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2014.09.19
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カテゴリ:災害記録帳
昭和19年(1944年)12月7日に午後1時36分、紀伊半島東部の熊野灘を震源とする地震が発生した。昭和東南海地震だ。M7.9(気象庁)、死者は1223人を数える甚大な被害にもかかわらず、戦時中の報道管制下にあったことから「隠された地震」となった。


激しい揺れと津波

最大震度は三重県の津市と静岡県御前崎の6とされているが、地震学者の飯田汲事が1977年に家屋の倒壊率に基づき推定した結果、愛知県南部等で震度7を記録したと推定される地域もあった。また東京でも長周期地震動が観測されている。

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<昭和東南海地震の震度分布(中央防災会議資料より)>

激しい揺れにより東海地区では軍需工場が大きな被害を受けていた。
愛知県半田市では紡績工場から転用された中島飛行機製作所の山方工場の建物が崩壊し、153人が犠牲になった。軍事機密を守るが故工場には出入口が一つしかなく、多くの人が出口に集中する中建物が崩れ落ちたものだった。犠牲の多くは学徒動員で働いていた中高生だった。

軍需工場が被害にあったことは最大の機密事項として隠ぺいされる。しかし米軍は被害を航空写真で撮影しており、後の空爆の参考にしたという。

また、国民学校の生徒たちが疎開先で被害に遭う例も多かった。疎開先で被害を目の当たりにした生徒たちは、両親に対しても地震のことを話してはならないと口止めされたという。

一方、沿岸部では津波の被害も甚大だった。尾鷲町(元尾鷲市)では津波の高さは9mに及び、川沿いに遡上したことで150m内陸の家屋まで破壊し、多くの漁船が陸に乗り上げた。第一波が去った後、家へ荷物などを取りに戻り、第二波に巻き込まれて犠牲になる例もあった。
津波被害の様子も米軍が航空写真を撮影しており、数年前に公開されて被害の詳細が判明した経緯がある。

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<太田金典氏が撮影した尾鷲市内の状況(三重県桑名地域防災総合事務所HPより)>


隠蔽された被害も世界は知っていた

この地震に関する正確な資料はほとんど残っていない。
地震翌日は真珠湾攻撃から3周年にあたる「開戦記念日」であり、新聞各紙の一面は軍服姿の昭和天皇の立像で飾られており、戦意高揚の文章が踊っていた。
地震の記事は片隅に記載されたのみで、被害が軽微であり「すぐに復旧できる」といったような形で実態とはかけ離れた報道となっていた。事実は国民に知らされることはなかった。

しかし、実際には世界各国の震度計がこの地震を捉えており、大きな被害であろうことは把握されていた。
日本の新聞とは対照的に、アメリカのニューヨークタイムズでは一面で地震を報じ、「日本の中央部で大地震があり地球が6時間にわたって揺れ、世界中の地震観測所が『壊滅的』と言い放った」と記した他、「大軍需工場が被災地に含まれるが日本は損害を軽微に見せようとしている」とまるでお見通しだった。また、米軍は心理作戦として航空機から地震のことを書いた宣伝ビラを投下して日本の動揺を誘った。

被害を隠すことは救難や復旧といった対応を蔑にすることに他ならない。
しかもアメリカが被害状況を詳細に判読できる航空写真まで撮影して把握していたのだ。
結局知らぬは国民だけだった。





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Last updated  2016.03.06 14:23:56
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