|
カテゴリ:カテゴリ未分類
・
“謄写版(とうしゃばん)” と言っても、今の若い人はご存じないでしょうね。ワープロ・パソコン・プリンター・複写機などない昔、同じ文書を何枚も作成する道具は 謄写版 でした。 公的な文書は、庶務係に専任の和文タイプライターのタイピストがいて作成しますが、内部資料などはもっぱら 謄写版 で作られました。 私は、学生に配る講義や実験の資料作りを、この 謄写版 でよくやらされました。季節を問わず、下働きの助手によくさせられる仕事でした。 謄写版による印刷用具 (福岡県・大野城市教育委員会の許可を受けて掲載) 謄写原紙 というのがあって、それを細かい目のヤスリ板の上に置き、渡された原稿のとおりに、鉄筆で1字1字書いてゆくのです。このとき、ガリガリと音がするので、謄写版 は “ガリ版” ともいわれました。 謄写原紙 には桝目(ますめ)が付けてあって、この枠内に1字ずつ書いていくのです。普通の字でよいのですが、謄写版 に適した字の書き方があって、この書き方で書くと刷り上がりが奇麗で読みやすいので、上手な人から字の書き方を習いました。 書き損なったときは、修正液というのがあって、それを塗って乾いてから書き直すのです。しかし、修正液を使うと、印刷の字が汚くなるので、字を間違えないように書くのが一苦労でした。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 理研光学工業(現・リコー)などが白黒複写機(コピー機)を発売したのは、昭和30年代なかごろ、東芝などがワープロ(ワードプロセッサー)専用機を発売したのは、昭和50年代のなかほど、だったと記憶しています。 今は楽ですね。ワープロソフトを使えば、字の上手下手は関係なし。書き損じなどいくらでも直せますし、文章も絵も写真も、ソフトを使って、自前で好きなように加工し配置して、何枚でも印刷できるのですから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|