サユリストには見逃せない日活映画とは一味も二味も違う作品。今回のマドンナは吉永小百合だ。少し翳のある可憐さに寅はぞっこん参ってしまう。
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とらやの入り口に『貸間あり』の木札がぶらさがった。”貸間あり”、若い人には分からないだろうが、昭和30年代にはよく見かけたものである。実際、私も学生時代によく世話になったものだ。
普通のしもたやのよく目立つところに貼り付けてあった。俗に素人下宿とも呼ばれていた。空いた部屋を貸して少しでも収入のタシにしようとする家が多かったせいだろう。
道が逸れたようだ。とらやにぶら下がった”貸間あり”を久々に帰ってきて見つけた寅さんの心中いかばかりだっただろうか。
寅次郎は悲しくなって下宿屋を他に探す。ところが不動産屋で見つけた物件はなんととらやの部屋。そこで一騒動持ち上がるのだ。実はさくら夫婦が家を持ちたいと望んだことから、竜造がその手助けをしてやろうと考えたからだ。
むくれて家を飛び出した寅さん、北陸路の旅の空。そこで知り合った20代の若い女性3人組と寅さんは意気投合、東尋坊などの旅行案内をすることに。
楽しい一時を過ごした寅さん、柴又へ帰ってくる。3人組の一人で、どこか寂しげな歌子は小説家の父とのぎこちない関係に悩んでいた。
そんな歌子が柴又へ寅さんを訪ねてやってきた。寅は年の差なんてなんのそのと色めきたつ。恋心は益々つのるのだ。
意中の人との結婚を夢見る歌子は父の反対を押し切るだけの勇気も出ず、悶々とした気持ちをさくらに洩らすのだった。”悩める乙女心”に寅さんの恋心は空回りする。
歌子は幸せを勝ち取れるのだろうか? 寅は流れ星をみて、やせ我慢?