それにしてもなんという薄っぺらな、その場限りの行動で
あろうか。

昨年４月、統一地方選の最中に伊藤市長候補（前市長）が
射殺された事件は日本全国に衝撃を与えた。長崎市はその
前代の市長から２代続けて市長がテロの標的にされたこと
になる。
そうした事件を受けて、今、長崎市では「暴力のない安全
・安心な街」をつくり上げるため、市民が結集するシンボル
となる暴力追放モニュメントの建立に向けた運動が展開さ
れている。
薄っぺらだというのは、そのことだ。
この運動の詳細についてはここを読んでいただくとして、
市民をあげての暴力反対運動が、このようなごく一部の
実業界の中心人物たちによってのみ進められ、モニュメント
の建設ということですませていいものだろうか。
「長崎市民の固い決意と誓いが必要」であることは当然だ。
この点に異論はない。ならばこの運動の推進組織には実業界
のみならず、教育界、ＰＴＡ、自治会、市民団体など幅広い
結集によって進められるべきであり、それはモニュメント建設
などという一過性のものにするべきではない。
趣意文には「全国に広まった観光都市のイメージダウンを払拭
するため」とあるが、そもそもマンション建設や開発の為に貴重
な被爆遺構、古い洋館、そして景観を破壊したのはこの運動の
中心になっている人達ではなかったか。
また、地域のコミュニティを破壊してきたのも、同じ要因のもの
である。
「長崎新聞」が加わっているが、地元のマスコミとして、こうし
た流れに何かを言ってきたのか？

彼らにこのようなことを行う資格はあるのか？
彼らにしても、このような運動は幅広いジャンルの人々や団体が
結集すべきことは判っているが、もし市民団体が入った場合の
「論争」をさけて、自分たちの仲良しクラブだけでさっさと
すませてしまおうということではないかと勘ぐってしまう。

募金目標額は１５００万円という。
それだけの募金を集めるならもっと継続性のある運動を起こそう
という発想はないのだろうか？犯罪被害者救済基金ということも、
啓蒙活動の基金にも可能ではないか。