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2006年06月10日
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「セプテンバー11」では11のエピソードがある。
ある種、政治性を期待される映画であるが、このうち日常
の身の回りに限定して政治性など全くなく、想像もさせな
い内容が2つ。
クロード・ルルーシュとショーン・ペンの作品である。
しかし、この2作品では9.11のあの出来事をこのような
視点から切り取ることで現代の一断面を描き出した。
11のエピソードのうち過去の出来事に拘ったものが2つ
ある。
ひとつはケン・ローチ作品。
彼が描いたのは1973年の9月11日のチリ。
アメリカが背後から操った軍事クーデターであり、強烈な
までの批判精神であった。チリの軍事クーデターのみを語り
ながら、2001年9月11日を描き出した。
過去を描いたもうひとつが今村昌平作品である。
ここでは過去の戦争が描かれるが、それはあくまでも過去に
留められ、現代に向かって突き付けられるものはない。
戦争が現代に忍び寄るというものではなく、あくまでも個人
の思念情念の中である。ここから9.11をあぶりだすもの
はない。過去に拘りながらも現代を鋭い批判精神で描き出した
ケン・ローチとは大違いである。

この11分の作品が、今村監督の独立した作品であれば、
彼らしい作品としてプラスの評価をするかも知れないが、
9.11の事件をモチーフとして世界の代表的な作家たち
のオムニバス映画のひとつのエピソードとしてなら、これは
失敗作だと思う。

しかし、今の日本の映画作家で「現代」を鋭く描くことの出来る
のは誰であろうか?
今村監督が出来なかったことを次の世代は実現させるべきでは
ないか。これは日本映画界に突き付けられた課題である。





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最終更新日  2006年06月10日 00時43分04秒
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