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吟遊映人の日記 [全845件]
![]() 「死んじまった・・・みんな死んじまった。レニハンもゲレロも・・・グレイストンには子供もいるんだ、死んじゃいけねぇんだ!」 「お前だってそうだ! 生きなきゃダメだ! いいな? シェリースと結婚するんだろ?! 彼女に泣きつけ。俺は慰めてやらねぇからな!」 最初にお断りしておきたいのは、この作品を観るにあたり、DVDソフトに原因があったのかプレイヤーに原因があったのか、後半部に難があり、ベストな状態で鑑賞できなかったということだ。 なのでいつものように最後までモチベーションを維持して観られたわけではなく、作品本来のおもしろさが半減してしまったかもしれない。 だがその点は大目に見て、吟遊映人の感想にさせて頂こうと思う。 作品はお約束の勧善懲悪モノで、視聴者のカタルシスを追求した娯楽映画に仕上げられている。 宇宙から降って来たワケの分からないエイリアンを相手に、アメリカ海兵隊のツワモノたちが立ち向かう姿は勇ましいが、敵の急所を調べるためにエイリアンをよってたかって解剖していくあたりは、強さを超えてちょっと残酷なぐらいだ。 ややもするとワザとらしくなりがちなSF作品だが、その点も撮影のリアリズムを追求して、手持ちカメラを用いているようだった。 おかげでとても視覚効果にあふれていた。 さらに、使用されている効果音(戦闘シーン等の音)は、ゲームを連想させ、ある意味身近に感じられるのも不思議だ。 2011年、宇宙から大量の流星群が地球上に降り注いだ。 だがそれらは沖合いから海岸に上陸し、世界中の大都市を一斉に攻撃し始めた。 例外でなく西海岸のロサンゼルスも、宇宙からの侵略者たちによって容赦なく攻撃を受ける。 アメリカ海兵隊の隊員であるナンツ二等軍曹を始めとするチームは、前線であるサンタモニカの警察署に取り残された民間人の救出に出向くのだった。 主役のナンツ二等軍曹に扮したアーロン・エッカートだが、これはベストキャスティングだと思った。 人相が地味なだけに、この作品ではその素朴さがとても生かされていた。 また、女兵士役のミシェル・ロドリゲスだが、ウィキペディアによると、シーシェパードを支持しているそうな。 しかも札付きのワルとか。 こういう粗暴なキャラを自然体で(?)演じることが出来るのも、ある種の才能だろう。 戦禍をくぐり抜けて来た、したたかな女兵士に相応しい演技だった。 全体として、ゲーム感覚で楽しめるSF映画という印象を受けた作品だ。 2011年公開 【監督】ジョナサン・リーベスマン 【出演】アーロン・エッカート、ミシェル・ロドリゲス また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。 See you next time !(^^) 最終更新日時 2012.05.27 06:44:19
![]() 「(私の)金を返せ。」(←銃を突きつけながら。) 「何の金だ?」 「(メチャクチャの)店を弁償しろ!」 「お家にいるんだ!」(←玄関先に立つ5歳の娘に向かって) 「私の金だ! ないなら(お前の)車をよこせ!」 「俺の(車)じゃない! ・・・落ち着けよ。(ここに)50ドルある。」 「すべてを失ったんだぞ!」(←今にも引き金を引きそうな勢い。) 「パパにはないの。パパは(妖精からもらったケガをしない)透明マントを着ていない!」(←玄関から飛び出し、父親のところまで駆け出して抱きつく。) ~銃声があたりに響き渡る~ 「大丈夫よ。私が(パパを)守ってあげる。」 映画を観て泣くのは初めてではない。 だが、悲惨な戦争映画でも哀しいラブストーリーでもないこの作品に、思わず涙がこぼれた。 人間の崇高な精神を言葉に表現するのは難しいけれど、ひとえに“愛”であろう。 愛は汚れがなく、打算がなく、純粋だ。 それを映像にして表現されてしまったら、もう他のどんな大作も野暮に見えてしまう。 クリスマスを控えたロサンゼルス郊外で、一人の若い黒人男性が銃に撃たれて草むらの中で発見された。 物語は事故当時から丸一日遡ったところから描かれている。 多民族国家であるアメリカの社会問題を、様々な人種が抱えている苦悩として、それぞれの視点から浮き彫りにする。 思うことはいろいろあるが、ポイントは二つ。 一つは、明らかに人種差別問題。 もう一つは、偽善は罪であるという点だ。 注目したいのは、勤続17年の人種差別主義者の白人警官に同行していたアイリッシュ系の若い白人警官。 彼は、同僚の辛辣な黒人に対する差別に嫌気がさしてチームを解消し、一人でのパトロールを希望。 一見、彼は公平で正義感が強そうに思える。 だが、そんなものは時と場合によっていとも簡単に音を立てて崩れてしまうものなのだ。 その証拠に、彼の早急で安易な判断が一人の若者を撃ち殺してしまい、しかも臆病風に吹かれて道端に放置するという警官としてあるまじき行為に及ぶのだ。 このことからも、いかに正義などというものが上っ面で儚いものであるかがわかる。 人間に内在する良心が、偽善の上に成り立っているのだとしたら、これほど残酷でいたたまれない現実はない。 「クラッシュ」は、それでもなお、我々が人間として生きていかねばならない切なさ、痛みを表現しているかに思えた。 ※本作は、第78回アカデミー賞作品賞を受賞している。 2005年(米)、2006年(日)公開 【監督】ポール・ハギス 【出演】サンドラ・ブロック、ドン・チードル、マット・ディロン 最終更新日時 2012.05.25 08:44:47
![]() 「悪者に追われてるのよ。守ってあげなきゃ・・・ハンナを見捨てるの?」 「違うよ・・・ハンナはベルリンのグリムの家に行くって。パパに会いに行くんだ」 カテゴリとしてはスリラー映画に属する作品だと思うが、雰囲気は実にファンタジックだ。 作中の会話にも出て来るが、グリム童話の世界観がそこかしこから漂っている。 本当は恐ろしくてたまらない童話だから、美少女キャラとは対照的に、陰惨で冷酷な人間の横顔がくっきりと映し出されている。 主人公は16歳の美少女だが、ジャンヌ・ダルクのような使命感に燃える女戦士というより、もっと人工的でドライに描かれている。 また、悪役として登場する女性CIA諜報員のマリッサは、童話のキャラに例えるなら間違いなく魔女である。 こういう設定からして、普通ならB級モノになりがちなのに、この『ハンナ』に関しては余りそういう野暮ったさは感じられなかった。 ひとえに、監督の高度な演出力にあるのだろうと推測する。 16歳の少女ハンナは、父エリックとフィンランドの森の中に2人きりで暮らしていた。 ハンナの狩猟の腕前は見事なもので、一矢で鹿を仕留めるほどだった。 また父親から、素手で身を守るための戦闘能力を叩き込まれ、その強さは少女の腕力を超越していた。 さらに、英語以外の語学にも堪能で、ドイツ語、スペイン語、アラビア語をマスターしていた。 人里離れた森の中で暮らすことから解放されたいハンナは、外界に出て行きたいと、父を説得するのだった。 もともとこの手のスリラー映画は大好きで、完璧な美の内に秘める猛毒を表現した世界観に、共鳴せずにはいられない。 胎児のころ遺伝子操作によって、人並み外れた戦闘能力を持ち、生きる人間兵器となったハンナの、思春期を経て森の外へと向かう自立心など、見事に表現されていた。 主人公ハンナ役に扮したシアーシャ・ローナンの、感情に淡白な演技は抜群で、細身の体が鋭い凶器となる時など、そのメリハリに驚愕した。 また、マリッサ役のケイト・ブランシェットは言うまでもなく、世にも恐ろしい女性悪役として周囲を威圧していた。 しかし、一番の功績は、この不思議な世界観を生み出した監督のジョー・ライトにあると思われる。 好きな人はもっと好きになるし、理解する作品ではなく、感じる作品だと思った。 2011年公開 【監督】ジョー・ライト 【出演】シアーシャ・ローナン、エリック・バナ、ケイト・ブランシェット また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。 See you next time !(^^) 最終更新日時 2012.05.20 07:57:04
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