イスラエル占の領下ゴラン高原のある村からシリアへ
一人の女性が嫁いで行こうとする。
物語の核はこれだけであるが、この映画はたったこれ
だけのことから人間の持つ罪深さを描き出す。
それは「境界を作り対立を生み出すこと」であり、
また「対立を作り、境界を作ること」である。
人間は一体、いくつ無益な対立を生み出そうとしてい
るのか。そんなことを考えさせる作品である。
この映画のすごいところは花嫁をめぐる家族の様々な
思いを描きながら、世界の現実を描き出したことであ
ろう。このような視点や映画術は日本の映画作家に最
も欠けているのではなかろうか。