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縦走クラブ・放浪人 --西中国山地を絆にして--

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カッパ@ Re:9/30-10/2 大門山、大笠山、笈ヶ岳(10/01) お疲れ様でした。天気が良く白山が見えて…
縦走クラブ・放浪人@ Re[1]:9/30-10/2 大門山、大笠山、笈ヶ岳(10/01) カッパさんへ 訪問ありがとうございます。…
カッパ@ Re:9/30-10/2 大門山、大笠山、笈ヶ岳(10/01) 久しぶりの記事で明るくなりました。
縦走クラブ・放浪人@ Re[1]:9/30-10/2 大門山、大笠山、笈ヶ岳(10/01) 因業雁木さんへ ご無沙汰しております。す…
因業雁木@ Re:9/30-10/2 大門山、大笠山、笈ヶ岳(10/01)  放浪人さん今晩わ 山歩きより辛いブログ…

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2011.08.05
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カテゴリ:カテゴリ未分類
今回は飛行機に乗っての遠征で,日本で最後に残された秘境である日高(と私は信じている)を登る。カムイエクウチカウシ山,通称カムエクは,前回登った幌尻岳から南に延々と続く山脈を見たときに一際大きな存在感を発していた山。日高では幌尻岳(2052m)に次いで第2の高峰(1979m)。
たくさんの休みとお金を掛けていくのだからしっかり山を満喫しようと練った計画が,エサオマントッタベツ岳から入ってカムエクを越えて縦走し,コイカクシュサツナイ岳から下山するというもの。2泊で抜けるのは余程コンディションが良くないと難しいだろうとは分っているので,本命はエサオマンからカムエクである。尤も,この本命コースはエスケープがないので最低限抜けなくてはならないものでもある。メンバーは3人。
【ルート図】
カムエク地図

飛行機,列車,乗用車を乗り継いでエサオマン登山口に17:30頃到着しC0。戸蔦別川第6号堰堤の横で車止めがしてある。林道はずっと砂利道だが走りやすい道だった。送ってくれた友人の車が帰っていくと急に心細くなる。弁当を食べるとすぐにテントに潜り込んで寝た。

【山行1日目;8月5日】
5時過ぎに出発。ゲートの横を抜けて林道を進んでいく。空は快晴。30分ほどで戸蔦別川とエサオマントッタベツ川の合流点になり林道も分岐するので、本線から別れてエサオマンの林道に入る。道は明瞭だがほとんどヤブに覆われて車が走れるほどの幅はない。間もなく林道が終わり、そこから沢の遡行になる。
沢靴に履き替えて渡渉。対岸に渡るとまた笹の中に道があってこれを辿る。しばらくこんな感じで進むが、ガケノ沢分岐を過ぎたあたりから道もなくなり、沢の中を歩くようになる。大きな石が転がる河原をルートを探しながら登っていく。水量が少ないので助かるが、増水すると巻いたりするのが大変だろうと思う。滝は全くない。
1245m地点を過ぎると沢が急になり、左手の支流の上の方には急な滑滝が見えてきて、間もなく二段の大きな滝が現れた。右の斜面の巻き道を上がる。1350m付近になると愈々このコースのハイライトの長さ300mの滑が現れた。かなり凸凹があるので登る分にはそれほど苦労しないが、下るとなると嫌な感じだ。滑を過ぎると間もなくカールに着いた。
カールには雪があるが思っていたよりはかなり少ない。羆が居ないか注意深く観察。この頃になると大分雲が湧いていてエサオマンの山頂付近にもガスがかかり始めた。
ここから水場が無くなるのですべてのポリタンクに水を満たして出発。稜線へのルートを示すものは何もないが、一番左のガレ場に小さなピンクテープが付けてあったのでこれを目印に登る。急な雪渓の残るガレた沢だ。落石に気を使い、最後はダケカンバや笹を掴んで体を持ち上げて登った。這松が現れると間もなく札内ジャンクション東側50m付近の稜線に着いた。JP到着は13時半で、カール底から1時間20分を要した。
JP頂上にテントを張った後、エサオマンをピストンする。エサオマントッタベツ岳の頂上はプレートも何もない。ただ、横を向いた這松の枯れ枝にビニールひもが括ってあるだけだった。日高側からガスが噴き上げて景色も見えない。ただ辿りついたという満足感はとても大きかった。
札内JPから空身往復1時間15分。
【エサオマントッタベツ川遡行の滑滝】
エサオマン滑

【札内JP付近から見たエサオマントッタベツ山】
エサオマン

【札内JPからみたカムエク(中央)、右は1917m峰、左手前は1903m峰。この3座をカムエク3座というらしい】
テント場から南を望む

【山行2日目;8月6日】
4時40分出発。ガスっているがしばらくすると雲が切れてきた。夜にパラパラと降った雨で草木は濡れている。道は昨日より這松などの被りがひどくて進むのに往生するとともにルートの確認も難しい。しばらく下ると道は稜線を外れて十勝側の斜面を巻くようになる。稜線は這松がびっしり生えているのでルート確保が難しいのだろう。十勝側は急斜面だがお花畑が点在していて、道はこれを繋ぐように付けられている。踏み跡が微かなのに加えて羆の道が交わり、更に掘り返しなども多くて度々道を見失う。
1760mコブを過ぎて再び十勝側を巻く道に入ったが、とうとう道を見失ってしまう。強引に笹ヤブやお花畑を突っ切ったのが失敗のもとで、気がついた時には這松のヤブの中で往くも還るもできない状態になってしまった。強引に稜線目指して這松をこいだが、濡れた急斜面で滑って地面に叩きつけられること数回、体力も気力も使い果たすころにようやく稜線に戻り、踏み跡を見つけることができた。
ここから先はほぼ稜線通しの道になるが、相変わらず這松の被った難儀な道が続いた。
ナメワッカ分岐に9時45分。朝一番から道に迷って消耗してしまい、とてもカムエクを越えて八ノ沢カールまで行くことは難しそうだ。どこまでいけるか・・・
ナメワッカ分岐あたりから岩稜が出るようになる。神原照子氏は『日高辿路(ひだかてんろ)-藪を漕ぎ、クマにおびえて登った 日高山脈百十三座の軌跡-』に「日高山脈中、主稜線で一番の岩稜が続いている」と書いている。ヤブの中に所々岩が現れ、地図では分からない岩峰やアップダウンがあり時間がかかる。羆の糞は至る所にあるが、こんな岩稜にも沢山あり、彼らも稜線を歩いているようだ。尤も彼らが歩かなければこの辺りの縦走路はヤブに埋もれてしまうのかもしれない。
1855mシュンベツ岳に11時。春別岳というのが日高に三座あり、これらを区別するためにこの山はカタカナで表記するそうだ(神原氏)。
この辺りから今日の目標地を1903m峰手前のコル(1732)と決めてひたすら頑張ることとする。十勝側の沢が緩やかで雪渓がかなり上まで残っていて水取が容易そうなことと、良いテント場があるというネット情報があったため。
1917mに上がるころには山はガスに包まれてしまった。午前中は天気が良いが、昼を過ぎると雲が湧いてガスるようだ。
目標のコルに14時15分着。雪渓は近いが流水を得るには1903m峰の斜面の方向に標高差140mほど下らなければならなかった。
【ナメワッカ分岐付近から(左から)エサオマン、札内JP、札内岳、十勝幌尻岳】
1760から札内方面

【ナメワッカ分岐付近からカムエク、1917m峰】
ナメワッカ分岐付近


【山行3日目;8月7日】
前日の行程からコイカクまではとても行けないことからカムエクを越えて八ノ沢から下山する予定だ。それでもかなり長い一日になりそうだ。
天気は快晴。朝日が登るとともに反対側からはカムエクが姿を現した。どこから登るのだろうかと途方に暮れるような壁のような山体だ。4時35分発。
岩稜混じりの這松の斜面を登っていく。昨日からの岩稜地帯で、1903m峰のこの登りが一番スリリングであったように思う。朝一番の元気な時でよかった。50分ほどで1903m峰の肩。頂上まで片道20分ほどらしいが時間の関係で断念。カムエクに向かう。
7時20分にようやくカムエク山頂に着く。今回の縦走で最初で最後の三角点は一等三角点。プレートも1枚置いてあった。勿論景色は遮るものはなく360度のパノラマだ。
カムエクからは大分道が良くなる。ピラミッドとの最低鞍部から八ノ沢カールめがけて下る。カールのテント場で今山行初めての人に会う
八ノ沢ルートもエサオマンと同じように沢が登路になっているという話だったが、二股までは結果的には登山靴で歩けた。
二股からは札内川本流で沢靴が必要。分かりにくい道を探しながら河原を下る。七ノ沢出合に日高横断道路のな残りの橋が見え、ここから林道を歩いて札内川ヒュッテに下山した。17時だった。

【1903m峰からカムエクを望む】
カムエク

【カムエクから北を望む】
カムエクから1917,1903






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Last updated  2011.08.15 22:30:43
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