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カテゴリ:作品レビュー(外国映画)
これはホラー映画、オカルト映画ではない。
ジャンルとしては法廷ドラマである。但し、その 法廷で扱っているのは「悪魔は存在するか否か」で ある。 従って、この映画にホラー映画にありがちなショック 描写を期待してはいけないし、逆にホラー映画は嫌い だと、この映画を見るのを躊躇している人には、これ は法廷ドラマだとおすすめしておきたい。 法律の条文の解釈と判例を駆使すれば、世間の常識 からは死刑必至の極悪人でも無罪に出来るのが法廷 論争なのであれば、悪魔の存在を問う法廷があっても 納得である。 裁判シーンの現在とエミリー・ローズが悪魔に憑依さ れた過去が巧みに交差しながら物語は進む。 エミリーの両親が被告の神父をどのように思っていた のかなど描き方が不十分な点もあるが、なかなか面白 く見ることが出来た。 悪魔憑きのシーンは過剰ではないが、なかなか迫力 がある。その場面を見ている観客にとっては、法廷 での「悪魔は存在するか否か」という論争場面は、 「過去のものとはいえ、エミリーの苦悩を直視でき ないのか」と言いたくなるが、世の中の論争とは、その ように「本当の主人公」を無視して行われているので はなかろうか。 例えば、南京大虐殺はあったのか、なかったのか。 従軍慰安婦はいたのかいなかったのか、強制連行は あったのかなかったのか、これらの論争は、その 当事者にしてみれば、なんという空疎なことだろうか と思う。 それにしても、「悪魔の存在」を問う裁判が、成立つ のであれば、「彼女は魔女ゆえ、殺しても妥当だ」 という裁判もありうるのだろうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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