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哲0701の日記

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2009年07月05日 XML このブログを購読する

 愛を読むひと■裁かれるべきはハンナだけか? 映画から何かがはじまる(2186)」
[ 作品レビュー(外国映画) ]    

ナチスとヒトラーが登場する映画で常に描かれるのは
彼らを熱狂的に支持する民衆の姿である。
ヒトラー率いるナチスが党勢を拡大していったのは決
して彼らの独裁的な圧力だけではなく、こうした民衆
の熱い支持もまたその大きな要因ではなかったのか。
「愛を読むひと」でハンナが裁かれるシーンで感じた
のは、では、ハンナをナチスに関わらせることになっ
た時代の空気を作っていった彼女の周辺の人々は裁か
れる必要はないのだろうかということだ。
ハンナが裁判官に投げかけた「じゃあ、あなただったら
どうしたの?」という問いは、裁判の事案となっていた
教会の火災の件だけではなく、自分がナチスに関わる
に至った経緯も含めてのことではなかったのだろうか。

ハンナを追い込んでいったものは、彼女が自分が文盲で
あることを隠していった個人的なことのように描きなが
ら、実は、彼女の周辺の人々の卑怯な沈黙にあることを
この映画は描いているのではなかろうか。
この映画が図らずも浮かび上がらせたのは、歴史の当事
者とその背景にいる人々の沈黙である。
判っていながら勇気を出せなかった人も含めての罪をあ
ぶり出したのではなかろうか。
知っていながら、もうひとつ勇気を出すことが出来なか
ったマイケルは、その代表として描かれているのではな
かろうか。




最終更新日  2009年07月06日 08時01分50秒
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○ こんばんは。   ryokoさん

原作本を読みましたが、おっしゃるとおりこの本が描いていたことの一つは、裁かれるのは看守らナチに加担していた者だけなのか?ということです。
本では「「じゃあ、あなただったらどうしましたか?」というハンナの問いかけは2回あり、教会火災の時放っておいたら死ぬことが分かったいたのに扉を開けなかったという罪に対する糾弾は2回目です。最初にハンナが問うたのは、看守として囚人を選抜しアウシュビッツへ送るということはガス室へ送る、つまり囚人が殺されることが分かっていながら送り続けたことに対する殺人罪に問われた時です。裁判所内の全ての人がその答えに注目する中、裁判官は「この世には、関わり合いになってはいけない事柄があり、命の危険がない限り、遠ざけておくべき事柄もあるのです」と答え、その答えに居合わせた人たちはがっかりするのです。「そんなことができたならやってるよ。できないから困ってるんじゃないか」と思わず言いたくなりました。このシーンは裁判中の一つの山場で、彼らを裁くことはできるのかという問いかけだと思います。
ハンナ一人に罪を擦り付ける他の看守達のみならず、あの時代を生きナチスを容認した世代が負い目を感じており、戦後世代との間に葛藤があるということを描いていたと思います。
本では、マイケル(ミヒャエル)は教授ではなく、哲学教授である気難しい父親に相談します。このシーンは禅問答のようでちょっと私には分かりまねましたが、マイケルは勇気がなかったから公表しなかったのではなく、ハンナの意志を尊重したのだと思います。

>図らずも浮かび上がらせたのは、歴史の当事者とその背景にいる人々の沈黙である。
同感です。
長々とすみません。(2009年07月15日 23時07分12秒)


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