だ!
 明日になれば何とかなるかもしれんから、それまで待て!』

『俺おととい犬買ったんだ、彼が心配だ。』

『2・3日は大丈夫だろ?』

『・・・・・』

警備員とこのようなやり取りを何度か繰り返したが結果は同じ。
まあ仕方ないかなあと思いつつも夜中になればきっと抜け出すチャンスがきっとあるだろうと僕は考えていた。


中国人学生は11時半が門限であり就寝時間である。
だからそれが過ぎたら皆帰ってこの暴動も収まるだろうと誰もが思っていた。

ところがだ、11時を回った頃さらに騒ぎは大きくなり、行動もピークを迎える。

中国人学生らが留学生楼一階ロビー制圧。そして留学生食堂へ突入。大きなガラスドアは見るも無残に壊されそれと同時に窓ガラスも次々と破壊される。

なぜ彼らが食堂へ攻入ったのか?

理由はこうだ。

それまでに何人かの暴挙者を、留学生食堂で拘束していた。それを知った彼らが彼らの開放を求めて動いたのだ。

もう事が起きて10時間以上経過しているのになぜ公安とか、機動隊などがやってこないのか留学生一同非常に苛立ちを感じていた。 
  
『来た、来た、やっと来たぞ!』

日本でもおなじみのあの格好、フルフェイスヘルメットに、盾、棍棒姿の奴らだ。

2,3百人程来たのだろうか、こいつらが来ればやはり解決は早い。

あっという間に食堂付近にいた中国人学生を排除してしまった。僕らもこれで一安心できるかなと思っていたけど、事はそう簡単には行かない。

依然として留学生楼正面玄関前にたむろしている彼らは、ひるむどころか以前にも増して威勢が良い。歌なんかも歌ってやがる。

『機動隊は何やってるんだ。とっとと片付けろや!』

思わず僕は彼らの其の姿を見て叫んでしまった。

ところが、その機動隊はというと、およそ5,60人もの隊員が、何故か
地べたに座り込んでヘルメットを脱ぎ、煙草を吸っているではないか・・・。
彼らの中には笑ってる奴らさえいる。完全にリラックスしてやがる。

どういうこと?さっきのあれでおまえらの仕事終りなの?まだ何も解決してないよ・・・。

僕らは、全く理解できなかった。

って事でまた明日。


11/1の日記


膠着状態のまま、時はただ無意味に過ぎていく。起きて見ているのも馬鹿らしくなり、少し横になった。

それでも1時間くらいは寝てたのだろう。激しくドアをノックする音で目を覚ました。まさか中国人ではないだろうとは思いながらも、やはりドアを開けるのは少し緊張した。

やってきたのは中田君(仮名)だ。彼もまた演劇の参加者で、中心人物だ。
彼について触れていなかったが、僕がこの部屋に来たとき彼は、すでにこの部屋にいたのだ。彼は、自分の部屋に荷物を取りに行き戻って来ただけだ。

この中田君、山田君(日本語教師)と僕とは、同期生だ。彼らとはもう1年もの付き合いで、どういう人間だかお互い知り尽くしている。

山田君は、前期までは学生として中国語を習っていたのだが、今期から先生として教鞭をふるっていた。彼は2年ほど教師をして帰るつもりだと、以前語ってくれてた。

午後からの2,3時間のうちに、彼宛の電話が鳴り止まなかった。掛けて来たのは彼の教え子達。

  『先生ご飯食べた?』
  『大丈夫?』
  『また授業してくれるよね・・・。』
  『私たち先生を信じてる』

内容は全てこんな感じだ。これで彼の人柄がわかるだろう。わずか2ヶ月で、ここまで生徒に信頼されている奴だ。

その一方中田君は、ちょっとお調子者の、楽しい奴。彼は大学2年生だ。
中国語のほうはというとそれほど達者ではないが、中国人の友達が非常に多い。
大学生以外にもかなりの知り合いがいる。

演劇には4人の日本人が出演したのだが、後の2人は事は僕はあまり知らない。


外の喧騒も、ずいぶん収まったようだ。なんでも正面玄関前で騒いでた連中を、
機動隊が別の場所に移動させたそうだ・・・。

『でもどうやって?
  それが出来るならなぜもっと早くしなかったんだ?』

少し疑問も残ったがまあいいやと納得する。時計を見ると3時前だった。

それからわずかして中国人の先生がやってきた。

    『これから全部の留学生移動します。
                廊下集まってください。』

やったこれで自分の部屋に帰れる~と思った。

一階に下りたとき、皆が唖然としてた。ガラスは全て砕かれ、まさに竜巻の過ぎた後?ってな感じ・・・

裏庭に集まり整列させられ、そのまま車に乗り込むようにと言われる。 
僕はこのままでは、いっしょにホテルに行く羽目になってしまう。そこで僕は先生に言った。

 『俺自分の家に帰っていいか?
   お金も持ってないし着替えも持ってないから・・・』
 
 『駄目だ!危なすぎる!』

あっさりと断られるも、まあ隙を見て逃げようとたくらんでいた。

いよいよ乗車、その時何食わぬ顔で、列を離れ反対側の歩道へ。

誰も声を掛けてこない。いっそ走って行こうとも思ったが、返って目立つかもと思いゆっくり歩いて家に帰った。

彼は起きて僕を待っていてくれた。部屋のあちこちに小便がしてある。

まいったなぁ・・・僕は仕方なく彼の後始末をした。


トイレってどうやってしつけるんだったかな?明日ネットで調べてみるか・・・。

とりあえずビールで無事返って来れたことを彼と祝った。


11/2の日記


30日の日記で、プラトーン状態で追い詰められリンチに、あった人がいたと以前書いたが、彼は日本人ではなかったようだ。何でも日本擁護の発言をしたため、そのような対象にあったとの事だ。

このような表になっていない事件はあの日だけでも、かなりあったようだ。

さて何はともあれほとんどの留学生は無事ホテルに移動し、安全が確保された状態である。しかし、僕を含め学校の外に住んでいる日本人にとっては、かなり危険な状態である。

電話で友人が心配してくれて
 
 『絶対に外に出るな!
      誰か尋ねてきても、ドアは開けるな!』 

と何度も忠告してくれた。これは日本人の友達だけでなく中国人の友人からも、
同じようなアドバイスがあった。

しかし僕はそんな忠告も無視して興味半分で早速外に繰り出した。

先ず気づいたことと言えば警官が以上に多い。そして学校の校門前では、2~300人はいるだろうか、相変わらず無駄なエネルギーをつかって騒いでいる。

僕は無謀にもその集団の中に入っていった。ちなみに僕は家を出るとき服装にだけは気を使って、なるべく中国人っぽい格好の服を選んだ。全く誰も気づかない。まあ当たり前か。

もしこの場で

    『俺は日本人だぞ~』

って言ったらどうなるだろうかななどと思ったが、さすがに実行する勇気は無かった。

町の中心街では、日本料理店が襲撃されたとか、日本人がたくさん住んでいるホテルが教われたなどの事件があったらしい。もちろんこのような報道は中国側からは一切発表されない。これは、留学生から聞いたりネットで見て知ったことだ。

自分たちの不利なこと、都合の悪いことは一切触れないし報道しない。

たかだか2~3人の留学生が、少し羽目をはずしたくらいで、こんなにも大騒ぎするほどの事なのか?彼らは少したりとも中国人を侮辱してはいない。ただそれを見ていた反日思考の強い学生が、これをネタにひと騒ぎしてやろうとなどと思って起したものだろう。いやもしかしたら黒幕は政府だったりして・・・・

事件のきっかけとなる劇は、29日の2時半頃に行われた。そして暴動が始まったのは、翌日の昼過ぎ・・・。この間はいったい何なんだろう?彼らはこの間に他の反日野郎を集め、普通の学生を洗脳して、この暴動に備えていたのではないだろうか?学校がその気だったなら、簡単に解決していたものだろう。

 『今暴動に参加している学生諸君、
   直ちに止めないと君たちを退学処分にする!』

これで十分だろう。

なぜこんなことも言えないのか?なぜ10時間以上たってやっと公安がやってきたのか?どうしてもっと早く呼ばなかったのか?なぜ西北大と全く関係のない外部の反日野郎が参加できたのか?問題をあげればきりが無い・・・。

今日午後から留学生全体の会議があった。結局寸劇に出演した4人の他、8人の日本人女子留学生の帰国と言う形でけりがついたようだ。授業も明日から開始される。

なんやかんや訳の解らん情報が飛び交っていたが、結局真相はこうだ。

まず「これが中国人だ!!」なんて叫んでもないし、紙を掲げてもいない。
裸踊りといってもTシャツの上に赤いブラジャーをして、顔にダンボールで作ったロボットのような箱をかぶり「中国」「ハートマーク」「日本」と、日中の友好をあらわす事を背中に書いていただけ。

踊りもたいしたものではなく、舞台で音楽にあわせてリズムをとる程度のもの。

まずかった点といえば、リハでは着けていなかった下着を身に着けたこと。
会場へのサービスのつもりで、ブラジャーの中に隠し入れたお菓子の包みを掴み
だして観客席に投げた事。

しかしこれは何ら悪意から来たものではなく、あくまでも盛り上げるためにやっただけの事。そして、彼らは自からで参加したのではなく、中国人の学生に、半ば強制的に参加させられたものであったのだ。

この程度のことで侮辱されたと、数千人のデモを起こし、校舎を破壊しまくり、日本人狩りと称して、無差別に日本人を襲撃し関係のない女子日本人留学生二人に怪我まで負わせている。さらには日本料理店などを襲撃、多大な損害を与えた。
日本人留学生は即刻退学処分、巻き添えを食った形となった日本語教師は
解雇、そしてともに緊急帰国させられた。

たかが大学の学園祭での下品な行いで、このような国際問題になるとは、中国の異常な国内状況が現われたものであるとは考えられまいか?

たしか、中国は勝手にデモなどを行える国ではない。
反日抗議デモが起きたということは、当局が仕掛けた「やらせデモ」の可能性が十分にある。

最後に事実をもう一つ。

飛んだとばっちりを食ってしまった教師。彼は事件の発端となった劇の一つ前に
一人で出演し、マネキンを使って腹話術を披露しただけである。
ただその後の彼らの芸に、内容も知らず跳びいり参加し、舞台の上に上がり笑って見てただけなのである。





西北大寸劇事件特別サイト






                             


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